「この仕事をしていて将来性はあるのか」
これは、私が20代のときに中小企業に勤務していた頃に強く感じていたことです。
当時の私は就職に失敗し、無職になってしまいました。そして、就職先が見つからず派遣社員として働くことになったのです。
自分の強みもよく分からない上に、派遣の仕事はスキルアップにつながらない単純作業ばかりでした。
そうした状況に、私は危機感を覚えました。
私は医師免許や公認会計士といった国家資格をもっているわけでもなく、資格に頼らずに実力で勝負をする必要がありました。
このまま年齢だけを重ねて実力のない社会人になってしまうことに強い不安を感じていたのです。そこで、将来を考えた上で転職を決意しました。
この記事では、私が当時の仕事を辞め、転職を決意した経緯について以下でより詳しく確認していきます。
目次
大学院卒の私が20代で中小企業の工場に勤務することになった経緯
私は大学院の修士課程を卒業しているのですが、就職活動に失敗したため、大学院を卒業してから半年間は無職でした。
ただ、当時の私は「大学院卒だから、すぐに仕事先は見つかる」と信じていました。
しかし、現実はそうカンタンにはいきませんでした。地方の仕事に応募しても、書類落ちしてしまいたのです。その結果、どんどん自分に対する自信を失っていきました。
その後、なんとか就職先は決まったものの、地方の中小製薬企業に派遣社員として勤務することになりました。
ただ、その職場は関西の山奥にあり、電車が一時間に一本しかない超田舎でした。
初めて職場に向かう朝は、「大学院卒なのに派遣社員として働く」という事実に情けなさを感じていました。自分は「社会の負け組だな」と思ったものです。
ただ、社会人として初めて仕事をする私は「雇用してくれたのだから、この会社に貢献しなくてはいけない」と強く思っていました。
派遣だとしても頑張らなくてはいけないと思いながら、仕事を始めたのです。
私が20代で中小企業を辞めて転職をした5つの理由
派遣社員として仕事を始めてから、数ヶ月してから少しずつ違和感を感じるようになりました。
それは、私が担当する仕事に将来性がなく、このまま働き続けることの不安が大きくなっていったからです。
そのように感じた理由や原因は以下の5つです。
理由2|年収200万円代でいいのか? 収入が低い
理由3|学生時代の友人たちのキャリアアップがうらやましかった。
理由4|5年後、10年後に上司みたいになりたいか?
理由5|4ヶ月で、部署の5人が辞めた
以下で詳しく説明していきます。
理由1|将来消えるような仕事を続けるのか? 将来が見えない
私の派遣先は地方の製薬企業でした。ただ、スキルアップがまったく期待できない職場環境だったのです。
勤務する前は、製薬企業なので、最新設備を使って仕事をすると思っていました。
しかし、現実は違いました。使用している設備は古い上に、アナログ作業ばかりで機械で代用できる仕事にしか見えなかったのです。
例えば、現在では製薬企業の試験設備は自動化が進んでいます。作業も機器を活用するだけでなく、分析も自動処理されるのが一般的です。
しかし、その企業ではすべて人力だったのです。既に大企業では自動化されている仕事を人力でやっている自分に疑問をもっていました。
「この仕事を出来るようになったところで、すぐにAIや自動化設備に奪われてしまう」
派遣社員として仕事を始めたときに、「こんな単純作業をやる意味があるのか?」、「こんな仕事を続けていて、本当に将来は大丈夫か?」と強く感じたのです。
これが、私が転職をしようと思った理由の1つ目の理由です。
理由2|年収200万円代でいいのか? 収入が低い
一般的に製薬企業は年収が高いと言われています。トップ10に入る企業であれば、20代で少なくとも年収500~600万は超えます。
私は大学院時代に就職活動の経験があったので、それを知ってしました。
ただ、私の勤務先は製薬企業でしたが、年収は高くありませんでした。地方の中小製薬企業だったこと、派遣社員だったこともあり、年収は200万円代でした。
一方で、私の同級生に大学院卒で戦略系コンサル会社に就職した人がいました。その同級生は初年度から600~700万の年収をもらっていました。
その人は、私の3倍の給料でした。同じ学歴にも関わらず、なぜここまで大きな差が生まれるのかとひどく落胆しました。
ただ、就職活動に失敗しただけで、このような違いが生まれてしまった。そのことがただただ悔しくて、「なんとかしたい」と思っていました。
そして、転職すれば年収を上げることができるのではないかと考えたのです。
理由3|学生時代の友人たちのキャリアアップがうらやましかった
私の学生時代の同級生をうらやましく感じたのも転職の理由でした。
上述の通り、戦略系コンサル会社に就職した友人は年収が高かったのもうらやましい理由の一つでした。それに加えて、仕事内容にもうらやましさを感じていました。
例えば、コンサルであれば、若くして海外案件を担当したり経営層と議論したりできます。
そのため、どんどんキャリアアップできる環境であり、ステップアップしてより大きなやりがいを得たり年収をあげたりすることができるのです。
こうした同級生に比べて、私は派遣社員で将来的に何か強み得られるわけでもありませんでした。
実際、私の勤務先の仕事は、基本的に上司から仕事のスケジュールが渡され、「同じ作業を毎日ひたすら続ける」というものだったのです。
具体的には、私が担当していた業務は試験検査業務でした。この仕事は、決まった仕事を決められた手順で行う仕事です。
毎日同じ仕事をしていて刺激もない上に、将来機械化されるかもしれない仕事をしていたのです。
このまま、「同じ作業を繰り返して、本当に大丈夫なのだろうか」と強い危機感を覚え、日に日にその気持ちは強くなっていきました。
理由4|5年後、10年後に上司みたいになりたいか?
「今の上司が、5年後や10年後の自分の姿である」ということはよく言われることです。
これに当てはめて考えた場合、私が派遣社員として勤務していた会社の上司を見て、彼らのようになりたいと思えませんでした。
例えば、チーフ(主任)がいたのですが、その人は長時間の勤務をしていました。
朝6時に出社し、遅い時は22時や24時まで勤務していたのです。さらに土曜日も出社していました。
はっきり言って、おかしいです。これだけ働いていたら、いつ病気になってもおかしくありません。
それでも、作業の多くを人力でやっていたため、マネージャーはその人の長時間勤務を容認していました。
私は「本当にこれでいいのか?」、「チーフはこの仕事を楽しいと思っているのか?」といつも疑問に思っていたのです。
同時に、「この会社で5年10年働いたら、あのチーフのようになる」と考えたとき、悪い言い方ですが、正直に「イヤだ」と思いました。
理由5|4ヶ月で、部署の5人が辞めた
私が派遣先で勤務を始めて半年近く経過してから、少しずつ人が辞めるようになりました。
合計で、4ヶ月という期間に部署の5人が退職したのです。
当時の勤務先の部署が30弱だったので、10~20%の人が辞めたことになります。これは、ありえない数字でしたし、私も「この職場はまずいな」と直感的に思いました。
中には、体調不良を訴えて3ヶ月の休暇を挟んだ後に辞めた人もいました。もちろん、退職した人の話をするのはタブーでした。
私は仲の社員の人と、退職していった人の理由を聞いていたのですが、「この会社で働くことに疑問を感じる」というのが多かったです。
ここで働くことが、リスク以外の何物でもなく早く転職するほうがいいと考えるようになっていきました。
やりがいと年収を求めて転職活動を行う
当時、私は20代で心のどこかで「まだなんとかなる」と思っていました。
ただ、何も行動をしないとすぐに30代や40代になってしまうという危機感もありました。
実際、当時の勤務先の30代や40代の先輩と話をしていると、本心かどうかは別として、彼らも転職をしたいと話をしていました。
しかし、「転職の時間がない」や「今さら転職できるか分からない」といった悩みをもっていて、本当に転職した30代40代の社員はほとんどいませんでした。
私も悩んでいる場合ではないと考え、派遣社員として1年弱勤務したところで、転職を決意しました。
転職エージェントに3,4社登録し、第二新卒として転職活動を始めたのです。
転職エージェントに話を聞きに行き情報を集めて、一部上場企業の製薬メーカーに内定をもらうことができました。
転職のときのノウハウや正しい方法は別の記事で紹介しています。興味がある人は、そちらをご覧ください。
その後、大手企業で勤務し、数億の海外案件の担当に抜擢されたり年収も数百万アップしたりしました。
やりがいも年収もある仕事に変わることができて良かったと思っています。
もし、あのまま当時の職場で働いていたら、ムダに年齢だけ重ねてキャリアアップはなかったと強く思うのです。
20代なら間に合う!自分の成長や将来に向けて転職することをおすすめする
私は社会人として最初のキャリアを1年弱で辞めて転職をしました。
しかし、「転職するより今の仕事を最低3年は続けたほうがいい」といった意見もあります。
自分に向いているかどうかを判断するには、3年は仕事をしてみないと分からないからと言われています。
しかし、私はこの意見には賛成しません。むしろ、転職を数回していいと思っています。
いくつか理由はあるのですが、もっとも大きな理由として、仕事には適正があると考えているからです。向く仕事と向かない仕事があるのです。
例えば、私はデータ分析や業務効率化は得意な仕事です。しかし、私は筋力が乏しく、体を使った仕事をするには向きません。
私の適性は、パソコンを使った仕事にあるのです。
実際、こちらでも紹介されていますが、その人の強みのほとんどは遺伝子で決まります。
そのため、生まれた時点でその人の適正が決まっていると言えるのです。
新卒で自分の適正に合った仕事を見つけるのは難しい
新卒の場合、自分に向く仕事を新卒で引き当てるのは至難の業です。
なぜなら、最初のキャリア(1社目)で自分の適正に合った仕事に出会う確率は低いからです。
例えば、多くの人は妥協して新卒の就職先を決めてしまいます。そもそも働いた経験がない状態で、仕事を探すわけですから無理もないことです。
実際、私の場合は就職活動を失敗したため、自ら勤務先を決めることもできませんでした。妥協以前に選択できなかったのです。
このように、新卒で自分に向く仕事に就くのは難しいのです。
適正に合った仕事を見つけるために、仕事を変えてみる
そのため、転職を行うことで、自分の適正に合った仕事を探す必要があるのです。
自分の適正に合った仕事をすれば、キャリアアップや年収アップにつながりやすいです。また、自分に合った仕事をするので、仕事を楽しむこともできます。
実際、私も転職先でデータ分析をしたり、資料作成の効率化の仕事をしたりして自分の適性を見つけていくことができました。
その結果、年収が数百万アップしたり最年少で昇格したりできたのです。
しかし、あのまま当時の職場で働いていたら、適正に合わない仕事を続けて疲弊していたことでしょう。
したがって、20代で仕事の将来性に不安があるなら、様々なことに挑戦することをおすすめします。
会社によっては、異動やローテーションがある場合もあります。ただ、すべての会社でそのような制度があるわけではありません。
私は、自分に合った仕事を見つけるにはチャレンジしてみるしかないと考えています。
そして、20代で若い内にこそ、自らの適性を見定める期間として活用してほしいと思っています。
今の仕事を辞めるのが気になるなら、転職エージェントに相談するのがてっとり早い
ただ、仕事を辞めることへの後ろめたさだったり、せっかく就職した会社を離れる不安だったりは必ずつきまとうものです。
実際、私もそうでした。しかし、「今の職場で5年、10年働いた先に上司や先輩のようになりたいか?」と質問されたら、どうでしょうか。
少なくとも当時の私は、自信をもって「イエス」とはいえませんでした。
今の仕事を辞める不安はわかりますが、このまま変わらないことにもリスクがあるのです。
ただ、今の会社で働く選択が正しい場合もあるはずです。
そのため、本当に転職をするかどうかも含めて転職エージェントに聞いてみることをおすすめします。
実際、私も転職エージェントに登録して、今の状況を聞いてもらい、最終的に転職するかどうかを決めました。
私の友人も、転職エージェントの人の話を聞いて転職を決めたり保留にしたりしていたりします。
不安に感じているなら、まずは転職エージェントに聞いてみるのがてっとり早いといえます。
お勧めの転職エージェントはこちらで紹介しています。
私は転職してよかったと言える
仕事をしていると、「今の仕事の将来に不安を感じる」と思うときがあるものです。
私の場合は、派遣社員であったこと、仕事がスキルアップにつながらない単純作業であったことがきっかけでした。
それに危機感を覚え、転職を決意したのです。その結果、転職先の会社でうまくいきました。あのとき、決断してよかったと心から思っています。
しかし、今の仕事に不安を抱えているけれど、なかなか行動できない人も少ないでしょう。
そんなときは、「このまま5年、10年経過して、上司のようになりたいか?」と自問自答してみることをおすすめします。
その答えによって、あなたが何をすべきかどうか決まるはずです。
その答えがイエスであってもノーであっても、自らで選択して人生を切り開いていってほしいと私は思っています。
以下で、仕事や転職に関する記事を紹介していますので、合わせて読んでみてください。
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