エクセルマクロを習得しても、仕事を効率化できない人がいます。とくに、パソコンスクールでマクロを学んでも仕事に活かせない人は多いです。
その理由は、エクセルマクロというスキルだけを習得しようとするからです。実は、仕事を効率化したり、早く処理できるようになったりするには、マクロの知識を勉強するだけでは足りません。
この記事では、エクセルマクロVBAを習得しても、仕事を効率化することができない理由と、その解決策について解説します。
目次
マクロVBAだけでは仕事を効率化できない理由
パソコンスクールでせっかくエクセルマクロを学んでも、実際に業務を効率化できる人が多くありません。その理由は、仕事の設計を考えていないからです。仕事の設計とは、仕事全体の流れや段取りのことです。
たとえば、各拠点の売上データを集計する仕事があったとします。こういった仕事をするとき、拠点毎がバラバラの集計結果を送ってくることはよくあります。
実際に、拠点1はエクセルのA列、拠点2はエクセルのB列にそれぞれ、売上データを入れることはあります。
そうすると、各拠点の集計結果が統一されていないため、拠点毎に、マクロを作成する必要が生じます。しかも、担当者が変わるとそれまでと違ったカタチで売上データが送られてくることもあります。
そうなると、その場しのぎのマクロばかりを作ってまったく仕事が効率化されません。これでは、マクロを作成・修正の繰り返しで仕事を効率化することができません。
しかし、こういう事態になってしまうのは、そもそも仕事の設計を間違えているのが原因です。
仕事が早い人は全体の設計を考えている
設計を間違えたり、おろそかにすると、エクセルマクロを習得しても、仕事を効率化することはできません。しかし、仕事全体の設計ができる人は、エクセルマクロなしでも、仕事を効率化できます。
たとえば、仕事の質問をすると、何でも答えることが出来る人がいます。実際に、仕事を任せるとパパッとこなして、周囲から仕事が早いといわれる人です。
なぜこのように何でも答えることができるかというと、こういった人は、仕事の流れを完全につかんでいるからです。
仕事の設計が頭の中でイメージできているため、最終のゴールから逆算して、仕事をしているのです。
つまり、仕事を設計するスキルがあれば、エクセルマクロがなくても仕事を早くこなすことはできるのです。
逆に、エクセルマクロを習得しても、仕事を設計する力がなければ、ただマクロが書ける人になっておしまいです。
エクセルマクロと仕事を設計する力があれば、確実に仕事ができると評価される
仕事を設計するスキルがあれば、エクセルマクロがなくても仕事を早くこなすことができます。しかし、エクセルマクロを習得すれば、鬼に金棒です。
なぜなら、仕事の設計を組み立てつつ、必要な部分をマクロで自動化できるからです。
実際に、私は20人でやっていた仕事を一人で仕組み化しました。ムダなエクセルを省き、必要なエクセルは4種類だけに絞りました。そして、その4種類のエクセルをマクロでつなぎ合わせた結果、25時間の業務効率化を達成しました。
こういった全体の設計については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、合わせてよんでみてください。
しかし、こういった現実を教えてくれる人はほとんどいません。仕事の設計を考える力を伸ばしていかないと、マクロを書く力があっても劇的な効率化をすることはできません。
私がパソコンスクールをオススメしない理由
これまで記載したとおり、エクセルマクロだけを身につけても、業務効率化ができません。その理由は、仕事を設計する力が足りないからです。
しかし、こういったことは、パソコンスクールやセミナーでは教えてくれません。なぜなら、パソコンスクールの先生が、マクロが仕事の現場でどう使われているかを知らないからです。
たとえば、英語の先生は英語の単語や文法についてはよく知っていても、仕事で本当に英語が使えるかどうかは別の話です。
また、パソコンスクールで仕事を設計する力が必要なことを伝えない理由は、他にもあります。以下のようなものです。
・マクロの知識だけを教えるほうが楽だから
・受講生に必要性を伝えにくいから
・こういうことをはっきり言うと嫌われるから
一般的なパソコンスクールや「道具」だけを教えるパソコンスクールでは、仕事を設計する力を強化するトレーニングはまず行われません。
しかし、そもそもマクロとは、仕事を早くするための手段であり、ただのツールです。そのため、マクロというツールと、それを使いこなすための頭の使い方を両輪で学ぶ必要があります。
たとえば、カナヅチだけ渡されても、正しい使い方が分からなければ、役にたちません。仕事でどう使うかを合わせて教わらないと意味がありません。
もし、本当に仕事を効率化したいなら、エクセルマクロを習得するだけでなく、仕事を設計する力も高めて行くことを意識してみてください。