仕事をしているとストレスを感じたりイライラが止まらなかったりすることがあります。
たとえば、以下のことは誰もが経験したことがあるはずです。
・私の顔や発言から「察してくれ」と思うことがある
・できない上司の代わりに仕事をやっている
・自分の仕事量が明らかに多い
・残業するのが当たり前になっている
・関係ない部署の人の面倒を見ている
・後輩に依頼した仕事を自分でやってしまう
・部下に仕事を任せられない
・頼まれた仕事を断れない
もし、上記に該当するならストレスをためてしまう状況にあると言えます。
それでは、どのようにすればストレスをためこまず、イライラと上手く対応できるようになるのでしょうか。
結論は以下です。
・ストレスは他人ではなく自分が作り出していることを知る
・ストレスやイライラの原因に気づく
・正しいコミュニケーションの取り方を実践する
これらを理解し実践することで、ストレスやイライラと上手くつきあっていくことができるようになります。
以下では、実際にストレスが多い状況で働いていたTさんが、ストレスとうまく付き合うために実践したことを紹介します。
目次
厚生労働省|仕事の不安、悩みやストレスを関するデータ
仕事にストレスを感じている人は多いです。しかし、どれくらいの人が仕事でストレスを抱えているのでしょうか。
また、どのようなことにストレスを感じるのでしょうか。
その答えは厚生労働省のデータを見れば、すぐに分かります。
7割の人が仕事で不安、悩みやストレスを感じている
人間関係や仕事の質・量にストレスを感じる人が多い
このようなデータがあります。
しかし人間関係や仕事の質・量と言われても、どのようなことがストレスになっているのかイメージするのは難しいです。
そこで、以下で仕事で不安を感じていた私(Tさん)を事例にして、ストレスについて具体的にお伝えしていきます。
私も仕事のストレスがたまり、イライラした態度をしていた
私はメーカーで技術開発の仕事をしており、仕事のストレスで毎日のようにイライラしていました。
イライラの原因は、部署で行われる毎週の進捗報告会議(週報会)でした。
その週報会で毎週のように上司(部門のトップ)から怒鳴られ、大きなストレスを抱えていたのです。
ストレスの原因は上司との人間関係だった
上司は頭が切れ仕事ができる方ですが、感情的になりやすく怒ると本当に怖いです。
同僚がネガティブな内容の報告をして上司が激しく怒ったとき、傍から見ているだけで怖い思いをしたことがありました。
そのため、「ネガティブな報告をしてはいけない」という思いを持つようになっていったのです。
しかし当時、私はプロジェクトの成功確率は低いと感じていたので、中止すべきと考えていました。
ただ、「プロジェクトは中止したい」と発言するのはネガティブな報告になると思い、はっきりと言い出せませんでした。
そのため「こういう所が不安です…」というあいまいな報告をしていたのです。
私としては、「こんな大変な状況なのだから察して!」と思っていました。
しかし、あいまいな報告にイラだった上司から、「結局、何が言いたいんだ!」と怒鳴られてしまったのです。
そのような経験があったので、会議が本当に憂鬱でした。また、報告するために膨大な準備をしていました。
その結果、残業時間も長かったです。今考えると、無駄な作業が大半でした。
さらに、提出した週報のレポートに対し、週末に上司から赤字で添削したファイルが送られてきます。
レポートの記載が上司の気に入らないと、添削だけでなく罵倒するような表現が書かれていることもありました。
そのため週末も気が休まらず、「いつになったらこの苦しみから解放されるのだろう」と絶望的な思いを感じていました。
当時は上司に対して「なんで、こんな言い方するんだ!」、「もっと他人に気を遣ってくれればいいのに」と思っていました。
また、自分に対しても、「なんで、事実を報告するだけなのにできないんだ」「自分は本当にダメな奴だ」とふがいなさを感じ、イライラしていました。
このままでは、ストレスに押しつぶされてしまうと思いました。そのため、心理学の本を読みあさり、ストレスを解消する方法をいくつか試しました。
ストレスの本当の原因は自分の考え方だった
本を読み気づいたことは、ストレスを生み出していたのは他人ではなく自分自身だったことでした。
そこで、ストレスやイライラと上手く対処する方法を実践しました。
その結果、少しずつストレスに対処できるようになっていきました。
たとえば、あるプロジェクトでプレゼン内容を上司と議論することになりました。
そのプレゼン内容に関して、上司から何度も改善を求められまし、上司が感情的になることもありました。
しかし、「これはプレゼン内容を改善するためのフィードバックだ」と受け止められるようになっていました。
イライラや不安を感じるたびに、感情を書き出し冷静に見て軌道修正を繰り返しました。
そして、提案内容の改善すべきところを淡々と改善していきました。この過程で、上司からよいフィードバックを受けられ、大きな学びを得られました。
ただ上司と日常的に関わりたいか? というと、答えは”No”です。上司は人間関係を「上下」でとらえているので、一緒に話をしていると疲れるからです。
しかし、仕事に必要なコミュニケーションは問題なくとれるようになり、有用なフィードバックを受けられるようになりました。
もちろん上司に怒られれば、凹みますしイライラを感じることもあります。
しかし、対処法を身につけたので、仮にストレスやイライラを感じる事態に直面したとしても、自分で対処できるという感覚を持っています。
そこで、私がストレスと向き合うために勉強してきたことや実践してきたことを以下で紹介していきます。
仕事のストレスでイライラする理由や原因
そもそも、なぜ仕事でイライラした態度をしてしまうのでしょうか。
それは以下のような理由や原因があります。
理由1|自分の「○○であるべき」で自分自身を苦しくする
理由2|上司の「○○であるべき」に要求レベルを高める
理由3|仕事の評価が自分自身の価値と一体化している
理由4|できていないことばかり注目してしまう
理由5|イライラを抑えようとしてさらに苦しくなる
以下で一つずつ説明していきます。
理由1|自分の「○○であるべき」で自分自身を苦しくする
それは「○○であるべき」と考えているからです。
「○○であるべき」と考えていると、○○でない自分にイライラしてしまうのです。
たとえば、私は以下のような「○○であるべき」を持っていました。
→人の気持ちを気にせずに行動する上司や同僚を見るとイライラする。
→仕事で成果を出すべきなのに、出せていない自分を許せない。
特に「常に仕事で成果を出すべき」という思いは自分の中では強かったです。
そのため、仕事で成果を出せない瞬間があると、いつも「自分は無能だ」と無意識に自分を傷つけていたのです。
そして、このような無意識に傷つける行為こそ、自分で自分を苦しめていきます。
理由2|上司の「○○であるべき」によって能力以上のレベルをもとめられる
自分の中に「○○であるべき」を考えているのと同じで、上司も「○○であるべき」と考えています。
たとえば私の上司は、「常に100%完璧な仕事をすべき」という考えを持っているようでした。
論理的に正しいことを全て実行し、レポートも「てにをは」まで完璧さを求めていました。
さらに、報告の仕方も的確であることを周囲に求めていました。
そして、上司は基準に満たない仕事を見るとイライラし、限界に達すると怒鳴るという構図でした。
この上司は経験豊富で仕事もできるので、部下が常に基準を満たすことはできません。
上司の基準が高くなれば、当然部下の残業時間が増えていきます。
このように、上司が「常に100%完璧な仕事をすべき」と考えていると、部下は能力以上のレベルを求められます。
そしてそれがストレスの原因になるのです。
理由3|仕事の評価が自分自身の価値と一体化している
仕事の評価が自分自身の価値と一体化していると、評価により一喜一憂し常にストレスを感じ続けることになります。
このような考え方の人が低い評価を受けると、以下のように自分を責めてしまいます。
こんなミスをするなんて、自分はダメな人間だ
また、自分より仕事の評価が高い人を見ると、以下のように上司や会社に対して怒りを感じてしまいます。
あいつより頑張っているのに、自分のほうが低い評価なのは許せない
仮に高評価を得ていても、次に失敗したら低い評価を受けるのではないか、と常に不安を抱え続けることになります。
しかし、考えてみてほしいのですが、仕事で低い評価を受けたからといって、自分自身の価値が損なわれるのでしょうか。
そうとは言えないはずです。
なぜなら、仕事で低い評価を受けたからといって、単に結果につながらない行動をとっただけかもしれないしれません。
また、そもそも自分に向いていない仕事をやっていただけの可能性もあります。
本来、自分自身の価値は仕事の評価とは関係ありません。
このように仕事の評価と自分自身の価値を一体化してしまう人ほど、常にストレスを感じ続けることになります。
理由4|できていないことばかり注目してしまう
自分自身にイライラする理由の一つに、自分ができないことばかりに注目していることがあります。
しかし、できないことや短所を補おうとしても、ほとんど改善できません。
なぜなら、人の能力は遺伝の影響を大きく受けているからです。
たとえば、言語能力や数字を扱う能力は8割程度が遺伝で決まります。
また外向性、内向性などの性格も4割程度は遺伝で決まります。
そのため、自分が苦手なことを改善しようとすると膨大なエネルギーが必要ですし、遺伝的に得意な人にはかないません。
たとえば数字管理が苦手な人が会計を担当していたら、成果を出しづらいでしょう。
そのため、「なんで自分はこんなに努力しているのに、あの同僚のように数字管理ができるようにならないのだ」とイライラを感じ、ストレスをため込むことになるのです。
しかし、これは生まれ持った能力で決まっていることが多いため、どれだけ努力しても変えるのは困難です。
ただ、このことを理解しても多くの人は短所を改善しようとします。
それは学生時代から、苦手科目を強化し平均点を上げるよう教育をされてきたからです。
実際、苦手でも頑張ろうとする社会人は多いですが、あまりおすすめしません。
私がそうでしたが、苦手なことはうけいれるほうがストレスと上手くつきあえます。
理由5|イライラを抑えようとしてさらに苦しくなる
イライラを感じると仕事が手につかなくなったり、日常生活に支障をきたします。
そのため、イライラを抑えようとしたり見ないようにしたりする人がいます。
私も以前は、ストレスやイライラを抑えようとしていました。
しかし、イライラを抑えようとしてもうまくいかず、さらに苦しくなります。
感情は、抑えようとしても自然と出てくるものです。
たとえば、悪臭漂うゴミが入ったゴミ箱にフタをしても、悪臭が漏れ出てきます。
そして、フタをしたまま放置しても状況は悪化する一方です。イライラを抑えようとするのも、これと同じことです。
根本原因にアプローチせず、その場しのぎで感情から目を背けると、どんどんストレスは増え続けさらに苦しくなります。
それでは、具体的にどのような対処をすれば、ストレスやイライラと付き合っていけるのでしょうか。
ストレスやイライラの限界が来る前に試したい7つの解消法
私が実践してきたのは、以下の7つです。
解消法1|自分の「○○であるべき」を見つける
解消法2|自分の心と身体の状態に気づく
解消法3|セルフコンパッションを行う
解消法4|心の境界線を意識する
解消法5|アサーティブに伝える
解消法6|強みにフォーカスする
解消法7|本を読んで勉強する
それでは一つずつ解説していきます。
解消法1|自分の「○○であるべき」を見つける
自分が無意識に感じているべき論を見つけることはとても重要です。
なぜなら、そのべき論によって自分を傷つけているからです。
たとえば、私は学歴が高いこともあり「頭がよくあるべき」、「会議では意味のある発言をすべき」のようなべき論を持っていました。
そのため、自分が会議で意味のない発言をしてしまったときに、自分自身に対して「なんて無能なヤツなんだ」と傷つけていたのです。
しかし、このような「○○であるべき」は誰もが無意識のうちに育ててしまっています。
そのため、自分がどのようなべき論を持っているか見つけることが大切です。
実際、私は「○○であるべき」を見つけたら、以下のように対処していました。
→以下のように場合分けして考える
会議で意味のある発言をするメリットとデメリットは何だろう?
●会議で意味のある発言をしたほうがいいとき
・会議で結論が出ないとき
・話が進んでいないとき
●会議で意味のある発言をしないほうがいいとき
・誰も言いたいことを言えないとき(バカな発言をして場を和ませる)
・自分の意見をきっかけにして、もっと意見につながるとき
このように使い分けることで、「自分は会議で意味のある発言をしなくても良い」と考えることができるようになっていきました。
こうすることで、自分自身が意味のない発言をしても、ストレスやイライラにつながりにくくなります。
解消法2|自分の心と身体の状態に気づく
心や身体が疲れているときは、ストレスやイライラを感じやすくなりがちです。
なぜなら疲れていると、冷静な判断ができないからです。
冷静な判断ができないと、相手の言葉にやたらと反応してしまいがちです。
たとえば睡眠不足が続くと、判断力はお酒を飲んだ酩酊状態と同じレベルまで下がってしまいます。このような状態では、冷静な判断ができません。
実際、私は疲労が大きいときは、自分をねぎらって寝ることもストレスやイライラを溜めないようにしていました。
自分の心や身体が疲れていることに気づくこと。そして、気づいたらときに判断を遅らせることも大切です。
解消法3|セルフコンパッションを行う
セルフコンパッションとは、辛いことがあったときにも、自分に優しくする方法です。
具体的には、以下の3つの要素があります。
1|自分に優しくすること
2|誰もが失敗するものと捉えること
3|自分の感情や思考に囚われず、目の前のことに集中すること
辛いときに上記の3つを実践するのがセルフコンパッションです。
たとえば、仕事でミスをして、ストレスを感じることがあります。
このときは以下のようにセルフコンパッションを行います。
セルフコンパッション1|自分に優しくする
自分が大事に思っている友人、恋人、家族が仕事でミスをしたとき、どのように声をかけるでしょうか。
「何やってるんだ!」とは言わないでしょう。きっと、優しい言葉をかけると思います。
仕事でミスをしたときに、自分が大事に思っている人に声をかけるつもりで、自分自身に対して優しい言葉をかけるようにします。
実際に、私が試した内容を紹介します。
社内でプロジェクトの進捗報告のプレゼンをしたとき、参加者の期待と私が準備した内容にズレがありました。
そのため、説明が終わったときに「何が言いたいの? 今日のプレゼンの目的はなんだったの?」と言われたことがあります。
これを言われたとき「なんでこんなミスしてしまったのだ」「恥ずかしい」と落ち込み、自分のことを責める気持ちがでてきました。
しかし会議が終わった後、少し冷静さを取り戻し、自分に優しくしてみようと思いました。
大事な家族に声をかけるように、以下のように自分に声をかけてみたのです。
「あなたは失敗して辛い思いをしているのだね。落ち込みたいときは落ち込んでいいよ。
でも、こういう失敗は誰にでもあるものだよ。
たとえ失敗してもあなたの価値は変わらないよ。」
そうすると胸の中がじんわりと温かくなるような感じ、落ち込んでいた気持ちが少し和らいだように感じました。
このように自分に優しくすると、失敗に対して心を落ち着けることができます。
セルフコンパッション2|誰もが失敗するものと捉えること
仕事でミスをすると視野が狭くなり、自分や他人を責める気持ちが出てくることがあります。
しかし、そもそも人は誰でも失敗するもので、自分だけは失敗しないはずと思うのは傲慢です。
たとえば、アインシュタインでも物理学の理論を作る上で大きな失敗をしています。
他にもスティーブ・ジョブズも自分で立ち上げたAppleを追い出された経験があります。
誰もが失敗するものという考えができれば、自分がミスをするのは当然だと腑に落ちるようになります。
セルフコンパッション3|自分の感情や思考に囚われず、目の前のことに集中すること
ミスに気付いた後に、「なんで、こんなミスをしてしまったのだ」「こんなミスをするなんてダメだ」と感情や思考に振り回されてしまいがちです。
そして実際のミスより大きなミスをしてしまったと感じ、余計にストレスが溜まっていきます。
このときに、自分の感情や思考は一旦脇に置いて目の前のことに集中します。
そうすると思っていたより大きなミスではなく、挽回可能なことが見えてくることが多いです。
たとえば私は顧客への提案に向けて、データを取るために実験を進めていました。
しかし、ある前提条件を見落としており、取りたいデータが取れないことに気づきました。
気づいたのは、顧客への提案の一週間前。準備に時間がかかる実験だったため、そこから準備して間に合わせるのは不可能でした。
「なんで、こんな大事なことを見落としていたんだ」と自分自身にイライラをしてしまう始末。
気づかないうちに、感情に振り回され冷静な判断ができない状態になっていたのです。
このとき、セルフコンパッションを思い出しました。
感情は一旦脇に置いて、得たい結果と現状を改めて書き出してみることにしました。
すると、工夫すれば数日で得たい結果を得られることに気づけたのです。
道筋が見えると、焦りやイライラは解消していきました。
そして、無事に得たい結果が得られ、顧客への提案につなげることができたのです。
このように、セルフコンパッションを実践することで、ストレスやイライラを解消することができます。
解消法4|心の境界線を意識する
私は心の境界線という考え方を知り、仕事の断り方が上達しました。
心の境界線とは、「相手の課題は相手が解決し、自分の課題は自分で解決する」ということです。
ここでいう課題とは、仕事、感情、価値観、意志などを指します。
たとえば、以下は心の境界線を超えている事例です。
・上司が部下の仕事をやっている
→上司の課題は上司が解決する
・部下が過剰な仕事を押し付けられている
→自分以外の仕事をしている
・上司が怒っているとき、自分が何かしなくてはと感じる
→怒っているのは上司の課題であって、自分の課題ではない
・相手の価値観や意志を上司や同僚に否定する
→相手の存在を大切にしていない。平気で人を傷つける(つまり、自分も傷つけている)
境界線を勉強する前の私は、境界線を超えたり超えられたりしていることに気づいてさえいませんでした。
そのため、他人の仕事、感情を勝手に引き受けて苦しんでいました。
人が困っていたら、助けるべきだと思っていましたし、助けないと卑劣だと思われるのが怖かったのです。
しかし困っている人の仕事を引き受けることは、必ずしも相手のためになりません。
その人の課題をその人に解決してもらうのは、相手の成長につながることも多いです。
逆に人の課題を引き受けて、相手の成長のチャンスを奪うことこそ卑劣です。
このように考えることができるようになったのは心の境界線を理解できたからです。
正直、かつての自分の働き方を振り返ると苦しくなって当然だと感じます。
解消法5|アサーティブに伝える
アサーティブとは自分自身を大切にし、その上で相手も大切にするコミュニケーションのテクニックです。
この方法を使うと、境界線を引きやすくなります。
具体的には、以下のようにコミュニケーションをとります。
ステップ1|(謝罪と断り)
申し訳ありませんが、これ以上この仕事に協力することはできません。
ステップ2|(理由)
なぜなら、本業が忙しくなり、残業で対応せざるを得なくなっているからです。
ステップ3|(断りを表明)
お力になれずにすみません。
ステップ4|(代替案の提案)
手を動かす作業はこれ以上できませんが、議論に乗ることはできます。
このように伝えた結果、他部署の方も理解してくれ仕事を断ることができました。
さらに、これまでの協力に対し感謝をされました。
このようにアサーティブな自己表現を心がけると、境界線を引きやすくなるのです。
解消法6|強みにフォーカスする
人には得意・不得意があります。
なぜなら人の能力や性格は遺伝で決まる要素が大きいからです。
そのため不得意な仕事を続けていても結果は出づらく、ストレスやイライラの原因になるのです。
そこで、自分の強みにフォーカスする働き方を目指すことをおすすめします。
具体的には、以下のような考え方です。
・自分の強みが発揮できる仕事は引き受ける
・自分の強みが発揮できない、苦手な仕事は極力避ける
たとえば、自分がコンセプトやアイディアを作るのが得意な一方、細かい数字を管理するのが苦手だったとします。
その場合、数字を集計したり整理したりする仕事は他の同僚に任せるようにします。
実際、私は小さい頃から手先が不器用です。細かな作業はいくら練習しても上達しません。
技術開発職は実験をやる機会も多く、実験を正確に行おうとすると手先の器用さが必要になります。
しかし、もともと不器用なのでいくら実験スキルを向上させようとしても限界がありました。
一方、私はプロジェクト全体を把握し本質的な課題を見つけ、アクションプランを立てるのは比較的得意でした。
そのため、できる限り自分では手を動かさずに、プロジェクトの全体設計をする仕事を引き受けるようにしました。
自分の得意な領域で成果を出し始めると、周囲の人も、「この人は、こういうことが得意なのか」と理解してくれるようになりました。
そして、徐々に強みを活かせる仕事を増やすことができます。
強みを活かした仕事は、成果も得られやすい上に、プロセスも楽しめることが多いと思います。
そのため強みにフォーカスすることも、ストレスやイライラを溜めないことにつながります。
解消法7|本を読んで勉強する
ここまでお伝えしてきた内容は、私が実践してきたことです。
詳しく紹介してきましたが、さらに深く勉強したいなら本を読んでみるのが良いです。
自分で時間とお金をかけて調べて学んだことは、本当に意味で自分の血肉になるからです。
実際に私が読んでよかった本を紹介します。ぜひ、自分自身で調べて学んでほしいと思います。
ここまでお伝えして6つのストレス解消法は上記の書籍を読んでみることで、深く学ぶことができます。
ぜひ読んでみてほしいです。
仕事が苦しいからすぐに転職するのはおすすめしない
仕事によるストレスで苦しいという理由で、すぐに転職するのはおすすめしません。
なぜなら、自分のストレスは自分で作りだしていることが多いからです。
たしかに転職は環境を変えるチャンスですが、アサーティブやセルフコンパッションを身に着けていないと、またすぐにストレスがたまります。
ストレスがたまると、また転職をします。これでは同じことを繰り返しているだけで、根本的な解決になっていません。
実際、私の同僚にも仕事のストレスを理由に転職した人がいます。
転職してすぐは、環境が変わったおかげでストレスが減り、楽しそうにしていました。
しかし、1年ほど経った後に会うと、ふたたび仕事のストレスが辛くなってきたようで、暗い顔をしていました。
ストレスやイライラが原因の場合は、転職をしても根本解決になりません。
もしストレスやイライラで転職を考えている場合は、少し考えてみることをお勧めします。
仕事がしんどい・苦しいは環境のせいもある
ここまでお伝えしてきた解消法を試してみても、仕事がしんどい、苦しいと感じてしまうことがあります。
なぜなら、周囲の影響もあるからです。
たとえば、自分がどれだけアサーティブに伝えても、相手が聞いてくれる人ではなかったら、通用しません。
具体的には、上司や同僚がパワハラやセクハラをしてくる場合や、勤めている会社がブラック企業であるケースです。
この場合は、社内異動や転職などで環境を変えた方がよいです。
実際、私の知り合いで、パワハラに苦しんでいた人がいます。
この人は、会社のコンプライアンス部門にパワハラを訴え認められました。
その結果、社内異動で環境を変えることができ、ストレスを軽減できたのです。
このように、相手が聞く耳を持たないような場合は、環境を変えた方がよいです。
今日から自分に優しくしてみる
ここまで仕事のストレスでイライラする原因と限界前にすべき7つの解消法をお伝えしてきました。
大切なのは、この記事を読んで満足することではありません。
実践して、自分自身を変えていくことです。
たとえば、画面越しに観戦しているだけでは野球はうまくなりません。
正しい投げ方や打ち方を学んで、少しずつレベルが上がっていくものです。
実際、私がストレスをうまくつきあえるようになったのは、学んだことを実践したからです。
知識だけを学んで満足していたら、今も上司との人間関係で苦しい思いをしていたはずです。
ぜひ以下の方法を試してみてほしいと思います。
解消法1|自分の「○○であるべき」を見つける
解消法2|自分の心と身体の状態に気づく
解消法3|セルフコンパッションを行う
解消法4|心の境界線を意識する
解消法5|アサーティブに伝える
解消法6|強みにフォーカスする
解消法7|本を読んで勉強する