中小企業で働いていたり個人事業主として仕事をしていたりする人の中には、以下の経験をしたことがある人も少ないはずです。
・エクセルでの事務作業が多い
・システムが完備されていなくて、非効率な事務作業をしている
・効率的なシステムがなくて困っている
・システム会社との意思疎通ができず、困っている
このようになってしまうのは、中小企業は大企業と異なりシステムなどの設備が整っていないからです。結局、中小企業で働くと自身で書類を作成したり、計算式を作ったりする必要が生じるのです。
そのため、そのような仕事は担当者の事務処理能力によって作業効率が大きく変わってしまいます。
このような経験をしている人にとって、大きく役に立つのがエクセルVBAというシステムです。
エクセルマクロVBAは、特にIT設備が整っていないことが多い中小企業勤務の方であれば絶大な効果を発揮します。
そこで、今回は中小企業勤務の方がエクセルVBAを覚えるべき5つの理由について解説していきます。
目次
中小企業勤務者や個人事業主がエクセルVBAを覚えるべき5つの理由
中小企業勤務の人がエクセルマクロVBAを覚えると良い理由は以下の5つです。
No | 理由 |
1 | 事務作業を飛躍的に効率化できるため |
2 | 他の社員との差別化が図れ、年収を上げることができるため |
3 | コストがゼロで好きなシステムを作れるため |
4 | 幅広い年収で活用できるため |
5 | 効率化スキルの中では比較的簡単に取得できる |
それでは、以下で詳しく説明していきます。
理由1|作業を飛躍的に効率化できる
エクセルVBAを覚えると事務作業が飛躍的に効率的になります。エクセルVBAは様々な工程や計算式の入力を自動的に処理してくれ、時間のかかるルーチンワークをボタン一つで終わらせることができるためです。
例えば、以下のようなことを自動化できます。
・1枚ずつ請求書を発行している
・ピポットテーブルや関数を使って複雑な計算をしている
・他のシートからコピーしてペーストするという作業を繰り返している
上記の作業はVBAを駆使することによって下記のとおり改善されます。
[After]
・様式に入力してボタンを押すだけでまとめて請求書が発行できる
・ボタン一つで計算ができる。
・ボタン一つでまとめてコピペができる
上記のように毎日繰り返しやらなければいけないルーチンワークがある人はVBAを覚えることで仕事をラクにできるようになります。
実際、毎日数十分から数時間かかっている仕事をものの数分、下手すれば数十秒で終わらせることも可能となります。
例えば、私が体験したケースは約5~6時間かかっていた作業を1分程度で終わらせたというケースがあります。
作業内容は「1万件あるデータを統計し、所定の様式に当てはめて1枚10件計1000枚の帳票を印刷する」というものでした。
この作業は毎月発生していたので、年間換算にすると約50~60時間かかる計算となります。
以前は上司がやっていた仕事でした。しかし、統計をするだけで2時間、帳票を印刷するのに2~3時間以上の時間がかかっていました。
そのため、これをエクセルVBAを使い「ボタンを押すだけで自動的に統計を行い、印刷もすべて自動でできるシステム」を作成したのです。
最初のコードを作成するのに30分程度かかりましたが、その後はボタンを押すだけで自動的に統計され印刷も自動的にできるシステムになりました。
上記の作業はごく一部の話ですが、この他にも多数のVBAシステムの導入により、大幅に業務時間を改善することができました。
このようにエクセルVBAを覚えると事務作業を劇的に効率化できるのです。
理由2|他の社員との差別化が図れ、年収を上げることができる
エクセルVBAを覚えることによって、他の社員との差別化が図れ社内になくてはならない存在になれます。結果的に、評価が上がり年収アップが可能になります。
エクセルを利用している人は多いのですが、優秀な人でも関数が利用できる程度です。しかし、VBAを利用できる方はそう多くはありません。
実際、せいぜいシステムエンジニアの経験がある方は別として一般の事務員が利用できるケースは少ないでしょう。
しかも、中小企業のIT導入は大企業と比較しても遅れています。
2016年に全国中小企業取引振興協会が実施した中小企業・小規模事業者の経営課題に関するアンケート調査では下記の結果が出ました。
中小企業はほとんどの企業がITを活用しきれておらず、非効率な事務作業を行っているということです。
逆に言えば、中小企業はITを使いこなせる人材を欲しがっているのです。つまり、もしあなたがエクセルVBAを学び使いこなせることができれば、社内でオンリーワンの人材になれるということです。
実際に、その職場では社員が30名弱いる中小企業でしたが、エクセルVBAを利用できるのは私のみでした。
特に私の職場は年齢層が高かったので、エクセルの関数もまともに利用できていない方が多くVBAの存在すら知らない人が9割いました。
そのような職場でVBAを覚えた結果、下記のような変化が現れました。
VBAを覚える前 | VBAを覚えた後 |
エクセルでの仕事依頼はほとんどなかった | エクセルを利用した仕事を頼まれる機会が多くなり、評価があがった |
システム会社へのコストは年間300万円程度かかっていた。 | システム会社へのコストは年間0~100万円程度に減少した |
社内ではすべてシステム会社のシステムを使っていた | 社内では自作のVBAシステム8割、システム会社のシステム2割の比率になり、大幅に業務スピードが改善した。 |
このようにエクセルVBAは他の社員との差別化を図ることができ、評価を高めることができるスキルです。高い評価をもらえば以下のことが自ずとついてきま洲。
・役職が上がる
・発言力を持つことができる
結果的に、社内での自分の立ち位置を確たるものにすることができます。
逆に以下の状況にいる限り、仕事で高い評価を得ることは難しいといえます。
・専門性が高くない仕事をやっている
・自分の代わりはいくらでもある
エクセルVBAをマスターすれば、あなたにしかできない仕事を創ることができ、社内での評価も高まることは間違いないでしょう。
理由3|コストがゼロで好きなシステムを作れる
VBAはエクセルさえあればすぐに試すことができるため、実質的な開発費用はゼロです。そのため、あなたが欲しいシステムをいつでも自作することができます。
中小企業の場合は特に予算に余裕がなかったり、上司の理解を得ることができなかったりと新しいシステムを導入するのに苦労することがあります。
・新しいシステムを導入したは良いが結局誰も利用できない
上記の経験はしたことがある人も少ないはずです。
いくら新しいシステムといえども、他人がつくっているプログラムですので、効率的に利用できないのはある意味当たり前のことです。
企業が100あれば100通りその企業に適したシステムがあるので、どんなシステムでも完全に企業に適するケースというのは少ないのです。
それではどうすれば良いのでしょうか。答えは簡単で、自分で好きなシステムを作ってしまえばよいのです。
エクセルVBAであればかかる費用はゼロなので、わざわざ上司に許可を取る必要もありません。そしてシステムを作成するのは自分なので、自分が本当に欲しいシステムや自社が本当に欲しがっているシステムをつくることができます。
外注のためにシステム会社との長い打ち合わせは必要ありません。効率的なシステムを活用できれば、企業の生産性も上がります。
VBAは手軽にコストゼロでつくれるので、中小企業の社員にとっては大きな武器となるでしょう。
理由4|幅広い業務で活用できる
エクセルVBAは総務、経理などの事務の業種はもちろん営業などにも利用でき、幅広い職種で活用できます。実際に、職種ごとのVBA活用方法について見ていきます。
経理職の場合
経理の場合、以下のような業務でマクロを使えます。
・損益分岐点や利益率など経営指標を瞬時に求めることができる
・会計帳簿を自前で作成できる
・売掛債権、支払債務を簡単に把握できる
エクセルVBAを利用すると関数よりも複雑な計算式を作成することができます。しかも、関数と異なり、エクセルシートが重くなることも原則としてありません。
そのため、複雑な計算式を取り扱う経理職の方にはエクセルマクロこそ適しているスキルといえます。
総務職の場合
総務の場合、以下のような業務でマクロを使えます。
・顧客管理の効率化
・自動的にアドレスを封筒に印字する
・自前で様々な管理帳簿が作成できる
・効率的な書類作成ができる
・送り状のバックアップを取ることができ、管理がしやすくなる
このようにエクセルVBAは計算をするだけではなく、書類の効率的な作成や出力作業にも大きく役に立ちます。
営業職の場合
営業の場合、以下のような業務でマクロを使えます。
・プレゼンテーション資料を素早く作成できる
・業務に係るニュースをリアルタイムでインターネットから抽出し、顧客先との雑談で利用できる
・過去の顧客の取引データを効率的に抽出する
エクセルVBAならインターネットから情報収集もでき、データを収集するのにも適しています。そのため、効率的な営業活動するのに役に立ちます。
このようにエクセルVBAはどのような職種の方でも活用でき、汎用性が高いスキルであるといえます。
特に中小企業の社員の場合は経理と総務をこなしたり、営業と総務をこなしたりしながら、複数の職種についている人も少なくありません。
そのようなときにエクセルVBAを活用すれば、効率的に業務を行うことができるようになるのです。
上記の例はほんの一部の紹介です。実際にエクセルVBAをマスターすれば、上記よりも幅広い活用方法でご利用できます。
他にも「こういったことはできるのかな?」「こういったシステムを作りたいんだけどできる?」といったご質問にもお答えできますので、こちらのお問い合わせフォームからご質問ください。
理由5|効率化スキルの中では比較的カンタンに習得できる
VBAは実はプログラム言語としては簡単な分類に入り、プログラムの経験がない方でも学べる言語となっています。
なぜなら、エクセルVBAのプログラムはエクセルの関数と非常に似ており、関数を使える方なら内容を理解しやすい言語になっているためです。
実際、VBAのコードを見てみると英語の羅列が書いてあり、「なんか難しそう」「とっつきにくい」「関数で手いっぱい」と感じる人も少ないはずです。
しかし、実際にコードを学び始めてみるとそこまで難しくありません。
実際に私はエクセルVBAを学び始めたときは、プログラム言語は全くの初心者でエクセルの関数を使える程度のものでした。
しかし、1日1時間程度学習し、2か月程度でバックアップや出力がVBAでできるようになりました。
そして半年程度で統計やグラフの作成ができるようになり、1年程度で自分のやりたいことを9割方VBAでできるようになりました。
ただし、VBAを勉強しながら実務で活かしていったので、実際にVBAに触れている時間は1日1時間より少し多かったです。
私がVBAを学んできた経験を通じて、VBAは一番最初が一番難しいです。
事実、私は英語の羅列にアレルギー反応を示してしまい、「こんなの無理だ!」と思いました。そのため、学習にとりかかるまでに少し時間がかかってしまいました。
しかし、学習を始めてみると、「あれ? 思ったより簡単だ!」と思ったのが正直な感想です。最初にすんなりと入っていければ、仕事で使えるレベルに達するのは時間の問題です。
このように、VBAはプログラムの経験がない人でも学べことができるスキルなのです。
まずは無料動画で勉強を始めてみよう
ここまで中小企業で働く人ほどエクセルマクロVBAを覚えるといい5つの理由についてご説明してきました。まとめると以下の通りです。
No | 理由 |
1 | 事務作業を飛躍的に効率化できるため |
2 | 他の社員との差別化が図れ、年収を上げることができるため |
3 | コストがゼロで好きなシステムを作れるため |
4 | 幅広い年収で活用できるため |
5 | 効率化スキルの中では比較的簡単に取得できる |
ここまでお伝えしてきた内容で、エクセルVBAは中小企業の社員にとって役に立つスキルであることを理解できたはずです。
しかし、勉強してみようと思っても、以下のようなカベに当たります。
・講座で勉強してみたいがどの講座を見ればよいかわからない
・参考書を見たけれども難しくて何が書いてあるかわからない。
実際にVBAを勉強しようとした人なら、上記のカベに一度は当たったことがあるはずです。
そのような人には、こちらの無料講座がお勧めです。わかりやすくエクセルVBAについて説明しており、初心者にも好評です。
こちらは無料なので、これからエクセルVBAを学んでみたいと考えているならお勧めです。
ぜひ、エクセルマクロを学んで仕事を効率的に終わらせる方法を身につけてほしいと思います。