エクセルシート内の情報を画像、図形、テキストボックスを削除する作業があります。例えば、以下のシートの画像をすべて削除するとします。
このとき、一つ一つの画像、図形、テキストボックスをマウスでクリックすれば、削除することができます。
これをすべての画像、図形、テキストボックスで行えば、全てを削除可能です。
この作業は削除したい対象が10,20程度であれば、1分もあれば作業が完了します。
しかし数が増えると、大変な作業になってしまいます。また、消してはいけない画像を消してしまうリスクもあります。
そこで、マクロで図形、画像、テキストボックスを削除するときの効率的な方法を紹介します。
目次
オブジェクト(画像,図形,テキストボックス)を全て削除する|マクロ無
マクロの方法を紹介する前に、ショートカットキーを使ってオブジェクトを削除する方法を紹介します。
ここで紹介するオブジェクトとは、「画像、図形、テキストボックスなど」を指しています。
具体的には、以下の方法で削除可能です。
[2] セル選択(S)をクリックする
[3] オブジェクト(B)を選択して「OK」をクリックする
[4] オブジェクトがすべて選択された状態になる
[5] [Delete]ボタンを押すと、オブジェクトがすべて削除される
具体的には、以下で紹介します。
[1] [Ctrl + G] (「ジャンプ」のショートカットキー)を押す
全ての画像、図形、テキストボックスが貼り付けられているエクセルシートを開きます。
そして、そのエクセルシートを開いた状態で、[Ctrl + G] (「ジャンプ」のショートカットキー)を押します。
すると、以下のダイアログが出現します。
[2] セル選択(S)をクリックする
セル選択(S)をマウスでクリックします。ショートカットキー( [Alt + S] )でも可能です。
[3] オブジェクト(B)を選択して「OK」をクリックする
以下の画面の「オブジェクト(B)」を選択します。ショートカットキー( [Alt +B] )でも可能です。
そして、「OK」をクリックします。
[4] オブジェクトがすべて選択された状態になる
[3]でOKを押すと、以下のようにすべてのオブジェクトが選択された状態になります。
[5] [Delete]ボタンを押すと、オブジェクトがすべて削除される
全てのオブジェクトが選択された状態で、[Delete]ボタンを押すと、全てのオブジェクトが削除されます。
このようにマクロを使わなくても、すべてのオブジェクトを削除することが可能です。
オブジェクト(画像,図形,テキストボックス)を全て削除する|マクロ有
以下のマクロを使って全てのオブジェクト(画像、図形、テキストボックス)を削除するには、以下のプログラムを使います。
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Sub Delete_Allshapes() '''操作しているエクセルシート上の全ての図形を削除する ActiveSheet.DrawingObjects.Delete End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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'''操作しているエクセルシート上の全ての図形を削除する ActiveSheet.DrawingObjects.Delete End Sub |
一番上に存在しているエクセル上のオブジェクトを削除(とりあえずオブジェクトであれば、すべて削除の対象になります)
セル指定範囲内のオブジェクト(画像,図形,テキストボックス)を削除
オブジェクト(画像、図形、テキストボックス)を選択して削除するには、以下のプログラムを使います。
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Sub Delete_Selectedshapes() '''エクセルシート上で選択した範囲内の全ての図形を削除する Dim myShape As Shape Dim myRange As Range, selectRange As Range For Each selectRange In Selection For Each myShape In ActiveSheet.Shapes Set myRange = Range(myShape.TopLeftCell, myShape.BottomRightCell) If Not (Intersect(myRange, selectRange) Is Nothing) Then myShape.Delete End If Next Next End Sub |
このマクロは、事前に消去したいオブジェクトが貼り付けられている場所を選択しておきます。
選択された場所にオブジェクトが存在していれば、削除されます。選択された場所にオブジェクトが存在していなければ、削除されません。
マクロ使用前
選択領域を赤枠で示しました。この赤枠に入っている画像を削除します。
マクロ使用後
このマクロVBAのプログラムの注意点
選択領域に入っているかどうかは、画像の一部が選択領域に入っていれば削除の対象です。具体的には、以下の例を参考にしてください。
選択領域として判定される場合(削除される場合)
例1
例2
例3
選択領域として判定されない場合(削除されない場合)
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Selectedshapes() '''エクセルシート上で選択した範囲内の全ての図形を削除する Dim myShape As Shape Dim myRange As Range, selectRange As Range End Sub |
myShapeをshape型で定義
myRangeとselectRangeをRange型で定義
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For Each selectRange In Selection For Each myShape In ActiveSheet.Shapes Set myRange = Range(myShape.TopLeftCell, myShape.BottomRightCell) If Not (Intersect(myRange, selectRange) Is Nothing) Then myShape.Delete End If Next Next End Sub |
1行目|エクセルシート状で選択されたセルをfor each構文で一つずつチェックする
2行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
3行目|2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
4行目|もし、選択されたセルとオブジェクトが存在するセルが交差するなら
5行目|画像を削除する
6行目|end if
7行目|2行目に対応するnext
8行目|1行目に対応するnext
特定のオブジェクト(画像,図形,テキストボックス)のみ選択削除する
特定オブジェクト(画像、図形、テキストボックス)を選択して削除するには、以下のプログラムを使います。
画像、図形、テキストボックスについてそれぞれの場合を紹介します。
画像のみ削除する方法
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「画像」を削除する If myShape.Type = msoPicture Then myShape.Delete End If Next End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「画像」を削除する If myShape.Type = msoPicture Then myShape.Delete End If Next End Sub |
2行目|myShapeをshape型で定義
3行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
4行目|コメントアウト2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
5行目|もし、選択されたオブジェクトがmsoPicture(画像)なら
6行目|画像を削除する
7行目|end if
8行目|3行目に対応するnext
図形のみ削除する方法
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes 'エクセルシート上で「図形」を削除する If myShape.Type = msoAutoShape Then myShape.Delete End If Next End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes 'エクセルシート上で「図形」を削除する If myShape.Type = msoAutoShape Then myShape.Delete End If Next End Sub |
2行目|myShapeをshape型で定義
3行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
4行目|コメントアウト2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
5行目|もし、選択されたオブジェクトがmsoAutoShape(図形)なら
6行目|画像を削除する
7行目|end if
8行目|3行目に対応するnext
テキストボックスのみ削除する方法
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes 'エクセルシート上で「図形」を削除する If myShape.Type = msoAutoShape Then myShape.Delete End If Next End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes 'エクセルシート上で「テキストボックス」を削除する If myShape.Type = msoTextBox Then myShape.Delete End If Next End Sub |
2行目|myShapeをshape型で定義
3行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
4行目|コメントアウト2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
5行目|もし、選択されたオブジェクトがmsoTextBox(テキストボックス)なら
6行目|画像を削除する
7行目|end if
8行目|3行目に対応するnext
特定のオブジェクト(画像,図形,テキストボックス)「以外」を選択削除する
特定オブジェクト(画像、図形、テキストボックス)以外を選択して削除するには、以下のプログラムを使います。
画像以外をすべて削除する方法
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「画像」を削除する If myShape.Type <> msoPicture Then myShape.Delete End If Next End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「画像」を削除する If myShape.Type <> msoPicture Then myShape.Delete End If Next End Sub |
2行目|myShapeをshape型で定義
3行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
4行目|コメントアウト2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
5行目|もし、選択されたオブジェクトがmsoPicture(画像)ではないなら
6行目|画像を削除する
7行目|end if
8行目|3行目に対応するnext
図形以外をすべて削除する方法
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「画像」を削除する If myShape.Type <> msoAutoShape Then myShape.Delete End If Next End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「画像」を削除する If myShape.Type <> msoAutoShape Then myShape.Delete End If Next End Sub |
2行目|myShapeをshape型で定義
3行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
4行目|コメントアウト2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
5行目|もし、選択されたオブジェクトがmsoAutoShape(図形)ではないなら
6行目|画像を削除する
7行目|end if
8行目|3行目に対応するnext
テキストボックス以外をすべて削除する方法
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「テキストボックス」以外を削除する If myShape.Type <> msoTextBox Then myShape.Delete End If Next End Sub |
マクロ使用前
マクロ使用後
マクロVBAのプログラムの説明
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Sub Delete_Specifiedshapes() Dim myShape As Shape For Each myShape In ActiveSheet.Shapes ''エクセルシート上で「テキストボックス」以外を削除する If myShape.Type <> msoTextBox Then myShape.Delete End If Next End Sub |
2行目|myShapeをshape型で定義
3行目|一番上にあるエクセルシートのオブジェクトを一つずつチェックする
4行目|コメントアウト2行目でセットしたオブジェクトが存在するセルの場所を選択する
5行目|もし、選択されたオブジェクトがmsoTextBox(テキストボックス)ではないなら
6行目|画像を削除する
7行目|end if
8行目|3行目に対応するnext
マクロを実務で使うための設定方法
ここまでエクセル上のオブジェクトを削除する方法について紹介してきました。
大量のオブジェクト(画像、図形、テキストボックス)を一気に削除したいなら、マクロを使うとラクになります。
もし、マクロの使い方・始め方が分からないのであれば、以下で紹介していますので参考にしてください。
エクセルマクロを自分用に編集アレンジして使いたいなら
この記事では、オブジェクト削除のマクロについて紹介しました。ここで紹介したマクロを利用すれば、作業の自動化が可能になります。
しかしデメリットもあります。それはカスタムできないことです。
なぜなら、色々な要望が増えるからです。
例えば、「もっと○○ができるのでは?」や「ここはなんとかならないのか」と感じる人は少なくないはずです。
もしかすると、「他の条件を付け加えたい」という要望が出るかもしれません。
このような要望を満たすには、マクロを勉強して自力でマクロを編集できるようになる必要があります。
もし、自力でマクロを編集できるようになれば、今より仕事の効率はグッと上がります。
実際、私も自力でマクロを書けるようになってからは、仕事の生産性が一気に上がりました。
他の人が30分~1時間かけて行う仕事が、ボタン一つで終わらせることができるようになったのです。その結果、周囲からの信頼も増し、仕事で高い評価を得られるようになりました。
ただ、要望に応えるようになるためには、マクロを学ぶ必要があります。
まずは無料でマクロを勉強してみる
ウェブや書籍で勉強すれば、マクロを習得できると考えている人は少なくありません。
しかし、仕事で使えるマクロを習得したいなら、仕事で使える部分に特化した教材で学ぶことをお勧めします。
なぜなら、ウェブや書籍には仕事に関係しない部分まで提供していることが多いからです。
例えば、マクロ初心者なのに配列を学ぼうとする人がいます。実は配列なしでも仕事で使えるマクロを書くことは可能です。
しかし、マクロ初心者ほど「全ての知識が必要だ」と考えて、無駄な学習に時間を使ってしまうのです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
そこで、私がお勧めするのは仕事に直結するマクロ教材です。とくにお勧めするのは、こちらの無料オンライン動画です。
なぜなら、仕事に直結する部分に絞って、エクセルマクロを学ぶことができるからです。
マクロの作り方・考え方から解説しているので、教材をしっかり学べばここで紹介したマクロをゼロから書けるようになります。
マクロ初心者が、仕事に直結したいマクロを学ぶなら、まずはこちらの無料オンライン動画を試すのがいいです。
興味がある人は、まずは無料でエクセルマクロの勉強を始めてみてください。
もっと学びたいと感じたら、さらに深く勉強をしてみることをお勧めします。