「今日こそ勉強する!」と、意気込んだはいいものの
「ついついテレビや漫画を見てしまう・・・」
「三日坊主で終わってしまう・・・」
「気づいたら、あきらめてしまう」
そんな経験はありませんか?実はこれ、あなたの「気持ちの問題」ではありません。あなたが意志力を知らずにやる気をガンガン消費していることが原因なのです。
この記事では、あなたが「意志力」をうまく使いこなして、勉強ができる体質になるための10の方法をお伝えします。あなたが資格試験に合格したり、上手く勉強を継続したいと考えているなら、ぜひ読んでください。
「やる気がない」ではなく「意志力の無駄遣い」が原因
「やる気がなくなったから、勉強はやめた」と口にした経験はありませんか?
多くの方が、勉強が続かない理由は、「やる気がなくなったから」と思い込んでいます。しかし、これは正しくありません。ちょっとややこしい表現ですが、実際は「意志力を無駄遣いして、勉強に向かう気持ちが失われている」状態なのです。
ですので、時間が経ったあとで、「またやろうかなあ」と勉強を再開する人もいるのです。
さて、とつぜん意志力という言葉を使ったので、説明をしてますね。意志力とは、TEDで講演したことで有名なケリー・マクゴニガル氏によると
意志力(Willpower)とは、「あなたが本当にしたいことを、あなたの一部が本当はしたくない時にすることができる能力」
ちょっと、言い方がムズカシイので、カンタンに言うと、
「意志力」とは「やる気」で、RPGの「HP:ヒットポイント」のようなものと考えてください。
この記事では、イメージを分かりやすくするために「やる気」=「意志力」で説明していきます。他の記事では少し違う説明をされているかもしれませんので、気をつけてくださいね。
とつぜんですが、あなたはゲームをやったことはありますか?RPGのゲームではHPがゼロになると戦闘不能になって、ゲームオーバーになってしまいます。実は、やる気も同じ説明ができます。
勉強を続けると、やる気(HP)が減っていきます。勉強を続けていくほどに、やる気(HP)を消費し、ゼロになると勉強を続けることができなくなってしまいます。加えて、ムズカシイ問題であればあるほど、やる気の消耗も激しくなります。ゲームでも強い敵と戦うと、HPがどんどん削られてしまいますよね。
つまり、勉強が継続できない、とは言いかえると、勉強を続けるための「意志力」がゼロになってしまうことなのです。
「意志力の無駄遣い」につながる4つの瞬間を紹介します。この4つを避けると、やる気を温存しやすくなります。
[2] イライラや辛さを抑える
[3] これほしい!あれ食べたい!を我慢する
[4] 仕事や勉強を続ける
一つずつ、解説していきます。
あれもやらないと!これもしないと!そんな状況を作ってしまうと、それだけで、どんどん勉強に向かう気持ちが薄れていきます。つまり、思考をコントロールすると、意志力を消費しているのです。
友達とケンカして、イライラしたり、上司に怒られて辛い気持ちになると、それを抑えて、平常心を保とうして、他のことが手につかなくなりますよね。こんなふうに感情をコントロールしようとすると、意志力を消費してしまいます。
ネットショッピングでほしいものが気になったり、スーパーで甘いものを見て、食べたい!でも「ダメダメ」お金ないし。。。そんな欲望や衝動に我慢をするとき、実は、意志力を使っています
仕事や勉強を続けると、疲れてきますよね。数時間も続ければ、パフォーマンスが低下してきます。実は体力といっしょに意志力も失われています
できるだけ、こういう状況にならないようにすることが大切です。
やる気の温存して、挫折しない体を作る10の方法
ここでは、「やる気」を温存する方法を紹介します。長期的に勉強を続けるには、「やる気」を温存して勉強を続ける必要があります。ですので、やる気を消耗しない「戦い方」をしていきます
具体的には、以下の10コです。
[2] 誘惑を弱くする
[3] 一つのことに集中する
[4] 勉強した状態を残しておく
[5] 習慣にする
[6] 計画を立てる
[7] ムズカシイことから手を付けない
[8] やらないといけないをやめる
[9] 勉強した時間を見える化する
[10] HATSのフレームワークを使う
一つずつ解説していきます。
老子や孫子の教えによると
「百戦百勝よりも大事なことがある」というのです。これがつまり、はじめから「争わないこと」「戦わないこと」。
多くの人は、誘惑を乗り越えようとします。しかし、誘惑がなければ、たたかう必要もありません。ですので、「たたかわない」環境をつくるのが最善の手です。
たとえば、マンガを捨てる、テレビを捨てる、雑誌を捨てる、をやってしまうのです。そうすれば、誘惑がそもそも存在しないので、やる気を温存できます。最初は辛いですが、慣れれば意外とやれます。
誘惑とたたかわないのがベストですが、いきなりはムズカシイ!という方は誘惑を弱めることから始めましょう。具体的には、テレビのコンセントを抜く、という方法です。そうすることで、テレビを見たくなっても、コンセントを入れないといけないので、面倒ですよね。その面倒だと思う気持ちを利用して、テレビという誘惑を弱めます。
他にも、マンガを部屋の押入れの奥に入れておく、というのもアリです。
やる気を消耗することの一つで、あれこれ考える、というものがあります。やっかいなのは、一つ違うことを考えると、次から次へのいろんなことが頭に浮かんできます。ですので、やることを一つに絞って、集中するのが効果的です。
たしかに、片付けると勉強がはかどる人もいます。しかし、勉強した状態を残しておくことで、勉強を再開するときのハードルを下げることができます。「もう一回やろう」の気持ちに向かわせるにはもってこいです。
私自身も、新しいものを学ぶのが好きなので、そういうものを学んだら、メモしてメールするというのを習慣にしています。ほとんどやる気を使っていないので、消耗することもありません。
習慣化の方法は、「習慣の力」という書籍で詳しく紹介されているので、読んでみてください。
計画を立てることで、やることが明確になるので、あれこれ考えることが減ります。これによって、やる気を温存できます。また、計画は、毎日の詳細なプランより、月ごとのざっくりとしたプランを立てたほうが、テストの成績が良かったという結果が出ています。ですので、詳細すぎない計画を立てるとよいでしょう。
ムズカシイことを考えると、頭を使わないといけません。すると、どんどんパフォーマンスが低下して、少し勉強しただけで、ヘトヘト。。。となってしまいます。今の自分のレベルより少しムズカシイ勉強を選ぶとよいでしょう。
「やらないといけない」「すべき」といった気持ちで勉強をしている方を見かけることがあります。しかし、この「やらないといけない」「すべき」という感情は、達成できなかったとき、できない「自分」にイライラしてしまう結果になります。そのイライラを抑えるのに、やる気が奪われるので、「やらないといけない」「すべき」が根っこにある場合、やめてしまうことをオススメします。それが、ムズカシイ場合は、まずは楽しめることから始めるとよいでしょう。
study plus というアプリがあるのですが、これは、勉強した時間を報告して、自分がどれくらいやってきたかを集計してくれるアプリです。こういったものを利用して、自分が積み重ねてきた努力を見えるようにしておくと、やめてしまうハードルを上げることができます
HATSとは、行動を妨げる感情の頭文字を取ったフレームワークです。
Hungry:空腹
Angry:イライラ
Tired:疲れ
Stress:ストレス
こういった感情がある場合は、やる気をかなり消耗している証拠です。できるだけ、こういった感情を避けるようにして、やる気を温存しましょう。
これらを試して、勉強を継続していきましょう!
やる気を一気に回復する3つの方法
やる気を温存する方法の他にも、補充する方法も合わせて紹介します。どうしてもやる気がでないときは、試してみてください。
当たり前のことですが、寝た後は、頭がすっきりして、やろう!という気持ちになりますよね。この感覚は、実際に効果があるのです。実際に、研究でも、睡眠不足では「自分をコントロールする力」が低下すると言われています。あまりにも疲れているときは、ぐっすり寝ることをオススメします。そうすることで、やる気をググッと回復させることができます。
やる気が失われている状態とは、脳に活発に動いていない状態なんですね。脳は、糖分しかエネルギーにできないので、チョコレートのような糖分を入れると、一時的にやる気を回復できます。
ゲームでは、レベルアップというシステムがあります。次のレベルに必要な「勉強量」が分かるから、苦痛なトレーニングも頑張れます。そんなアメ(レベルアップ)とムチ(トレーニング)を活用することで、やる気を補充します。
たとえば、先生にレベルアップまでに必要な勉強の量を聞くなどはよい方法です。まさに、RPGゲームで神父さまに「お告げをきく」わけです。
そんなふうに、自分にアメとムチを与える方法は有効です。
もっと深く知りたい方へ
やる気について、もっと知りたい方はこちらがオススメです。
意志力の科学
習慣の力
意志力に関するTEDの動画
ラディッシュ実験とは
ロイ・バウマイスター氏の研究結果で、2つのグループに分かれて、一つのグループにはラディッシュ(はつか大根)を、もう一つにはチョコレートを食べさせた。その後、少し時間がたってから、ゼッタイに解けないパズルやらせた。どちらのグループがより早くギブアップするかを検証した。その結果、ラディッシュのグループが、チョコレートのグループより早くギブアップした。つまり、我慢(ラディッシュを食べさせる)と、やる気を消費し、他のことをするためのやる気が減ってしまうことがわかった。
興味があれば、「マシュマロテスト」も検索してみてください
やる気より大切なこと
ここまで「やる気」について、お伝えしてきました。しかし、実は、やる気よりもっと大切なことがあります。それは「成功体験」です。
あなたの身の回りにも勉強ができる人がいるはず。その人は、もとから勉強ができたわけではないでしょう。では、なぜ勉強ができるようになったのでしょうか?それは、勉強をしたから「合格した」「上手くいった」、そんな「成功体験」があるからです。「成功体験」を積んだから、次もやろう、次もやろう、その連続によって、やる気というHPのMAXを少しずつ積み重ねていったのです。だから、やる気が継続しているのです。
つまり、やる気を温存する秘策は「成功体験」なのです。
成功体験を積むには、自分の約束を守る
成功体験は、自分がやる!と決めたことを達成することで、少しずつ、自分の中に浸透していきます。その約束のレベルが高いほど、大きな成功体験を積めます。たとえば、甲子園に出場した球児が、へこたれずにやる気を維持している理由は、彼らが甲子園出場という大きな成功体験を積んでいるからです。
最初から、こんな大きな成功体験を積む必要はありません。まずは、英単語を1日10個覚えるという小さな成功体験でいいのです。小さなことからコツコツと自分の約束を守って、やる気の力を伸ばしていきましょう。