大手企業には、自ら手上げして社内異動を行う制度があります。
この制度を使うと、現在の部署から自分がやりたい仕事に関係する部署へ異動することが可能です。
しかし多くの場合、このような制度には社内で書類選考や面接があり、それらを突破しなくてはなりません。
実は私は大手企業に勤務して6年目のとき、この制度を活用して開発職から海外駐在職へ異動することになりました。
この記事では、大手企業の手上げ異動制度で書類審査および面接に通過し、海外駐在職への社内選考に合格した経験談をお伝えします。
実際に書類選考で提出した資料や面接での受け答えなどもできるだけ詳細にお伝えしていきます。
なお後述しますが、私は海外駐在職へ異動する前に会社を辞めたため、海外駐在員にはなっていません。
目次
社内異動の選考の大まかな流れ
私が勤務していたのは10000人以上の従業員がいる会社で、外資と内資が合併した会社でした。
その会社では数ヶ月に一度の頻度で、人事部主導で手上げ制度の公募が行われていました。
公募期間中に希望者は書類選考に必要な資料を提出します。
その資料をもとに書類選考が行われ、書類選考合格者は面接を受けます。
その面接に合格することで、晴れて社内異動となります。
社内の海外駐在員に応募したきっかけ
当時、会社に入社してから5年間以上同じ仕事をしてきたこともあり、自分の将来について考えていました。
年齢は30歳になり、運よく周囲よりは早く昇格していたのですが、このまま同じ仕事を続けるイメージはなく、「このままでいいのだろうか?」という焦りを感じていました。
とはいえ「じゃあ、したいことは何?」と聞かれると答えは出てこないような状況でした。
そのようなぼんやりとした悩みを抱えながら、日々の仕事をこなしていました。
サラリーマン6年目で海外駐在職の公募を見つける
ある日、会社のメールを覗いてみると、人事部から「海外駐在員の公募」という件名のメールを見つけました。
そのメールで記載されていた「海外駐在職の募集要項」をまとめると以下の表ような感じでした。
項目 | 内容 |
---|---|
職種 | 海外駐在員(勤務地は相談の上、決定) |
応募資格 | 英語(TOEICスコア650以上) |
過去2年間の仕事の評価が平均以上 | |
求めるスキル | 海外メンバーとのコミュニケーションスキル |
専門分野以外の仕事をこなす気配り | |
複数の拠点で働くフットワーク | |
得られること | 多様なメンバーとの仕事をする経験 |
海外メンバーとのつながり | |
異文化での生活 | |
応募期間 | メール送信日から1ヶ月 |
メールを見たとき、「この仕事はもしかすると、自分には合っているかもな」と思いました。
なぜなら私は海外業務を担当していたからです。
実際、海外拠点メンバーとメールやテレカンを通じて海外とのやりとりを日常的に行ってしました。
このように実務の経験があるため、選考で話すネタはたくさんあります。
そのため、「選考を請ければ合格するかもしれない」と感じたのです。
しかし、応募資料を作成するのは時間がかかりそうだったので、「興味はあるけど、どうしようかな」と思いながらメールを閉じました。
ただ心の中で、「今のタイミングで、このメールが来るということは何かの縁なのかも」と感じる自分もいました。
出張日に海外駐在職に応募する
そのメールを読んでから数週間経ったある日、出張で数時間の移動中のこと。
その異動の電車内で、その出張日が公募締切日ということに気づいたのです。
電車移動で時間もあるし、公募の書類選考の題目に目を通し、試しに書いてみました。
すると、スラスラと応募資料の手が進み、なんと出張移動中に書き終えることができたのです。
しかし、「このようなフワッとした気持ちで応募してよいものか?」と応募するかどうか悩みました。
最終的には、「選考プロセスの途中で辞退してもいいし、応募してみたら色々と見えてくるものがあるかもしれない」と考え、締切当日の23:50ごろに応募のメールを送ったのです。
次の日、人事部から「書類選考の結果が出たら、合否を含めて通知します」というメールがありました。
書類選考を突破! 社内手上げ制度に合格した資料を公開
応募してから約1ヶ月後、人事部から結果を知らせるメールが来ました。
そのメールには「合格したので、面接の日程をお知らせください」というものでした。
応募締切日に、勢いで作成したため合格するかどうか不安でしたが、選考に通ったことは素直に嬉しかったです。
ここでは、その書類選考で提出した資料を紹介します。
資料は以下の7つを記載する形で提出しました。
書類選考資料2|職務経験
書類選考資料3|自己PR
書類選考資料4|成果
書類選考資料5|キャリアプラン
書類選考資料6|志望理由
書類選考資料7|異動後に貢献できること
以下で実例を紹介しますが、一つ注意点があります。
実際に書類選考の提出した資料ものから一部編集を加えています。
実際に提出したものと同一の資料を提出するのはコンプライアンスに反するリスクがあるからです。
そのため本事例は、参考程度にご覧ください。
書類選考資料1|応募者の情報
応募者の情報では、応募者の基本情報を記載しました。
募集要項に英語力があったので、TOEICスコアを記入しています。
内容は省略します。
内容は省略します。
内容は省略します。
内容は省略します。
-TOEIC790
-中型自動車運転免許
・英会話スクールでのビジネス英会話レッスン
書類選考資料2|職務経験
職務経験では私がやってきた仕事を記載しています。
ここでは海外駐在員の募集なので、海外の仕事をメインで記載しています。
海外の仕事のほかにもいくつかやっている業務はありましたが、「自分が海外駐在員にふさわしい」という結論に導くために、敢えて海外の仕事をメインで書くように意識しました。
内容が短いように見えますが、後半パートの記載が多いので、ここでは短く書いています。
数年前からは、新ビジネスの軸となる製品Xの担当となり、社内初となる米国進出に携わりました。
海外企業とのビジネスを担当するようになってからは、海外拠点メンバーや海外顧客と英語でディスカッションしながら、仕事をしています。
また、アメリカ進出だけではなく国内ビジネス担当も兼務しています。
書類選考資料3|自己PR
自己PRは、強みを箇条書きにしています。
この方が見やすいと考えたからです。
自分の強みは、結論である「私が海外駐在員にふさわしい」につながるように意識しています。
1. 語学:海外拠点メンバーと情報交換したり海外企業へ資料を作成したりする英語力
2. 専門性:生物学・化学といった自然科学の基本的な知識に加えて、製品品質維持に関連する法規制解釈力
3. プロジェクト管理:開発、法規制、生産の情報を集約し納期に間に合わせるプロジェクト管理
書類選考資料4|成果
成果を書くときに意識したのは、「書類選考資料3|強み」を活用して成果を出したことが分かるような流れにしています。
その方が全体のストーリーとして読みやすいので、「書類選考資料3|強み」とのつながりを意識して書いています。
「仕事の経験を通じて足りないスキルを認識し、そのスキル習得をすることにした」というシンプルながら、分かりやすいストーリー構成にしています。
このようにストーリーを盛り込むことで、読んでいる側(面接官)は理解しやすくなります。
たとえば、アメリカで製品を販売するための当局対応です。
私がアメリカ当局対応を担当することになったとき、開発メンバーにはアメリカ当局への登録を経験した人がいませんでした。
そのため、私を含めチーム全員が製品登録をどのように進めていけばまったくわかりませんでした。
そこで、他拠点で登録を経験したことのある人に聞き取りを行ったり、外部研修で情報を収集したりして、進め方を調査しました。
最終的に、登録手順を整備し、期限内にアメリカ当局対応を完了させました。
入社5年目には新ビジネスのメインターゲットであるアジア展開の第一歩として、商品登録を担当しました。
それまでの開発は、アジア申請を行ったことが無く、申請経験者が不在でした。そのため、申請内容に不明点が多かったことに加え、アジア各国の法規制が改正されました
その結果、準備期間として当初「半年」を見込んでいたものが「3ヶ月」で申請を行わなければならない想定外の状況に陥りました。
私たちはスケジュールに間に合わせるため、アジアの現地メンバーと毎日のように電話会議による情報共有を行いました。
それと並行してアジアの法規制を調査し、想定される要求事項への対応を組み込み、資料を整備し、必要な文書の修正作業も自ら行いました。
その結果、当初難しいと思われていた「3ヶ月」で対応を完了させることができました。
これらの海外との業務を通じて、海外メンバーとの仕事を通じて語学の必要性を痛感し、英会話スクールに通うことにしました。
数年間のレッスンの結果、海外企業の対応や電話会議で英語のファシリテーションを行うことができるレベルになりました。
また、拠点代表として社内グローバルカンファレンスに参加しプレゼンをした経験もあります。
もともと英語はそこまで得意ではありませんでしたが、仕事をする中で自らの武器として使えるレベルに成長させることができました。
書類選考書類5|キャリアプラン
「書類選考書類5|キャリアプラン」は「書類選考書類6|志望理由」の要約という位置づけで記載しています。
要約なので、簡潔に記載しています。
これまで開発職として海外への製品登録から規制対応まで業務を担当してきました。
その中で、海外現地の担当者と情報交換できる語学力から技術分野の専門知識や海外法規制を学んできました。
今後はこれまで培ってきた開発の専門性という軸を伸ばしつつ、国内外のマーケットを理解し販売戦略を立てるまでの全体マネジメントをできる人材を目指します。
そのために、海外駐在員という仕事を通じて、私に不足している「国内外のマーケットを理解し販売戦略を立てる力」をつけていきたいと考えています。
書類選考書類6|志望理由
志望理由では、「書類選考書類4|成果の中で培ってきたスキルを軸にして、新しい能力を開拓していく」というストーリーにしています。
具体的には、「書類選考書類4|成果」で書いたような仕事をする中で感じた課題を捉え、その課題を解決するために海外駐在員を志望するという流れです。
もう少し分かりやすくいうと、仕事の原体験で感じた「課題」を伝えて、それを「解決する方法として異動」とすると面接官は理解が進みます。
相手が理解しやすい流れにしておいたことが、書類選考を通過した理由だと考えています。
私はこれまで開発として、製品の海外登録業務を担当してきました。そのなかで、海外向け製品の担当を通じて、海外チームだけでなく海外顧客とコミュニケーションをとる経験をしてきました。
ただ、当時の私のチームには海外顧客を相手に仕事を進めていく仕事はほとんどありませんでした。
そのため、私が担当になったときは周囲に経験者が少なく、自分たちで考えて業務をこなしていく必要がありました。
正直、何が正解なのかわからない中で仕事を進めるのは、チーム全員が不安を感じていました。
しかし、周囲は不安に感じる人が多い中、私にとってこの仕事が楽しく充実感がありました。
当然、簡単な業務ではなかったのですが、仕事のプロセスそのものにやりがいを感じていたのです。
たとえば、海外顧客が求める要求が高く、こちらの資料がそのレベルに達していないことがありました。
しかし、相手の意見を聞きつつ、相手が本当の要望を読み取り、「YES」をもらうことができました。
このように相手の要求を単純に受け入れるのではなく、その背景にあるものを読み取り、こちらの要求も伝えるのはやりがいのある仕事でした。
学生時代を含めてこれまでの私を振り返ってみると、誰もやったことのないことに挑戦し、そのプロセスを楽しめるのが私の得意とすることです。
現在、社内でも海外ビジネスで直接海外企業とやりとりをしている人は少ないのが現実です。
しかし、その海外ビジネスが会社にもたらす売上や評判は非常に大きいというジレンマがあります。
私であれば、誰もやったことのない仕事を楽しみながら、仕組み作りをしていくことができると考えています。
もし私が海外駐在員として働くことができれば、私がこれまで学んできた語学や専門知識を活かし、会社への貢献だけでなく社会全体にも貢献できると考えています。
これが、私が海外駐在員を志望する理由です。
書類選考7|異動後に貢献できること
異動後に貢献できることは、「書類選考書類4|成果」の中で記載した仕事をする中で直面した会社の課題を解決できることを記載しています。
選考官が見て分かりやすいように3つに絞り、これまで会社で学んできたことを活用するという流れにしています。
読み直してみて分かったのは、「書類選考書類3|強み」の内容と絡めると、もっと分かりやすい資料になっていたと思います。
[1]海外と国内との法規制情報の連携強化
私はこれまで開発業務を通じて、海外規制について学んできました。
現在、全社プロジェクトで海外規制への対応は大きく改善しています。
しかし、世界的な法規制を実際の開発の業務に落とし込もうとしたとき、より効果的にかつ効率的にできる部分があります。
そして、この部分は国内および海外のチームが連携することで改善可能です。
そこで、国内外の拠点が連携をとって仕事を進めることができるような仕組みや連携強化を行いたいと考えています。
[2]開発で学んできた作業ロスの低減
私はチームだけでなく部門間の連携をうまくとることで作業ロスの低減を行ってきました。
その中でも、TOC(Theory of Constraints:制約理論)はチームが連携して働くために有効な方法です。
実際、私はこの手法を実際に使って、海外ビジネスの登録作業のような厳しい納期でも、チームで連携して目標達成をしてきました。
異動後の部門でも、開発で学んできた手法を実践し伝えていくことでチームに貢献したいと考えています。
[3]海外と国内のデータ共有
国内と海外が製品の話をするとき、どの製品の何のことについてコミュニケーションをとっているのかわからなくなるときがあります。
たとえば、製品の名前であっても数十種類以上のパーツがあり、そのどれか一つを指していることがあります。
そのため、海外拠点から製品に関する問い合わせがあったとき、お互いの理解を合わせる必要があります。
しかし、事前にどの製品のどの内容について協議したいのか理解していれば、ミスコミュニケーションによるリスクを低減することができます。
そこで、海外と日本でデータを共有し、お互いが最新の情報を手に入れることができる環境を作りたいと考えています。
そうすることで、無駄なコミュニケーションを省き、本質的な議論ができる時間を増やすことができると考えます。
書類選考で提出した資料のまとめ
書類選考で提出する資料を作成するときは、考えたことはストーリーでした。
なぜなら書類選考の資料を読む人は、私のことを知らないからです。
たとえば本を読んでいると、本の末尾に著者の経歴が載っています。
ここには著者の人隣りが分かるストーリーがギュッと詰まっています。
実際ここを読むと著者のことを知らない人でも、著者のことがおよそ分かります。
それは著者自身が、「読み手に抱いてほしい著者像を作ったストーリー」を載せているからです。
そして、このストーリーにはたいていの2つの要素が含まれます。
要素2|解決
以下でカンタンに解説します。
○○という挑戦をした。その結果、△△という失敗をした。
○○には大きなプロジェクトが入り、△△には損失(数字入り)が入ることが多い
「要素1|失敗」で体験した課題を分析し、○○の方法で解決を試みた。その結果、△△で成功した。
○○には施策が入り、△△には成功事例が入る
本の末尾の著者紹介には上記のような失敗と解決が首尾よく記載されています。
そして、これこそ私たちが参考にすべきストーリーです。
要は、書類選考で問われている内容には、「失敗と解決」を入れ込んで書くと良いということです。
この「失敗と解決」のストーリーという視点で、もう一度上記の書類選考の記載を読んでみてください。
私の人隣りが見えてくるはずです。
もう一点忘れないでほしいのは、あくまで結論は「私は海外駐在員にふさわしい」です。
この結論に到達するようなストーリーを盛り込むことが必要です。
実際、海外案件のストーリーを数多く入れています。
逆に言えば、「私は海外駐在員にふさわしい」という結論にならないストーリーは入れないことです。
このようなことを意識して上記の書類選考の資料を作成しました。
面接対応|大手企業の社内手上げ制度
ここからは面接での受け答えについて紹介していきます。
面接官は3名で、人事担当、人事部長、海外部長でした。
面接時間は30分で、この3名から以下の質問を受けました。
1. 応募した理由について自己PRを含めて3分で応募する職種で何をしたいのか?
2. 英語は問題ないか?
3. 仕事をするときのあなたのクセや課題
4. スペシャリストではなくジェネラリストの道に進むのはなぜか?
5. どこの国に行ってもいい?
6. 海外で働く不安はないか?
上記の質問をされた後、面接官から「あなたから聞きたいことはないか?」と問われたので、以下の質問をしました。
その他はとくに質問はなかったので、私からの質問は以下の1つだけでした。
1. 海外駐在してよかったこと・悪かったことは?
以下で一つずつ受け答えを紹介していきます。
なお回答は記憶が定かではないため、覚えている範囲の受け答えを記載しています。
面接官からの質問1. 応募した理由について自己PRを含めて3分で応募する職種で何をしたいのか?
私の強みは、新しいことを楽しんでやれる性格です。
私はこれまで開発職として、いくつか海外プロジェクトを経験をしてきました。
ただ私が海外チームや海外顧客を相手に仕事を進めるとき、海外の業務を経験している先輩がほとんどいませんでした。
そのため、私が担当になったときは自分たちで考えて業務をこなしていく必要がありました。
正直、何が正解なのかわからない中で仕事を進めるのは、チーム全員が不安を感じていました。
しかし、周囲は不安に感じる人が多い中、私は楽しく仕事をこなしていました。
たとえば、英語が苦手なせいで海外とのテレカンを難色を示す人がいる中、私は自ら自腹で英会話スクールに行って英語力を高めてテレカンに挑戦しました。
その結果、準備さえしっかりすればテレカンも怖くないことが分かりました。
また海外顧客と議論をしているとき、相手の求める要求が高くこちらの資料がそのレベルに達していないことがありました。
しかし、相手の意見を聞きつつ、相手が本当の要望を読み取り、「YES」をもらうことができました。
相手の要求を単純に受け入れるのではなく、その背景にあるものを読み取り、こちらの要求も伝えるのはやりがいのある仕事でした。
このように私は誰もやったことのないことに挑戦し、そのプロセスを楽しめるのが強みです。
現在、社内でも海外ビジネスで直接海外企業とやりとりをしている人は少ないのが現実です。
私であれば、これまで開発で学んできた専門性、海外チームとのコミュニケーションで培った語学力、海外顧客との間でやってきたプロジェクト管理といったスキルを活かして、仕事を進めることができると考えました。
そのような背景があり、今回、海外駐在員に応募することにしました。
具体的に私が目指すのは、製品開発から販売までをマネジメントできるリーダーです。
これまで培ってきたスキルを活かしつつ、国内外のマーケットを理解し販売戦略を立てるまでの全体マネジメントをできる人材を目指したいと考えています。
そのために、海外駐在員という仕事を通じて、私に不足している「国内外のマーケットを理解し販売戦略を立てる力」をつけていきたいと考えています。
面接官からの質問2. 英語は問題ないか?
問題ないと考えている。これまで、ヨーロッパやアメリカのメンバーとはテレカンをしたりメールをしたりして仕事を進めてきている。
ただ、ネイティブ同士の英語のスピードにはついていけない時がある。
実際、テレカンで英語を聞き取れないときもある
そのときは、「私は英語が得意ではないので、ゆっくり話してほしい」と伝えるようにしている。
当然、英語学習は進めていくし、海外に行って半年から一年もあれば慣れると考えている。
面接官からの質問3. 仕事をするときのあなたのクセや課題
一人で解決しようとするクセがある。そのため、仕事を覚える速度ははやいが、周囲の協力をもらう姿勢が弱い。
これは今の上司からも指摘されており、解決が必要だと考えている。
もし海外駐在員になれば、国内と海外の人の橋渡し役になるため、周囲の協力をもらう姿勢が求められると考えている。
良い機会ととらえて、周りの人と協力しあえる仕事の進め方を身につけていきたい。
面接官からの質問4. スペシャリストではなくジェネラリストの道に進むのはなぜか?
逆にジェネラリストになることが会社にとってのメリットだと考えている。
なぜなら私の部署では、多くの人がスペシャリストになるから。
その分、ジェネラリストの需要が高く希少価値が高いと考えている。実際、今の仕事でもジェネラリストの人が各部署のとりまとめを行っている。
そのような人材が少ないことで、スペシャリストの人の能力が十分に発揮できない場面も多く経験している。
私は希少価値という点で、開発(これまでの職務)×海外駐在(これからの職務)を目指したい。
面接官からの質問5. どこの国に行ってもいい?
正直にいうと、インドやアジアは行きたいとは思わない。当然、インドやアジアに行ってほしいと言われれば行くが、自ら積極的に駐在したくはない。
できれば、ヨーロッパやアメリカが嬉しい。実際、これまでもヨーロッパやアメリカのメンバーとはコンタクトを取っているので、仕事にもスムーズには入れると思う
面接官からの質問6. 海外で働く不安はないか?
海外で働くことで、海外の人と働くことに不安はない。これまでもメールやテレカンでやりとりをしてきているから。
しかし海外での生活は食生活が自分に合わなかったり、文化の違いを理解しない態度をしてしまったりすることは不安。
ただ、食生活や文化の違いは慣れればなんとかなると考えている。
私からの質問1. 海外駐在してよかったこと・悪かったことは?
英語ができるようになったことが良かった。アジアやヨーロッパを回ったが、英語でいろいろなコミュニケーションをとれるようになったのは、若いうちに海外に行ったことが大きかった。
悪かったのは、あまりない。
面接終了後
合格発表は面接が終了してから1ヶ月後で、メールで合格という連絡がありました。
それから半年後に、ヨーロッパ圏ヘの駐在が決まりました。
会社によって社内異動制度は異なる
ここまで、私が勤務していた会社の社内異動制度について紹介してきました。
実は、私の勤務していた会社には、他にも異動制度があります。
たとえば上司と相談して異動を申し出る方法もあれば、異動ではありませんがMBA取得(留学制度)です。
また友人が勤務していた会社には、英語を学ぶために海外に留学する制度もあるようです。
このように社内で異動するといっても、手上げだけではないのです。
しかも、その種類は会社によって異なります。
この記事で紹介しているのは、私が勤務していた会社の場合であり、かつ手上げ制度(自薦)の場合です。
そのためこれから社会人になる人は、会社によって制度は大きく異なるため、本記事の内容は参考程度に見ていただきたいです。
会社で働ている人は、ご自身の会社の制度をご覧になって仕組みを理解することをおすすめします。
後日談|海外駐在員を辞退して大手企業を退職した
冒頭お伝えしたとおり、私は海外駐在員の異動をする権利を得ましたが、その異動にお断りをいれ会社を辞めることにしました。
その理由は、海外駐在員に合格してからの半年で、これまでと違う仕事に魅力を感じ、新しい分野(ベンチャー企業)で挑戦したいと考えたからです。
当然、大手企業にもベンチャー企業にもそれぞれの魅力がありますし、欠点もあります。 当時の私は以下のように分析をしました。
項目 | 大手企業のメリット(海外駐在) | ベンチャー企業 |
---|---|---|
スキルアップ | 英語カ、海外法規制 | 開発、マーケティングから法規制まで |
仕事のワクワク感 | ・海外に住むことは魅力的
・海外駐在先のメンバーは知っているため、変わり映えしなさそうと感じた ・異文化での生活 |
・プログラミングスキルを活かした仕事をできる(自分で仕事を設計できる)
・自分の働きやすい環境で働ける(フレックス、在宅) ・ベンチャー企業に入社するような人と働ける(面白い人多そう) |
実績 | 海外で働いたという経験 | 日本初の事業に関与 |
給与 | 同一水準 | 同一水準 |
福利厚生 | 充実(英語勉強費用が出る、海外駐在は手当がつく:+年収約200万) | ほぼなし |
仕事量 | 普通(残業10時間程度) | 多い(残業30-40時間) |
注意:上記の表は大手企業とベンチャー企業の一般論ではありません。私が勤務していた大手企業および私がベンチャー企業に対して抱いていた予想を記した内容です。
私は上記の考えた結果、ベンチャー企業でチャレンジすることを決めました。
まとめ
ここまで大手企業の社内異動の選考制度について体験談を紹介しました。
私のように社会人5~10年目の人の中には、今の職種を一度離れて新しいことにチャレンジすべきではないかと考えている人もいるはずです。
そのような人にとって、社内異動制度は活用に値するものだと考えています。
あなたが働いている企業にも似たような制度があるかもしれません。
興味がある人はぜひチャレンジしてみてほしいと思います。
そして、この記事で紹介した情報があなたのお役に立てれば幸いです。