事務のような仕事をする上では、ブラインドタッチ(タッチタイピング)ができる方が有利です。
それはタッチタイピングができれば、パソコン仕事を速くこなすことができるからです。
実際、私は社会人になってからタッチタイピングを習得しました。
その経験から言えるのは、タッチタイピングができるようになる前と後では全く仕事の進みが違うことです。
しかしタッチタイピングができない人は、タイピングは難しいと感じていたり、そもそもタイピングを習得するメリットも感じたりできないはずです。
そこで40代で部署異動したときにタッチタイピングを習得し、事務仕事を効率化した人のタイピング習得の体験談・経験談をお伝えします。
この記事が、これからタイピング学習を始める人のヒントになればと思います。
※便宜上、取材した人を「Mさん」とし、インタビュアー(私)は「管理人」と表記します。
なお、ブラインドタッチのことをタッチタイピングと呼びます。ブラインドタッチは差別的な印象を与える可能性があるからです。
目次
タッチタイピング(ブラインドタッチ)を学ぶきっかけは部署異動
●管理人
タッチタイピングを学ぼうと思ったきっかけは何ですか?
●Mさん
タイピングを学ぼうと思ったきっかけは部署異動でした。ちょうど営業から営業管理に仕事が変わり、業務の中心が事務作業に変わりました。
実は、それまでタイピングについて調べたことはあったのですが、しっかりと習得できている状態ではありませんでした。
それで、事務作業をやる部署への異動ということもあり、「この際だから、タイピングをちゃんと学ぼう」と考えました。
できるようになって気づいた! タッチタイピング(ブラインドタッチ)が4つのメリット(利点)
●管理人
ブラインドタッチ(タッチタイピング)があまり得意ではなかったところから、タイピングができるようになり、Mさんの仕事はどのように変わりましたか?
●Mさん
タイピングができるようになる前とできるようになった後の変化やメリットは以下の点です。
メリット1|タイピング速度があがり仕事が速くなった
メリット2|手書きのメモが減った
メリット3|机がきれいになり広く使えるようになった
メリット4|自分に合った道具を選べるようになった
●管理人
一つずつ教えていただけますか?
メリット1|タイピング速度があがり仕事が速くなった
●Mさん
タイピング練習は1ヶ月くらい集中して練習したのですが、その前後でタイピング速度が大きく変わりました。
使っていたタイピング練習ソフトのスコアでいえば、400前後だったのが900前後まで伸びました。
●管理人
約2倍くらい速くなっていますね。
●Mさん
実は体感的にはよく分かりませんでした。ただ仕事でタイピングをしていて、文字を打つのはラクになりました。
●管理人
確かに速くなったのは自分では分からないですよね。
●Mさん
そうですね。タイピングソフトで数値を記録していたので、2倍になっているのが分かったというのが正直なところです。
一度自転車に乗れるようになると、乗れなかった頃の感覚が分からないのと同様に、タイピングも一度できるようになると速くなったことには気づかないものです。
ただパソコン仕事では、ほとんどストレスなくタイピングをできるようになりました。
メリット2|手書きのメモが減った
●Mさん
タイピング練習をしてよかったことの一つに、手書きのメモが減ったことがあります。
なぜなら手書きよりタイピングの方が速く文字入力できるようになったからです。
例えば議事録を取るにしても、手書きメモを取るよりPCにタイプした方が速くなりました。
そのため、人の話をPCに直接メモできるようになったのです。
このおかげで、メモ書きを見てパソコンに転記する作業がなくなり効率的にパソコン仕事を行えるようになりました。
●管理人
確かにそうですね。結局、メールを使って配信するので、パソコンに直接入力してメモを取る方が効率的ですよね。
●Mさん
多くの人が手書きのメモをパソコンに転記しているのを見ると、時間がもったいないなと思います。
それと同時に、昔はできたけど今は非効率なのでやりたくないと思いますね。
メリット3|机がきれいになり広く使えるようになった
●Mさん
手書きメモがなくなったことに付随する事として、机がきれいになり広く使えるようになりました。
これはタイピングができるようになったことで、手書きメモを使わなくなったからです。
またタイピングができるようになったことで、マウスなしで作業をスムーズにこなせるようになったのも大きいです。
他にもテンキーがないコンパクトなキーボードでも数値をストレスなく入力できるようになったことも要因の一つです。
●管理人
タイピングができるようになって机が広く使えるようになったのは面白いですね。
●Mさん
タイピングができるようになって、仕事に余裕ができるようになったもの大きいかもしれません。
●管理人
なるほど。
メリット4|自分に合った道具を選べるようになった
●Mさん
これはタイピングができるようになって良かったのは分かりませんが、道具にこだわるようになりました。
例えばキーボードは自分に合ったものを使うことで、よりストレスなく作業に集中できるようになることが分かったからです。
タイピングができるようになって、自分にとってタイピングしやすいキーボードとそうでないキーボードがあることが分かるようになりました。
他の人からお勧めされるキーボードもいいのですが、やはり自分に合ったものを使うとタイピングがより速くなった気になります。(笑)
●管理人
手にあうキーボードがあるのは私も同感です。しっくりくるものを選ぶのは大切ですよね。
●Mさん
そうですね。ただタイピングができなかったときは、しっくりくるものを何なのかさえ分からなかったです。
●管理人
確かにそうですね。できるようになって分かることは多いですね。
タッチタイピング(ブラインドタッチ)だけでは仕事は速くならない
●管理人
Mさんはタイピングができるようになって、上記のようなメリットを得ることができたとのことですが、タイピング練習だけで、上記のメリットを全て得られるのでしょうか?
●Mさん
残念ながらタイピングだけ速くなっても、上記のようなメリットは得られません。
それはタイピングだけで仕事が圧倒的に速くなることはないからです。
●管理人
それでは、タイピング以外に何が必要なのでしょうか?
タッチタイピング(ブラインドタッチ)でショートカットキー操作ができるようになると仕事が速くなる
●Mさん
ショートカットキーです。正しいタイピング操作でショートカットキーを使えるようになると、仕事が一気に速くなります。
私はパソコン仕事は速いと言われますが、それはタイピングが速いことだけが要因ではありません。
タイピングの速さも大切ですが、それと同じくらいショートカットキーを使いこなすスキルが必要です。
実際、私はタイピングに関して何か言われることは少ないですが、ショートカットキーを使ってパソコン仕事を行うと「えっ、今の操作どうやったんですか?」と言われます。
●管理人
なるほど。確かに私も同じです。タイピング単体では仕事の速さはあまり変わりませんよね。
●Mさん
そうなんですよね。例えば、人差し指だけを使ってすごい速さでタイプする人がいます。
はっきり言いますが、彼らはタイピングだけ見たら十分に速いです。
しかし、そのような人が仕事を速く処理できないのは、人差し指だけを使うせいでショートカットキーを使えないからです。
つまり正しいタイピング操作でショートカットキーを使いこなせるようになることで、本当に仕事が速くなるんです。
●管理人
はい。私も同感です。ですので、タイピングだけを教えるパソコン講師がいますが、「この人、分かっていないな」と思ってしまいます。
正しいタイピング操作ができるようになって、ショートカットキーも覚えたら仕事はあり得ないほど速くなりますよね。
●Mさん
そうですね。ただ、そういうことを教えてくれる人はなかなかいませんが。(笑)
タッチタイピング(ブラインドタッチ)習得の本当のメリットは疲れにくさ・集中力の維持にあり
●管理人
タッチタイピングを習得することで最もよかったことは何ですか?
●Mさん
これはタイピングの話とは違うように聞こえるかもしれませんが、実はタイピングを習得する本当のメリットは、仕事で疲れにくくなったり集中力を維持できたりする点だと思っています。
それはタッチタイピングを習得すると、姿勢が良くなるからです。
例えば、タッチタイピングができない人は以下の悪循環に陥っていることがあります。
→キーボードを見る
→姿勢が悪くなる(前かがみの姿勢になる)
→背中が丸くなる
→首や腰に疲れがたまる
実は私は腰痛持ちなのですが、タイピングができなかったときは上記の悪循環に陥っていました。
しかし、タイピングを習得してからは腰痛を気にする回数が減りました。(*これは本人の感想のため、医学的な根拠があるわけではありません)
逆にタイピングができるようになって、以下のように疲れがたまりにくくなったように感じます。
→キーボードを見ない
→姿勢が悪くならない(前かがみの姿勢にならない)
→背筋が伸びたままで仕事ができる
→首や腰に疲れがたまりにくい
このように、タイピングができるようになったことで、疲れがたまりにくい状況を作ることができたのです。
その結果、仕事に集中できる時間が増えました。
特に事務仕事の大半はパソコンの前でタイピングをしていました。
そのため姿勢の良し悪しが、身体の疲れに直結していたように思います。
実際は姿勢の悪さが疲れの原因かどうかは分かりませんが、姿勢が悪いと「この姿勢だと腰に悪いのではないか?」や「目の疲れや肩こりが悪化しそう」と思ってしまっていました
そのせいで集中がどうしても途切れてしまいがちだったのです。
そういう意味で、タイピングができるようになり、姿勢が悪くなる原因(タイピング時に背中が丸くなってしまうこと)を排除できたのは、大きかったです。
●管理人
パソコン仕事をする人って、腰痛持ちや肩こりの人って多いですよね。
実際、私もパソコンに頭を近づけて仕事をしている人をみると、首や肩は痛くならないのかなと勝手に心配になります。(笑)
●Mさん
私もです。タイピングができなかった頃は気づかなかったですが、もっと体を労(いた)わって仕事をしてあげたらいいのになと思ってしまいます。
タッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得していなかったらどうなっていたか?
●管理人
もし仮にMさんがタイピングを習得できていなかったら、今頃どうなっていたと思いますか?
●Mさん
多分、何も変わっていなかったと思います。
●管理人
それはなぜですか?
●Mさん
それはタッチタイピングを習得したから、仕事をラクにこなせるようになったのであって、タッチタイピングを習得していなかったら、今の感覚は分からないと思うからです。
ただタイピングができるようになった立場でいえば、タイピングができない人のままでいるのは、ぞっとします。
これだけ仕事の速さに影響を及ぼすスキルを習得していないのは、相当まずいからです。
例えるなら、自転車乗れない人を見て「あ、この人自転車乗れないんだな」と思ってしまう感覚に近いです。
実際、タイピングが遅い人を見ると「タイピング遅いんだな」って思ってしまいますし。
●管理人
私もタッチタイピングができずに、キーボードを見ながらタイプするのは、ぞっとします。自転車の例えもよく分かります。
社会人であれば、タッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得すべき
●管理人
Mさんは、どのような人がタッチタイピングを習得するといいと思いますか?
●Mさん
それはもちろん、社会人でパソコンを使って仕事をする人です。
ただ最近はほとんどの人がパソコンを使って仕事をするので、社会人全員がきちんとタイピングを学ぶといいと思います。
ただ、タイピングだけではなく同時にショートカットキーも学んでほしいと思います。そうすれば、仕事が本当に速くなります。
私もタイピングは得意ではなかったのですが、タイピングとショートカットキーを1ヶ月学んで本当に速くなりましたので。
タイピングができる人の割合は1割もいない
●Mさん
これは私の職場を見て思うことですが、タイピングができる人の割合は1割にも満たないということです。
私が部下のパソコン仕事を見て「おっ、この人はできるな」と感じるのは、1人でした。
それくらいタイピングがしっかり身についている人は少ないのが正直な気持ちです。
●管理人
そうですね。私もそう思います。加えて、私はタイピングができない人で仕事ができる人をみたことがありません。
プロ野球選手で足が遅い人がいないのと同じで、仕事ができる人でパソコン入力が遅い人はいません。
実際、上司のような立場になると、タイピングのような基礎スキルを見て仕事ができる人かどうか見極められることもあります。
●Mさん
タイピングはパソコン仕事の基本なので、それはいい見分け方ですね。
●管理人
タイピングができない人からしたら、たまったものではないですね。(笑)
若者や新入社員こそタイピングを習得してほしい
●Mさん
ただこれは若者にはチャンスだと思います。
タイピングが遅いおじさんは多いので、周囲にタイピングが速い人いない新入社員はタイピングを学んで仕事ができる評価をもらってほしいですね。
●管理人
そうですね。タイピングの重要性に気づいている人は多くないので、ぜひ新入社員の人にはタイピングができるようになって仕事で評価をもらってほしいです。
タッチタイピング習得に必要な3つのポイント
●管理人
タッチタイピングを習得するためにはどのように練習すればいいでしょうか?
●Mさん
はい。タッチタイピング習得には3つのポイントがあります。
ポイント1|タイピングソフトで1ヶ月練習する
ポイント2|指だけではなく手首や肩などの身体全体を使う
ポイント3|環境を活用する
●管理人
詳しく教えてください。
ポイント1|タイピングソフトで1ヶ月練習する
●Mさん
タイピングソフトで練習するのが最も良い方法です。
ただ注意してほしいのは、1ヶ月は練習を継続することです。そして、「1日3時間を1週間ごとにやる」とまとめてやるのではなく、「毎日10分を1ヶ月やる」のがポイントです。
●管理人
それはなぜですか?
●Mさん
1度に頭に入る量は決まっているからです。それよりもコツコツやって少しずつ上達していくのが賢明です。
実際、私も毎日コツコツ練習していました。3週目あたりで指の可動域が広がったことに気づいたときは嬉しかったですね。
「自分は成長しているんだな」と感じることができたので。
●管理人
他に気にしておくべき点がありますか?
●Mさん
記録を付けることです。これは途中で挫折するのを防ぐためです。
ログを付けておくと、「ここまで頑張ってきたから、あと10日頑張ろう」と思えるものです。
ですので、無料タイピングソフトでも記録を残せるものを選ぶといいと思います。
●管理人
他にもありますか?
●Mさん
頭で覚えるのではなく、身体で覚えることです。まずは頭で動きを覚えて、後は身体が勝手に動くようになるまで反復練習です。
これはギターやピアノのような楽器を練習したことがある人は分かると思います。
頭で考えなくても、手が勝手にタイピングできるようになったら合格です。
ポイント2|指だけではなく手首や肩などの身体全体を使う
●Mさん
タイピング初心者ほど指に意識がいきがちです。それはタイピングが指だけで行うものだと考えているからです。
しかし、大切なのは手首や鎖骨を上手に使うことです。
例えば、タイピングが上手い人ほど指だけでタイピングしていません。手首、腕、肘、肩の動きも使います。
実際、指の動きだけでタイピングしようとすると、可動域が広がらず上手くタイピングできません。
しかし手首を上手く使えば、小指でEntetキーを押すのは苦ではありません。
●管理人
そうですね。指だけに意識を向けると、キーボード全体をカバーできないですね。
●Mさん
私もタイピングが上手い人の動きを生で見たときは、身体全体を使ってタイピングするんだなとびっくりしました。
ぜひタイピングが上手な人の動きは見ておいた方がいいです。
●管理人
そうですね。記事には動画を載せておくようにします。
以下で、タイピングのプロである達人養成塾の小川さんの動画を載せますので、ぜひ一度タイピングのプロの動きを見てみることをお勧めします。
ポイント3|環境を活用する
●Mさん
最後に一番大切な事として継続があります。
特に無料のタイピングソフトだと途中でやらなくなる人は多いです。
そのため、飽きっぽい人はお金を出して自分を追い込むのも良い方法だと思います。実際2000円払うだけでも気持ちの入り方が変わります。
また、タッチタイピングの講座があれば、それに参加するのもありです。
実際、私もタイピングを習得しようとしている人がいる環境に身をおきました。
もちろん1人で出来るのであれば、それが良いのですが、私は面倒になりがちな人なので、環境に飛び込みました。
結果的にタイピングを習得できたので、参加してよかったです。
●管理人
本やウェブサイトを読んでやる気を高めるのはどうでしょうか? 価値はありますか?
●Mさん
ゼロではないです。ただ一回見たら十分です。本やウェブサイトを読んでも速くなりません。
とにかく練習です。良いお手本を見て練習です。
練習を継続できないなら、環境に飛び込むことです。
あと、タッチタイピングだけではなくショートカットキーも同時に覚えると仕事が一気に速くなるので、ぜひチャレンジしてほしいですね。
●管理人
本日は大変貴重な話を聞かせていただきありがとうございました。
タッチタイピングができる人になるために1ヶ月間練習しよう
いかがだったでしょうか。タッチタイピング習得の現実に関するインタビューをお伝えしました。
Mさんもお話されていましたが、タッチタイピング習得は1ヶ月集中して練習することが重要です。
そして、タイピングをお手本を見ながら、継続的に毎日10分コツコツ練習するのが大切です。
逆に、1日集中してタイピング練習をするのは、あまり効果的とは言えません。
練習すれば、その瞬間はできるような気になるかもしれません。しかし次の日になると、できなくなっています。
これは、受験勉強の一夜漬けのようなものです。その瞬間は暗記できるかもしれませんが、それでは本当に実力は身につきません。
それよりも、どのような問題であっても解答できる真の実力を手に入れる方が効果的です。
ぜひコツコツとトレーニングをしてタイピングができる人になってほしいと思います。
続かない人は自分で環境を作ろう
Mさんもお話されていましたが、タイピング練習を継続したいけれど、なかなか続かな人も少なくありません。
そのような人はこちらの無料教材で練習してみることをお勧めします。
私やMさんは、有料でパソコンのタイピング速度アップ講座にチャレンジしましたが、こちらの無料教材でも十分に学べます。
ぜひ一人だと継続が難しい人は試してみてほしいと思います。
タイピングは速くなれば、仕事はグッと速くなります。ぜひタイピングを身につけて仕事を速くこなせるようになりましょう。