VBAでChatworkのメッセージを取得し、エクセルに書き出すVBAプログラムを紹介します。
・VBAプログラム入りのエクセルをダウンロード可能
それでは以下で詳しく紹介していきます。
目次
VBAでChatworkの通知メッセージを取得しエクセルに出力
このページでは、「Chatworkのメッセージを取得してエクセルに書き出すVBAプログラム」を紹介します。
このプログラムの使用手順は以下のとおりです。
手順1. ChatworkのAPI TOKENを取得
手順2. Chatworkメッセージを取得したいROOMのIDを入力
手順3. エクセルにヘッダーを入力
手順4. VBAプログラムを実行
以下で使い方の手順を紹介します。
手順1. ChatworkのAPI TOKENを確認
セルB2にChatworkにAPI TOKENを入力します。
こちらのchatworkにアクセスし、以下の手順でAPI TOKENを確認します。もしAPI TOKENを持っていない場合は、API TOKENを作成します。
2. 「サービス連携」をクリック
3. 「API Token」をクリック
4. 「パスワード」を入力
5. 「表示」をクリック
6. 「API Token」を取得
上記の手順でエクセルにAPI TOKENを入力します。
このAPI TOKENがないとChatworkとの連携ができませんので、設定が必要です。
もしAPI TOKENについてよく分からない人がいるのであれば、こちらのChatworkのページをご覧ください。
手順2. Chatworkメッセージを取得したいROOMのIDを入力
今回のメッセージを通知したいroom(channel)のIDをセルB3に入力します。
→「227462111」をセルB2に入力必要情報は上記の「rid」の後の数値です。ここでは「227462111」です。
このようにメッセージ通知したいchatworkのチャンネルをクリックしてURLをチェックして、情報を調べます。
手順3. エクセルにヘッダーを入力
エクセルにヘッダーを入力します。このページの事例では、Chatworkメッセージの内、差出人(name)、メッセージ本文(body)、日付(send_time)をそれぞれ取得します。
2. B列:差出人(メッセージを送信した人)の名前
3. C列:メッセージ本文
4. D列:メッセージを送信した日付
今回は上記の4つをエクセルに書き出すプログラムにしています。
しかしChatwork APIを通じて取得できるメッセージ情報はこれだけではありません。
以下でChatwork APIを通じて取得できるメッセージ情報について補足します。
Chatwork APIを通じて取得できる情報
Chatwork APIを通じて取得できるメッセージ情報は以下のようなJSON型で取得できます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 |
{ "message_id":"メッセージID", "account":{ "account_id":アカウントID, "name":"名前", "avatar_image_url":"アバター写真" }, "body":"本文", "send_time":メッセージ通知した日付(unix time), "update_time":編集した日付(unix time) } |
上記の情報を分析すれば、この事例で取得する情報以外も取得可能です。
なお本事例では「name(名前)」、「body(本文)」、「send_time(メッセージ通知した日付(unix time))」の3つを取得します。
手順4. VBAプログラムを実行
手順1~手順3の作業が完了したら、VBA(マクロ)を実行します。
VBAを実行すると、Chatworkの指定したroomのメッセージをエクセルに書き出します。
なお、Chatwork APIの性質上、メッセージは直近100コまでしか取得できません。
そのため、メッセージを全て取得したい場合は、定期的に取得するなどの対策が必要です。
ボタンにVBAプログラムを登録する方法
本ページではVBAプログラムをボタンに登録しています。
ボタンにVBAプログラムを登録することで、ボタンを押下しプログラムを実行することができます。
ボタンをVBAプログラムを設定したい場合は、以下で動画も交えて設定方法を紹介しているので、そちらをご覧ください。
それでは、以下でプログラムについて詳細を説明します。
VBA入りのエクセルファイルをダウンロード
以下で紹介しているVBAプログラムをそのまま使いたい人は、以下のフォームからダウンロードできます。
登録したメールアドレスへVBA入りのファイルを送信します。
本プログラムの内容をそのまま使用可能です。ぜひお仕事にお役立てください。
VBA作成前の2つの準備
ExcelでVBAを使うためにはいくつかの準備が必要です。
具体的には以下です。
準備2. 「Microsoft XML v6.0」の参照設定を変更
上記の2つに関して、以下で説明します。
準備1. ExcelでVBAを使うための事前準備
Excelで、以下の2つの準備をします。
2. 開発タブを追加
保存ファイルの拡張子変更、Excelの基本設定変更の2つです。
2つともで難しい作業はなく、それぞれ1分もあれば設定変更可能です。
上記に関しては、以下の記事で解説をしています。
もしVBAを使うための準備段階に不安がある人は上記をご覧ください。
この内容は以下の動画で紹介しています。
入門エクセルマクロの使い方|マクロ作成から実行までを徹底解説
文字や画像だけで分かりづらい人は上記の動画をご覧ください。
準備2. 「Microsoft XML v6.0」の参照設定を変更
エクセルVBAでChatworkにメッセージを送信するために、VBAの設定を変更しておく必要があります。
実はVBAのデフォルト設定の場合、メール送信操作はできません。
参照設定を変更することで、Chatworkにメッセージ送信が可能になります。
参照設定の変更手順は以下のとおりです。
手順2. 「参照設定」を選択
手順3. 「Microsoft XML v6.0」にチェックを入れる
手順4. OKをクリック
手順を以下で説明します。
上記の設定をしていないと、本事例で紹介しているChatworkのメッセージ通知は動作しません。必ずチェックを入れるようにします。
それでは、以下でプログラムについて詳細を説明します。
VBAのプログラムソース解説
今回紹介するプログラムの概要は以下です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 |
'プログラム0|変数設定の指定 Option Explicit 'プログラム1|プログラム開始 Sub GetChatworkMessages() 'プログラム2|シート設定 Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1") 'プログラム3|APIトークンを設定 Dim apitoken As String apitoken = ws.Range("B2").Value 'プログラム4|取得するルームのIDを設定 Dim roomid As String roomid = ws.Range("B3").Value 'プログラム5|取得するルームのIDを設定 Dim chatworkurl As String chatworkurl = "https://api.chatwork.com/v2/rooms/" + roomid + "/messages?force=1" 'プログラム6|HTTPリクエストでデータ取得 Dim objHTTP As XMLHTTP60 Set objHTTP = New XMLHTTP60 With objHTTP .Open "GET", chatworkurl .setRequestHeader "Content-Type", "application/x-www-form-urlencoded" .setRequestHeader "X-ChatWorkToken", apitoken .send End With 'プログラム6|リクエストに対してサーバーからテキストがなければプログラム終了 If objHTTP.responseText = "" Then Exit Sub End If 'プログラム7|リクエストに対してサーバーからテキストを取得 Dim strresult As String strresult = objHTTP.responseText 'プログラム8|正規表現を使った置換の下準備(プログラム9の準備) Dim re As Object Set re = CreateObject("VBScript.RegExp") re.Pattern = "\\u([a-fA-F0-9]{4})" re.Global = True re.IgnoreCase = True re.MultiLine = True 'プログラム9|ユニコードエスケープされた文字を日本語に変換 Dim mc As Object, m As Object, s As Variant Set mc = re.Execute(strresult) For Each m In mc For Each s In m.submatches strresult = Replace(strresult, "\u" & s, ChrW("&h" & s)) Next Next 'プログラム10|取得したチャットワークメッセージを分割 Dim i As Long, k As Long Dim x() As String x = Split(strresult, "{""message_id""") 'プログラム11|チャットワークのメッセージごとにエクセルに書き出す Dim n1 As Long, n2 As Long, n3 As Long, n4 As Long, n5 As Long, n6 As Long Dim send_time As Long, body As String, name As String, d As Date For i = LBound(x) To UBound(x) If InStr(x(i), """name"":""") > 0 Then ws.Range("A6").Offset(k, 0).Value = k + 1 n1 = InStr(x(i), """name"":""") n2 = InStr(x(i), """,""avatar_image_url""") name = Mid(x(i), n1 + 8, n2 - n1 - 8) ws.Range("B6").Offset(k, 0).Value = name n3 = InStr(x(i), """body"":""") n4 = InStr(x(i), """,""send_time"":") body = Mid(x(i), n3 + 8, n4 - n3 - 8) ws.Range("C6").Offset(k, 0).Value = Replace(body, "\n", vbCrLf) n5 = InStr(x(i), """send_time"":") n6 = InStr(x(i), ",""update_time"":") send_time = Mid(x(i), n5 + 12, n6 - n5 - 12) ws.Range("D6").Offset(k, 0).Value = CDate(((send_time + 32400) / 86400) + 25569) k = k + 1 End If Next 'プログラム11|オブジェクト解放 Set objHTTP = Nothing 'プログラム12|プログラム終了 End Sub |
このページでは細かい説明は省略します。
上記のプログラムの中でメモを記載しているので、そちらで大まかな流れをご確認ください。
特筆すべき事項のみ以下に記載します。
プログラム5|取得するルームのIDを設定
1 2 3 4 |
'プログラム5|取得するルームのIDを設定 Dim chatworkurl As String chatworkurl = "https://api.chatwork.com/v2/rooms/" + roomid + "/messages?force=1" 'chatworkurl = "https://api.chatwork.com/v2/rooms/" + roomid + "/messages?force=0" |
ここではchatworkurl = “https://api.chatwork.com/v2/rooms/” + roomid + “/messages?force=1“としています。
この数値は1と0を選択することが可能です。
・https://api.chatwork.com/v2/rooms/” + roomid + “/messages?force=0:直近のメッセージを1件取得
上記の違いがありますが、ここでは直近メッセージを1件だけ取得しても効率化の効果は低いため、100件取得するプログラムを組んでいます。
プログラム11|チャットワークのメッセージごとにエクセルに書き出す
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 |
'プログラム11|チャットワークのメッセージごとにエクセルに書き出す Dim n1 As Long, n2 As Long, n3 As Long, n4 As Long, n5 As Long, n6 As Long Dim send_time As Long, body As String, name As String, d As Date For i = LBound(x) To UBound(x) If InStr(x(i), """name"":""") > 0 Then ws.Range("A6").Offset(k, 0).Value = k + 1 n1 = InStr(x(i), """name"":""") n2 = InStr(x(i), """,""avatar_image_url""") name = Mid(x(i), n1 + 8, n2 - n1 - 8) ws.Range("B6").Offset(k, 0).Value = name n3 = InStr(x(i), """body"":""") n4 = InStr(x(i), """,""send_time"":") body = Mid(x(i), n3 + 8, n4 - n3 - 8) ws.Range("C6").Offset(k, 0).Value = Replace(body, "\n", vbCrLf) n5 = InStr(x(i), """send_time"":") n6 = InStr(x(i), ",""update_time"":") send_time = Mid(x(i), n5 + 12, n6 - n5 - 12) ws.Range("D6").Offset(k, 0).Value = CDate(((send_time + 32400) / 86400) + 25569) k = k + 1 End If Next |
Chatwork APIで取得したメッセージはJSON型となっていますが、VBAではJSONを上手く処理する方法は実装されていません。
ただしこちらのVBA-JSONでJSONをきれいに処理する方法が紹介されています。
これを使うことも可能なのですが、ここでは使用していません。
なぜなら、VBA-JSONはサードパーティーのファイルをダウンロードする必要があるからです。
ダウンロードそのものが手間であること、会社によってはサードパーティーのファイルをダウンロードすることが難しい場合があるため、ここではVBA-JSONは使用しない方法を採用しています。
その結果、かなりゴリ押しでプログラムを処理するような形になっています。
ここは改善の余地があると感じますので、ぜひご自身でトライしてみていただければと思います。
Excel VBAについて詳しく理解したいなら
VBAを活用すると、仕事を効率化できる幅を広げることができます。
たとえば私が実際にVBAを活用して効率化してきた作業は以下の記事で紹介しています。
興味がある人は以下の記事もご覧ください。
動画でも解説しています。
エクセルマクロVBAで出来ることを15の事例で紹介|日常業務をラクにするヒントを見つけよう!
(音声が小さいので、ボリュームを上げてご覧いただければと思います)
VBAの勉強方法
私はプログラミング初心者からVBAを勉強を始めて少しずつレベルアップしていきました。
成長の過程は以下で紹介しています。
学習の過程では、意識すべきポイントがあります。
特に独学の場合だと、勉強を優先してしまい、肝心な実践を疎かにしがちです。
私の経験では、実践から逆算した勉強が必要だと考えています。
目指すべきは会社でお金をもらいながら勉強することです。
要はVBAを仕事の一つとして上司に認めてもらうのです。
そうすればわざわざ高いお金を払って勉強をする必要がなくなります。
しかも作業を自動化して、会社やチームに貢献しつつ、自らのスキルアップできます。
そのために必要な考え方を以下で紹介しています。
とはいえ、プログラミング初心者でVBAについて知識ゼロの人もいるはずです。
いきなり会社でVBAで使うことさえ、とてつもなくハードルが高く見えてしまうものです。
その場合は、VBAの基本について学ぶ必要があります。
たとえば車の運転も慣れてしまえば、たいしたことではありません。
しかし教習所で運転の基本を学び、免許を取得することで、公道で運転できるようになります。
VBAも同じです。VBAに免許はありませんが、まずは基本を学ばないことには会社で使えるレベルにはなりません。
実際に私もプログラミング初心者のときは、動画を見たり書籍を読んだりして勉強しました。
今はオンラインの教材で無料で学習できるものも多いです。
上記のリンクでは、私の経験から勉強にオススメの教材を紹介しています。
興味がある人はご覧ください。
VBAを自分で書けるようになる
さて、本記事で紹介したマクロを利用すれば、作業の自動化が可能になります。
しかしデメリットもあります。それはカスタムできないことです。
なぜなら、色々な要望が増えるからです。
この動画を見たとき、「もっと○○ができるのでは?」や「ここはなんとかならないのか」と感じる人は少なくないはずです。
例えば、「他の条件を付け加えたい」や「日付毎に条件を変えたい」といった要望が出るかもしれません。
このような要望を満たすには、マクロを勉強して自力でマクロを編集できるようになる必要があります。
もし、自力でマクロを編集できるようになれば、今より仕事の効率はグッと上がります。
実際、私も自力でマクロを書けるようになってからは、仕事の生産性が一気に上がりました。
他の人が30分~1時間かけて行う仕事が、ボタン一つで終わらせることができるようになったのです。
その結果、周囲からの信頼も増し、仕事で高い評価を得られるようになりました。
ただ、要望に応えるようになるためには、マクロを学ぶ必要があります。
まずは無料でマクロを勉強してみる
ウェブや書籍で勉強すれば、マクロを習得できると考えている人は少なくありません。
しかし、仕事で使えるマクロを習得したいなら、仕事で使える部分に特化した教材で学ぶことをお勧めします。
なぜなら、ウェブや書籍には仕事に関係しない部分まで提供していることが多いからです。
例えば、マクロ初心者なのに配列を学ぼうとする人がいます。実は配列なしでも仕事で使えるマクロを書くことは可能です。
しかし、マクロ初心者ほど「全ての知識が必要だ」と考えて、無駄な学習に時間を使ってしまうのです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
そこで、私がお勧めするのは仕事に直結するマクロ教材です。とくにお勧めするのは、こちらの無料オンライン動画です。
なぜなら、仕事に直結する部分に絞って、エクセルマクロを学ぶことができるからです。
マクロの作り方・考え方から解説しているので、教材をしっかり学べばここで紹介したマクロをゼロから書けるようになります。
マクロ初心者が、仕事に直結したいマクロを学ぶなら、まずはこちらの無料オンライン動画を試すのがいいです。
興味がある人は、まずは無料でエクセルマクロの勉強を始めてみてください。
もっと学びたいと感じたら、さらに深く勉強をしてみることをお勧めします。