パソコンの動作が遅いときの原因の一つにメモリ不足があります。
このとき、メモリ不足を解消することで快適にPC作業を行うことができるようになります。
そこで、メモリ不足の原因から解消方法まで紹介していきます。
パソコンのメモリ不足とは何か
パソコンのメモリ不足とは、パソコンが処理を実行するための余力が不足していることを意味しています。
PC上で何個ものソフト(エクセルやワードなど)を立ち上げたとき、モサモサと動作が遅くなることがあります。
これはメモリが不足しかけている状態です。これは人で考えてみると分かりやすいです。
ある人が2つの作業をこなしているとします。このとき、さらに3つ目の作業をするのは難しいです。
それは人間が一度に処理できる作業のキャパシティーを超えているからです。
これはパソコンでも同じです。複数の作業を処理しようとすると、作業量のキャパシティーを超えてしまいます。
この状態がパソコンのメモリ不足を指します。
補足|パソコンの性能を決める3つの要素
本記事ではメモリ不足について紹介しますが、パソコンの性能を決めるのはメモリだけではありません。
実は、パソコンの性能を決めるのは以下の3つの要素です。
No | 性能を決める要素 | 内容 |
1 | メモリ | 作業処理キャパシティー |
2 | CPU | PCの処理スピード(人間で言えば、頭の回転の早さ) |
3 | HDD(Hard Disc Drive) | 容量(人間でいえば、記憶力のようなもの) |
この3つがパソコンの基本性能を決める要素です。メモリ不足となるとき、この3つの要素が絡んできます。
パソコンのメモリ不足が起きる原因
パソコンのメモリ不足とは、PCの作業処理キャパが足りていない状態です。
しかし、なぜパソコンのメモリ不足が起こるのでしょうか。それは以下のような原因が考えられます。
原因2|多くの周辺機器と接続する
原因3|パソコンに搭載されているメモリが低い
原因4|HDDの空き容量が少ない
以下で一つずつ解説していきます。
原因1|複数のソフトウェアを同時に使う
ソフトウェアを同時に使うと、メモリ不足になることがあります。
以下の画像は私のPCで起動しているアプリを示しています。10近くのソフトを同時に立ち上げています。
多くのソフトウェアを立ち上げると、メモリ不足になる場合があります。
原因2|多くの周辺機器の接続する
プリンターなどの周辺機器と接続すると、メモリを使用します。
そのため、周辺機器と多く接続すると余計にメモリを使うことになります。
原因3|パソコンに搭載されているメモリが低い
そもそも搭載されているパソコンのメモリが低いと、メモリ不足になりがちです。
そのパソコンが出せる作業処理能力の限界が小さければ、当然すぐにメモリ最大になってしまいます。
市販されているノートPCのメモリは、4GB/8GB/16GBの3種類が多いです。4GBほどメモリが小さく、16GBであればメモリが大きいです。
各メモリは用途に応じて、以下が推奨されています。
推奨メモリ | 目的や用途 |
4GB | インターネット、エクセル、ワードなど |
8GB | 動画編集、画像やイラスト編集など |
16GB | オンラインゲーム、動画作成(長い動画など) |
特にオンラインゲームや動画制作をする人は、作業に大量のメモリを消費します。
メモリが小さいとすぐにメモリ不足になるので、大きなメモリ容量のPCを選択しなと快適に操作できません。
原因4|HDDの空き容量が少ない
16GBのようにメモリ容量が多いハイスペックなパソコンであっても、HDDの空き容量によってはメモリ不足になることがあります。
HDDの空き容量が少ないとメモリ不足になりやすくなることがあります。
HDDの空き容量を調べるには、以下の方法を試してみてください。
ステップ2|検索窓に「設定」と入力する
ステップ3|「設定」をクリックする
ステップ4|「システム」をクリックする
ステップ5|「ストレージ」を選択しクリックする
ステップ6|「ローカルストレージ」のPC(C:)をクリックする
ステップ7|PC(C:)の空き容量を調べる
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「設定」と入力する
ステップ3|「設定」をクリックする
ステップ4|「システム」をクリックする
ステップ5|「ストレージ」を選択しクリックする
ステップ6|「ローカルストレージ」のPC(C:)をクリックする
Cドライブ以外のUSBドライブなども表示されていますが、PCのメインストレージであるPC(C:)を確認してみます。
ステップ7|PC(C:)の空き容量を調べる
赤枠|HDDの合計、使用容量、空き容量
黄枠|PC内のアプリやデータ(使用容量の内訳)
をそれぞれ示しています。
現在はHDDの合計(238GB)、使用容量(128GB)、空き容量(109GB)であることが分かります。
空き容量の目安は、合計の10-20%は開けておくべきと言われているようです。容量ギリギリまで使うことを推奨する声は聴きません。
使用中PCのメモリ使用状況の確認方法
ここまでメモリ不足の原因についてお伝えしてきました。
しかしメモリ不足といっても、どれくらいメモリを使用しているのか分からないことには、不足しているかどうかが分かりません。
そこで、使っているPCのメモリ使用状況を確認する方法を紹介します。
ステップ2|検索窓に「タスクマネージャー」と入力する
ステップ3|「タスクマネージャー」をクリックする
ステップ4|「パフォーマンス」をクリックする
ステップ5|「使用中」と「利用可能」を確認する
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「タスクマネージャー」と入力する
ステップ3|「タスクマネージャー」をクリックする
ステップ4|「パフォーマンス」をクリックする
ステップ5|「使用中」と「利用可能」を確認する
「使用中」が100%に近く、「利用可能」が0%に近いほどメモリ不足の状態に近いです。
パソコンのメモリ不足を解消する7つの方法
それでは、パソコンのメモリ不足を解消する方法について紹介していきます。以下の7つが対処法です。
対処法2|不要なファイルを削除する(PCの空き容量を増やす)
対処法3|不要なアプリをアンインストールする
対処法4|デフラグ(最適化)を行う
対処法5|外付けハードディスクを使用する
対処法6|メモリを増設する
対処法7|PCを高スペックマシンに買い替える
それでは一つずつ解説していきます。
対処法1|バックグラウンドで動いているアプリケーションを閉じる
バッググラウンドアプリをオフにすることで、ムダにCPUやメモリを使うのを減らします。
これにより、消費電力ロスにもつながります。
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「設定」と入力する
ステップ3|「設定」をクリックする
ステップ4|「プライバシー」をクリックする
ステップ5|「バッググラウンドアプリ」を選択しクリックする
ステップ6|オンになっている不要な「アプリ」をオフにする
オフにすると以下のようになります。
対処法2|不要なファイルを削除する(PCの空き容量を増やす)
ディスククリーンアップツールを使います。
そうすることで、一時ファイルやシステムファイルをデバイスから削除できます。
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「ディスククリーンアップ」と入力する
ステップ3|「ディスククリーンアップ」をクリックする
ステップ4|削除したいファイルにチェックを入れる
基本は全て削除して問題ないです。とくに「ゴミ箱」や「一時ファイル」などはチェックを入れても問題ありません。
どうしても削除するのに躊躇する場合は、ウェブ検索を活用しながら確認することをお勧めします。
ステップ5|「システムファイルのクリーンアップ(S)」を選択しクリックする
「システムファイルのクリーンアップ(S)」を選択しクリックすると、以下のようにディスククリーンアップのスキャンが行われます。
ステップ6|「OK」をクリックする
ステップ7|確認画面で「ファイルの削除」をクリックする
「ファイルの削除」をクリックすると、以下のように削除が始まります。
この画面が消えたら、削除完了です。
対処法3|不要なアプリをアンインストールする
PCを軽くするために不要なアプリケーションをアンインストールします。以下の方法で実践できます。
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「設定」と入力する
ステップ3|「設定」をクリックする
ステップ4|「アプリ」をクリックする
ステップ5|不要なアプリを選択し、クリックする
ステップ6|「アンインストール」をクリックする
ステップ7|確認画面の「アンインストール」をクリックする
これでアンインストールが完了します。
他にも不要なアプリケーションがあれば、ステップ5~ステップ7を繰り返しアンインストールを行います
対処法4|デフラグ(最適化)を行う
ファイルを使っていくと、ハードディスク内のデータが散らばってしまいます。
この散らばったデータを整理整頓を行うことをデフラグと呼びます。以下でデフラグを行う方法を紹介します。
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「コントロールパネル」と入力する
ステップ3|「コントロールパネル」をクリックする
ステップ4|「システムとセキュリティ」をクリックする
ステップ5|「ドライブのデフラグと最適化」をクリックする
ステップ6|「最低化」をクリックする
対処法5|外付けHDD(ハードディスク)を使用する
外付けHDDは、PC内蔵のHDDの容量を増やすために使用します。
そのため、上記の「原因4|HDDの空き容量が少ない」で紹介した通り、購入する前にHDDの空き容量を調べておきましょう。
HDD空きが容量が多い中で、外付けしても効果が得られない可能性が高いです。
さて、HDD大きく分けて「据え置きタイプ」と「ポータブルタイプ」の2つがあります。
据え置きタイプは、自宅やオフィスで使用するパソコンの容量を増設したい場合にお勧めです。
ポータブルタイプは保存したデータを持ち運んだり、バックアップを取ったりしたりすることが多い場合にお勧めです。
「据え置きタイプ」のお勧めはこちら
「ポータブルタイプ」のお勧めはこちら
対処法6|メモリを増設する
メモリ不足では、メモリ増設するのが対処法の一つです。
しかしメモリ増設するにしても、使っているPCのメモリが分からなければ、何をどれくらい増設すればいいのか分かりません。
そこで、まずは使っているPCのメモリ容量を調べます。
ステップ1|PC左下の検索窓を選択する
ステップ2|検索窓に「設定」と入力する
ステップ3|「設定」をクリックする
ステップ4|「システム」をクリックする
ステップ5|「バージョン情報」をクリックする
ステップ6|「情報」を確認する
ここで示しているPCはメモリ容量が16GBあることが分かります。この情報と以下の表から自分がやりたい作業とを比較して、メモリ増設を決めましょう。
各メモリは用途に応じて、以下が推奨されています。
推奨メモリ | 目的や用途 |
4GB | インターネット、エクセル、ワードなど |
8GB | 動画編集、画像やイラスト編集など |
16GB | オンラインゲーム、動画作成(長い動画など) |
メモリ増設でお勧めはこちらです。
上記のリンクで紹介しているCORSAIR(コルセア)が価格.comでも注目度ランキングや満足度ランキングの上位を独占しています。
メモリ増設では、実際のレビューから見てもユーザー評価が高いと言えます。
対処法7|PCを高スペックマシンに買い替える
新しいパソコンを買うのは最もシンプルでわかりやすい方法です。
メモリ容量の大きいPCを購入すれば、メモリ不足で悩むこともなくなるでしょう。
実際、私もメモリ8GBから16GBのPCを切り替えました。
動画制作をしたり、プログラムを走らせたりするので、メモリ容量の大きいものに変えてしまおうと思ったのです。
動作はかなり軽くなり、PC作業の効率も上がりました。
なお私が現在使用しているマシンはThinkPad X1 Yoga 2018です。これからPCを使う人にはお勧めです。
今のPCが古いのであれば、買い替えをするのは一つの手と言えます。