仕事をしていると、「この人の仕事に頼みたくないな」と感じることがあります。
このように感じる理由はシンプルで、相手の仕事の質が低いからです。
実際、作成した資料を見てみるとデータが間違っていたり支離滅裂な文章を書いていたりします。
このとき、一度や二度のミスなら仕方ありません。しかしそのようなミスが積み重なると、いづれ仕事を頼まれなくなります。
最終的に、周囲からの評判が下がり仕事ができない人として評価されてしまいます。
そこで仕事で信頼できない人にならないために、その特徴から信頼を得るために必要な方法まで紹介していきます。
目次
この人の仕事は信頼できないと思った事例
私が会社で仕事をしていたとき、必ずミスをする先輩社員がいました。
正直言って、この人と仕事をするのは嫌だといつも感じていました。
その理由は、一緒に仕事をすると、作成した資料が間違いだらけだったり支離滅裂な文章を書いたりするからです。
当然ですが、資料にミスがあれば修正が必要です。
本心では、別の人に仕事をお願いしたい気持ちがあります。しかし、そのような人と仕事をせざるを得ないもの事実です。
ただ、その人に修正の依頼をしても、その修正が不完全なことが多くありました。つまり、修正の意図を理解してくれないのです。
例えば、製品スペックを記載したドキュメントの修正をしたときです。
その先輩社員に記載修正をお願いしたのですが、3種類の修正をお願いしました。
そして、1週間後に修正された資料が送られてきたのですが、3箇所しか修正されていなかったのです。
私は「3種類の修正をお願いした」のであって、3箇所ではありませんでした。
しかも、3箇所の修正に1週間かかったのかと愕然としました。
正直、これ以上お願いするのがムダだと思い、自分で全て修正することにしました。
それから、その人と仕事をするときは修正箇所を全てポストイットを付けて渡すようにしたのです。
ただ、この人に修正をお願いしても、本当に修正されたのか不安でしかたありません。
そのため、修正結果をこちらで全て確認する必要があります。
このようなことを続き、その人に仕事を依頼するのが私のストレスになっていったのです。
最終的に、「なぜ修正依頼をする必要があるのか?」と分からなくなっていきました。
そこで上司にお願いして、他の人にお願いするようにしたのです。
このように仕事が信頼できない人と自分の仕事が増えるだけでなくストレスにもなります。
ここでは、事例をお伝えしました。以下でさらに詳しく仕事が信頼できない人について紹介していきます。
仕事が信頼できない人の5つの特徴
仕事が信頼できない人には特徴があります。
特に以下の5つは、私が仕事をする中で感じてきたことです。
特徴2|すぐに忙しいと言う
特徴3|仕事を仕組み化できない
特徴4|ゴールを理解できていない
特徴5|いつまでも自己流で成長しない
一つずつ説明していきます。
特徴1|資料の精度が低い
信頼できない仕事の特徴の一つに資料の精度があります。
資料の精度とは、単語の使い方や資料の分かりやすさのことです。
例えば、社外用の文書を作成するとき、「○○したり××したりする可能性があります」と記載するとします。
しかし、「○○したり××したり」は口語なので、社外用の文章にはそぐわない場合があります。社外用の文章は文語だからです。
もし記載するなら、「○○だけでなく××の可能性もございます」のような表現にするのが望ましいです。
また、誤字脱字が多かったり伝わらない文章を書いたりします。
このように、資料の精度が低い人は信頼できない仕事をする人が多いです。
特徴2|すぐに忙しいと言う
仕事が信頼できない人ほど「忙しい」と言います。
しかし、多くの人は忙しくありません。緊急の仕事があれば話は別ですが、それは滅多に起こるものではありません。
実際、多くの人は時間通りに昼ごはんをとっているはずです。
さらに言えば本当に忙しい場合、忙しい原因に対策を講じているはずです。
忙しい状態をそのままにしていることが信頼できる仕事をしているとは言えないのです。
「自分の仕事が忙しい」ことを伝える人は、相手から「頑張っているね」と言ってもらうことが目的であることが多いです。
人に仕事を依頼するのが上手な人ほど、これを逆手に取り相手をほめることで人を動します。
特徴3|仕事を仕組み化できない
信頼できない仕事をする人は、仕事を仕組み化できません。
例えば、信頼できない仕事をする人に「資料の保管場所を教えてほしい」とお願いしたとします。
しかし信頼できない仕事をする人ほど、すぐに資料が出てきません。
それは、資料がどこに何の資料があるのかを把握していないからです。
その原因は、管理フォルダ内のファイル保管のルールを決めていないからです。
資料をどのフォルダに管理するのか決めていなかったり、資料名称を規則性のあるものにしていなかったりするのです。
ここではフォルダ管理を事例にしましたが、仕事を信頼できない人は仕事を効率的に進めるための仕組み化を考えていません。
目の前の仕事を終わらせることだけに集中し、次に同じ仕事をすることを想定していないのです。
特徴4|ゴールを理解できていない
仕事が信頼できない理由に、ゴールを理解したりイメージしたりできていないことがあります。
そのため、何が重要か理解しておらず仕事を終わらせるのが遅いです。
例えば、プレゼン資料作成ではゴールを理解している人とそうでない人で時間のかかり方が大きく変わります。
ゴールを理解できていない人は、長い時間をかけて資料を作成します。
なぜなら、余計な情報を入れようとするからです。
例えば、資料の結論が「製品Aを使うべき」と言いたいとします。
このとき、ゴールを理解している人は製品Bや製品Cの良いところを伝える必要はないことを分かっています。
そのため、製品Aの良さを伝えるために、製品Bや製品Cの情報を最低限記載するのです。
つまり製品Bや製品Cを引き立て役として使います。
しかし、ゴールを理解できていない人ほど、製品Bや製品Cの情報を詳細に説明しようとします。
このようにゴールをイメージできていないと、余計な仕事をしてしまうのです。
その結果、無駄な作業に時間を使ってしまいます。
特徴5|いつまでも自己流で成長しない
仕事を自己流で進める人は成長しないので、信頼される仕事がこなせるようになりません。
なぜなら今の自分の力だけでなんとかしようとするからです。
例えば仕事を進めるとき、自分の知識だけで完結できることは少ないです。
自分だけでは判断できなかったり分からなかったりする部分は人に聞きながら決めていく必要があります。
また自己流で仕事を進ようとする人ほど成長が見られません。
それは、自己流で仕事を進めるため新しいやり方を知るチャンスを失うからです。
その結果、同じミスを繰り返すのです。このように、仕事を自己流で進める人は成長しないので、周囲から信頼を得られません。
もし専門家と呼ばれる人とつながりがない場合、信頼されていない証拠です。
実際、仕事が出来る人はできる人同士でつながっているものです。もし、その輪に入れていないなら、信頼できる人でないことを暗に示していると言えます。
仕事で信頼できる人とはどのような存在か?
ここまで、仕事が信頼できない人についてお伝えしてきました。
それでは仕事で信頼できる人とはどのような人のことでしょうか。
それは「この人はすごい」と思われることです。
このとき、「この人はすごい」という言葉には以下の3つの要素があります。
要素2|知識の深さ
要素3|相手への思いやり
それでは一つずつ解説していきます。
要素1|仕事の早さ
仕事が早い人ほど信頼を得やすいです。その理由は、仕事のアウトプットが早いほど依頼者のハードルが低いからです。
例えば、相手に仕事を依頼したとき、本来3日で終わる仕事が1日で提出したらどうでしょうか。
「この人は仕事が早い」と感じるはずです。それは、3日でやることをたった1日で仕上げてきたからです。
つまり、想定していた基準をはるかに上回っているのです。
このとき、仕上げた仕事にいくつかミスがあっても問題ありません。
残り2日あるので、仕事を依頼した側からすれば十分にリカバリーできると思うからです。
逆に仕事のアウトプットが締切ギリギリだったらどうでしょうか。
相手は「締切ギリギリだから、ほぼ完成に近いものを提出してくるに違いない」と思ってしまいます。
そのため、どれだけ良い資料を出しても「当然」としか思われないのです。
このように、仕事が早いほど相手の求めるレベルを下げることができ、評価を高めることができるのです。
したがって、早さを意識するのは信頼を得るために有効です。
要素2|知識の深さ
知識の深さも重要です。なぜなら、知識の深い人を見るとすごいと思うからです。
例えば製品開発を進めることを考えます。このとき、商品知識に詳しいとそれだけで多くの人から質問されます。
それは知識が深い人に聞けば参考になる情報をたくさん得られると思うからです。
実際、ビジネスでは知識が深い人にはお金を払って仕事を依頼します。
例えば、翻訳業務は分かりやすいです。英語が苦手な人が翻訳できる人を見ると「すごい」と感じます。
これは翻訳者が自分が知らないレベルで英語を扱うことができるからです。
このように知識の深い人を見るとすごいと感じるのです。
要素3|相手への思いやり
相手への思いやりとは、相手に応じてやり方を選択できることです。
例えば相手が知りたいことを読み取り最小限の説明にしたり、相手の知識レベルに応じて説明する順番を変えたりします。
場合によっては、「伝えない」という選択ができます。
例えば、予備校の先生を考えると分かりやすいです。
様々なレベルの生徒に対して、それぞれの生徒に応じて説明を自在に変えることができます。
このような先生を見ると、「すごい」と人気になります。
このように相手の質問の意図を読み取り、相手が行動できるように伝えることが相手への思いやりです。
状況を読み臨機応変に対応する力なので、本当の意味ですごい人です。
信頼できる人になるために3つの方法を意識して行動する
ここまで、「この人はすごい」と思われる人の3つの要素についてお伝えしてきました。
しかし、要素だけ分かったところで行動につながらなければ意味がありません。
例えば東大に合格するための要素が分かっても、それだけで合格できるようにはなりません。
合格できるように具体的に勉強する必要があるのです。
それは仕事で信頼できる人になるのも同じです。信頼を得られるように行動しなければ信頼を得られる人にはなれません。
それでは、その3つの要素を高めるためには具体的にどのような行動をすればいいのでしょうか。
実は、仕事が信頼できる人になるためにやることはシンプルです。それは以下の3つです。
方法2|仕事を仕組み化する
方法3|論理と感情を使い分ける
以下でそれぞれ説明していきます。
方法1|専門家になり実績を作る
信頼できる人になるためには専門家になり実績を作ることが大切です。
なぜなら実績のある専門家であれば、何も言わなくても信頼されるからです。
黙っていても仕事の依頼が来ます。例えば、社内で法律に詳しい人がいるとします。
そのような人は商品を上市(市場に出す)に必要な仕事をするとき、必ず名前で指名が入ります。
実際に私の経験であったのが、会議である商品の法律の話題になったとき、「これはAさんに相談して決めよう」となりました。
しかも、その会議にAさんは出席していませんでした。
このように会議に出席していないにも関わらず、「専門家として相談すべき」という意見が出たら、信頼されている証拠です。
したがってこのように専門家になり実績を作れば、嫌でも信頼されるようになります。
方法2|仕事を仕組み化する
上述の通り、仕事では早さが大切です。そして仕事を早くするためには、仕事を仕組み化しておくことが重要です。
なぜなら仕事を仕組み化できれば、次に同じ仕事がきたときすぐに終わらせることができるからです。
つまり時間を取られずに仕事ができるので、周りが驚くような早さで仕事のアウトプットが出せるのです。
例えば、コールセンターは仕組み化の例として分かりやすいです。
実際、コールセンターでは一度された質問とその答えをデータベースとして管理しています。
したがって同じ質問がきたとき、すぐに回答が出せるようになっているのです。
これにより迅速な回答ができ、顧客に満足してもらえるような対応ができるのです。
このように仕事の早さを維持するためには、仕組み化が大切です。
方法3|論理と感情を使い分ける
仕事で信頼を得るためには、論理と感情を分けることが大切です。
なぜなら、円滑なコミュニケーションには論理と感情を使い分ける必要があるからです。
例えば、仕事で「この仕事のやり方を教えてほしい」と質問されたとします。
この質問の背景を考えると「仕事を進めたいけど、どのような順番で作業を進めればいいのかわからない」と予測できます。
そのため、仕事の進め方を論理的(順序よく)に説明すればスムーズなコミュニケーションが可能です。
一方で、「この仕事のやり方で本当に大丈夫なの?」と質問されたとします。
この質問の背景を考えると「これでいいか不安だから、安心させてほしい」と予測できます。
そのため、「○○で確認をとりましたが、問題ありませんでした」というように感情的に安心するメッセージを伝える必要があります。
このように相手の質問に応じて、論理と感情を分けて対応すると円滑にコミュニケーションをとることができます。
このような使い分けができると、この人は「自分のことをわかってくれる」という印象を持ってくれます。
その結果、信頼できる人になれるのです。
もう一度まとめると、仕事が信頼できる人になるためにやることは以下の3つです。
方法2|仕事を仕組み化する
方法3|論理と感情を使い分ける
信頼できる人になるための第一歩
これから信頼される人になりたいなら、最初に手を付けるのは仕事を仕組み化し早さを上げることです。
なぜなら、仕事を仕組み化し早さを上げないと知識を増やすことができないからです。
知識が低ければ、当然臨機応変に説明を変えることもできません。
わかりやすく書けば、信頼できる人になるためには以下の関係を理解する必要があるのです。
↓
人と同じ時間でできる仕事が増え、知識が増える
↓
人に応じて説明を切り替えることができる
↓
信頼される人になる
そのため、まずは仕事の早さを上げるために仕組み化をするのです。
早さが上がれば仕事をたくさんこなして経験を積むことができます。
また、早く仕事を行うことのはそこまで難しいことではありません。
いきなり知識を増やせと言われても難しいですが、分からなくてもいいからやってみることはできます。
そうすれば、足りていない知識が何かを理解することができます。結局、仕事を早くこなすことが大切なのです。
仕事を早くこなるためのコツは以下で紹介しています。ぜひ合わせて読んでみてください。
ぜひ信頼を得られる人になり、新しい仕事やチャレンジングな案件に呼ばれる人材になってほしいと思います。