パソコンスキルを高めたいと考えるとき、高度なITスキルに注目する人は多いです。
実際、プログラミングは多くの人が憧れます。
また、この記事で紹介しているエクセルマクロやエクセル関数も高度なスキルです。
ただITスキルが低い人ほど、これらのスキルも学ぼうとします。
しかし仕事に関して言えば、高度なITスキルよりキーボードをタイピングする早さやショートカットキーを使いこなす方が効果的です。
この記事では、その理由について詳しくお伝えしていきます。
目次
高度なITスキルに憧れてしまう理由
これからパソコンスキルを学び、ITスキルを高めようと考える人は少なくありません。
しかし、実際にパソコンスキルを学ぼうとすると、エクセルマクロやエクセル関数から学ぼうとする人は多いです。
その理由は簡単で、エクセルマクロやエクセル関数はすごそうに見えるからです。
例えば、エクセルにボタンが付いていたり、セルに関数が入力されていたりすると、「すごい」と感じてしまいがちです。
そのため、エクセルマクロやエクセル関数を習得すれば、「仕事を大幅に効率化できるかもしれない」と期待を抱くのです。
パソコン初心者ほど高度なスキルに注目したがる
しかし、パソコンスキルについて言えば、マクロや関数よりタイピングやショートカットを覚える方が重要です。
タイピングやショートカットの方が重要である理由は後述しますが、初心者ほどタイピングやショートカットの重要性に気づいていません。
なぜ、重要性に気づかないのでしょうか。
それは、マクロや関数を紹介する教材が多いからです。マーケティング戦略上、マクロや関数の商品がよく目につくようになっているのです。
例えば、大型書店に行くと、パソコンスキルの教材が数多く販売されています。よく見てみると、どれもマクロや関数といった高度なスキルを紹介しています。
これはマクロやエクセル関数のスキルは見た目のインパクトが大きいので、注目されやすいからです。
その結果、タイピングやショートカットキーよりマクロやエクセル関数の書籍の方が売れるのです。
書店側すれば、よく売れるものを店頭に並べるのは当然です。こういうわけで、マクロやエクセル関数の商品が目につきやすいところに置かれるのです。
そのため、ショートカットキーやタイピングの重要性は認知されず、多くの人はマクロやエクセル関数に注目してしまいます。
その結果、高度なITスキルに憧れてしまう人が増えるのです。
しかし、実際はマクロやエクセル関数よりパソコンのタイピングスキルを高める方が仕事を早くこなせるようになります。
以下の記事で紹介している通り、私自身エクセルマクロを習得しました。
ただ、マクロを習得するときには、タイピングやショートカットキーをある程度扱えていました。
当時、タイピングが遅かったら、習得までにはもっと時間がかかっていたと思います。
だからこそ、この記事を読んでいるあなたには、タイピングやショートカットキーのスキルを高めることから始めてほしいと思っています。
まずはタイピングやショートカットを覚えるべき3つの理由
パソコンスキルを高めるなら、マクロや関数より、タイピングやショートカットから始めるべきです。
その理由は以下の3つです。
理由2|高度スキルを学びやすくなる
理由3|反復練習をすれば1ヶ月で2,3倍の早さになる
以下で詳しくお伝えしていきます。
理由1|タイピングやショートカットキーは仕事の基礎基本
パソコン仕事における基礎基本、タイピングやショートカットキーです。
なぜなら、パソコン仕事のほとんどはキーボードで操作するからです。
そのため、タイピングやショートカットキーを使いこなせるようになれば、あらゆるパソコン仕事が早くなるのです。
例えていうなら、タイピングやショートカットキーは高校数学の九九計算のようなものです。
高校数学において、微分積分のような高度な内容が注目されがちです。
しかし、数学において九九計算をベースにした計算力がないと、微分積分のようなレベルの高い内容を覚えることはできません。
それは、微分積分の計算をするとき、九九計算の計算を何度も行うからです。
九九計算ができないと途中の計算で躓いてしまい、レベルの高い計算を行うことができないのです。
これが、パソコンスキルでも同じことが起きています。数学の九九計算がパソコン仕事のタイピング、ショートカットキーなのです。
ただ、中学や高校では、数学は教科書通りに学ぶようなカリキュラムなので、九九計算より微分積分を先に学ぶことはありません。
そのため教科書通りに学べば、九九計算から順番に力をつけていき、微分積分のような高いレベルの内容を学ぶことができます。
しかし、パソコンスキルにはそのような教科書はありません。
書店で販売されているような教科書でさえ、マーケティングの都合上、マクロや関数ばかり紹介しています。
そのため、多くの人がレベルの高いITスキルから学ぼうとして、挫折してしまうのです。
しかし、そもそも基礎基本であるタイピングやショートカットを覚えていない状態で、マクロや関数を習得できるはずがありません。
それは、九九計算をできない人が微分積分を学ぼうとするのと同じくらい愚かなことをしようとしているのです。
理由2|タイピングがしっかりしていれば、高度スキル(マクロや関数)を学ぶのはたやすい
タイピングやショートカットキーを使いこなせる人は、高度スキル(マクロや関数)を学ぶのはたやすいです。
なぜなら、パソコン操作が早いと、高度なスキルを効率よく習得できるからです。
例えば、タイピングが遅い人と早い人では、練習効率が大きく変わります。
仮に、タイピングの早い人が遅い人の2倍の早さでキーボード操作できるとします。
この2人が30分間マクロの練習したら、練習量が2倍近く差が出ることが分かります。
なぜなら、マクロを作る練習のほとんどはタイピングとショートカットキーを使うからです。
タイピングが遅い人が30分かけてマクロ作成して、ヘトヘトになっています。そのため、マクロにエラーがあっても修正する体力や集中力が残っていません。
一方で、タイピングが早い人は15分でマクロを作成し、残り15分でマクロを実行し、エラー修正を行う元気があります。
このように単純計算で、2倍の差が出てしまいます。そして、これがマクロ習得に大きく影響するのです。
多くの人は、マクロ作成ができないことを自分の頭が悪いせいだと考えています。
しかし、実際はタイピングやショートカットキーの習得ができていないため、効率の悪い勉強になっているのが原因なのです。
逆に、タイピングやショートカットキーを使いこなせる人は、練習効率が上がるため高度スキル(マクロや関数)を学ぶのはたやすいのです。
理由3|反復練習をすれば1ヶ月で2,3倍の早さになる
タイピングやショートカットキーは、正しい練習を積めば1ヶ月でかなり上達します。
なぜなら、体で覚える技術だからです。頭を使わなくてもできるのです。
例えばタイピングやショートカットキーはピアノやギターなどの楽器練習と似ています。
実際、私はギターの練習をしていたことがあります。ギター練習で大切なのは、「基本コードを覚えること」、「実際の曲を弾くこと」です。
「実際の曲を弾くこと」ができるようになるために、必要な「基本コードを覚えること」を繰り返しトレーニングします。
最終的に、頭で考えなくても体が勝手に動くようになったら完成です。
このとき、同じ楽曲を徹底的に練習すれば、1ヶ月程度で聞けるレベルになります。
これは、タイピングやショートカットキーでも同じです。
タイピングやショートカットキーを頭で考えなくても、指が勝手に動くようになるまでトレーニングします。
同じタイピングやショートカットキーを徹底的に練習すれば、1ヶ月程度でかなりのレベルに到達できます。
マクロや関数のような高度なITスキルを1ヶ月では、たかが知れたレベルにしかなれません。
しかし、タイピングやショートカットキーを徹底的に練習すれば、1ヶ月程度で2倍の早さになることは難しいことではありません。
そう考えると、高度なITスキルよりタイピングやショートカットキーを習得した方が効率的と言えます。
タイピングとショートカットキーは習得するまで、本当の価値が分からない
タイピングやショートカットキーが軽視されることの理由の一つに、習得するまで価値が分からないことがあります。
なぜなら、変化が分かりづらいからです。
例えば、マクロや関数であれば、エクセル上で自動処理されます。つまり、「手作業が自動化される」という変化を感じ取りやすいのです。
そのため、「タイピングやショートカットを覚える方が重要」といくら伝えても、なかなか伝わりません。
しかし、タイピングとショートカットキーは習得すれば、本当に仕事が早くなります。
実際、パソコンスキルが高い人にタイピングとショートカットキーの重要性について聞きました。(個人の感想を含みます)
フォルダやファイル、パワーポイントやPDF資料をショートカットを使ってすばやく表示できるようになりました。
その結果、プレゼンテーションに補佐をするとき、以前であれば話す人が私の操作にペースを合わせてくれていましたが、今では、私のほうが話す人のペースにあわせてあげている状態になりました。
その結果、会議もスムーズになり、時間も短縮できるようになりました。
ショートカットがそれなりに使えるようになり、タイピングが多少は早くなりました。
そのことで、PC操作が全般的に早くなり、ワープロソフトでの報告書の作成、エクセル等の資料の作成に要する時間が早くなりました。
マジな話、退社時間が1-2時間程度早くなりました。
色々なショートカットを駆使できるようになり、パソコン操作が早くなりました。
イメージした操作がすぐに実現できるので、いい気分です。
以前は使い方がよく分からなかった[Home][End]などのキーも便利に使えるようになり、テキストの編集も以前よりスムーズにできます。
これらのインタビューは、エクセルマクロ達人養成塾より許可をいただいて記載させていただきました。
上記の通り、タイピングとショートカットキーを使いこなすことで、仕事が早くなる人は多いです。
しかし、マーケティング上の理由で、このことはあまり語られません。
本当にもったいないので、このように紹介させていただいていました。
パソコン操作が早くなることは一生もののスキルになる
パソコン操作が早くなることは、一生使えるスキルといって過言ではありません。
なぜなら、タイピングやショートカットを体で覚えてしまえば、なかなか忘れることはないからです。
例えば、自転車に一度乗れるようになると、乗り方を忘れる人はほとんどいません。
仮に数年間乗っていなくても、数分間自転車乗ればすぐに乗り方を思い出すことができます。
これは、パソコン操作でも同じです。タイピングやショートカットを体で覚えてしまえば、なかなか忘れることはありません。
しかし、多くの人は本やウェブで読んだタイピングやショートカットキーの情報を学んで終わりです。
そのため、体が覚えていません。これでは覚えていないのと同じです。
私はタイピングやショートカットを覚えるのは、パソコン仕事する人には必須の力だと思っています。
1ヶ月でいいので、本腰を入れて体がタイピングやショートカットキーを覚えるまでトレーニングしてほしいと考えています。
そうすれば、パソコン仕事で一生使えるスキルが手に入るといっても過言ではありません。