VBAを使うとダイアログからフォルダ選択して、そのフォルダに含まれるファイル名を取得することができます。
今回は、ダイアログで選択したフォルダ内のファイルをエクセルへ表示するプログラムを紹介します。
・ダイアログの選択をキャンセルしたらプログラムを終了
・VBA入りのエクセルファイルをダウンロード可能
それでは以下で詳しく紹介していきます。
目次
VBAでダイアログからフォルダ選択してファイル名を取得・表示
今回は以下の手順でダイアログからファイル名を取得するプログラムを作っていきます。
手順1. エクセルを開く
手順2. VBAプログラムを実行
以下で詳しく説明していきます。
手順1. エクセルを開く
エクセルファイルを開きます。
この事例では、A列にNo、B列にファイル名、C列に拡張子を出力していきます。
手順2. VBAプログラムを実行
VBAを実行します。
そうすると、フォルダを選択するダイアログが出現します。
2. OKをクリック
上記の作業を行います。これによりダイアログからフォルダを選択することができます。
フォルダを選択すると、そこに含まれるファイルをエクセルに表示します。
ボタンにVBAプログラムを登録
上記の画像では、VBAプログラムをボタンに登録しています。
ボタンにVBAプログラムを登録することで、ボタンを押下しプログラムを実行することができます。
ボタンをVBAプログラムを設定したい場合は、以下で動画も交えて設定方法を紹介しているので、そちらをご覧ください。
VBA入りのエクセルファイルをダウンロード
以下で紹介しているVBAプログラムをそのまま使いたい人は、以下のフォームからダウンロードできます。
登録したメールアドレスへ「VBAプログラムが含まれたエクセル」を送信します。
本プログラムの内容をそのまま使用可能です。ぜひお仕事にお役立てください。
それでは、以下でプログラムについて詳細を説明します。
VBA作成前の2つの事前準備
ExcelでVBAを使うためにはいくつかの準備が必要です。
具体的には以下です。
2. フォルダを扱うための事前準備
上記の2つに関して、以下で説明します。
1. ExcelでVBAを使うための事前準備
Excelで、以下の2つの準備をします。
2. 開発タブを追加
保存ファイルの拡張子変更、Excelの基本設定変更の2つです。
2つともで難しい作業はなく、それぞれ1分もあれば設定変更可能です。
上記に関しては、以下の記事で解説をしています。
もしVBAを使うための準備段階に不安がある人は上記をご覧ください。
この内容は以下の動画で紹介しています。
入門エクセルマクロの使い方|マクロ作成から実行までを徹底解説
文字や画像だけで分かりづらい人は上記の動画をご覧ください。
2. フォルダを扱うための事前準備
この事例ではフォルダを操作するために、FileSystemObjectを活用します。
FileSystemObjectを使用する場合、VBAの参照設定を変更しておく必要があります。参照設定とは、機能拡張させることです。
FileSystemObjectを使用するために以下の参照設定を変更します。
これでフォルダやファイルの情報を取得することができるようになります。
設定方法の詳細は以下のページで紹介しています。
VBAのプログラムソース解説
今回紹介するプログラムの概要は以下です。
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'プログラム0|変数宣言の指定 Option Explicit 'プログラム1|プログラム開始 Sub GetFoldersFilesNamewithDialog() 'プログラム2|FileSystemObjectの設定 Dim fs As Scripting.FileSystemObject Set fs = New Scripting.FileSystemObject 'プログラム3|シート設定 Dim ws As Worksheet Set ws = Worksheets("Sheet1") 'プログラム4|ダイアログを開いてフォルダ選択 Dim path As String With Application.FileDialog(msoFileDialogFolderPicker) If .Show = True Then path = .SelectedItems(1) End If End With 'プログラム5|選択したフォルダが存在するかどうかチェック If fs.FolderExists(path) = False Then MsgBox "フォルダを選択してください" Exit Sub End If 'プログラム6|フォルダを取得 Dim basefolder As Scripting.Folder Set basefolder = fs.GetFolder(path) 'プログラム7|フォルダ内のファイルを取得 Dim myfiles As Scripting.Files Set myfiles = basefolder.Files 'プログラム8|変数設定 Dim i As Long Dim myfile As Scripting.File 'プログラム9|フォルダ内のファイルを取得 For Each myfile In myfiles i = i + 1 ws.Range("A1").Offset(i, 0).Value = i ws.Range("B1").Offset(i, 0).Value = fs.GetFileName(myfile) ws.Range("C1").Offset(i, 0).Value = fs.GetExtensionName(myfile) Debug.Print fs.GetBaseName(myfile) Next 'プログラム10|オブジェクト解放 Set myfile = Nothing Set myfiles = Nothing Set basefolder = Nothing Set fs = Nothing 'プログラム11|プログラム終了 End Sub |
以下で詳しく説明しています。
プログラム0|変数宣言の指定
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Option Explicit |
「Option Explicit」とは、変数宣言を強制するためのものです。
予期しないエラーを防止できるため「Option Explicit」を入力することを習慣化することを推奨しています。
詳しい説明は以下のページで紹介しています。
プログラム1|プログラム開始
1 |
Sub GetFoldersFilesNamewithDialog() |
「Sub GetFoldersFilesNamewithDialog()」のプログラムを開始することを意味します。
VBAではプロシージャという単位でプログラムを呼び出します。
プロシージャの構文は下記となっています。
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Sub プロシージャ名() '実行プログラム End Sub |
「Sub」で始まり「End Sub」で終わります。
「Sub XXXX」の「XXXX」の部分がプロシージャ名です。
このプロシージャ名はあらゆる文字(アルファベット、ひらがな、漢字、数字など)が使用可能です。
ただし、プロシージャ名の先頭は数字を入れるとエラーとなります。
あとで見たときに、「何のプログラムだったのか?」とならないようにするためです。
なお、「()」の中には何も記入されていません。これは引数なしという意味です。なお、プログラム2-1では引数を受け取ってプログラムを実行します。
初心者の内は、引数ということが分からなくてもVBAプログラムを書くことは可能です。
興味があれば、「VBA 引数」で検索して調べてみてください。
プログラム2|FileSystemObjectの設定
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Dim fs As Scripting.FileSystemObject Set fs = New Scripting.FileSystemObject |
FileSystemObjectは、ファイルやフォルダを操作するときに使うオブジェクトです。
本事例ではFileSystemObjectをfsという変数として扱います。
変数fsは定義するだけではなく、「Set fs = New Scripting.FileSystemObject」と記入して使えるようになります。
これを忘れてしまうことが多いので、注意が必要です。
FileSystemObjectに関する注意点
参照設定にて、Microsoft Scripting Runtimeを設定に入れておく必要があります。
設定を忘れると動作しませんので、事前に設定を変更しておく必要があります。
なお、FileSystemObject以外にもフォルダを操作する方法はあります。しかしFileSystemObjectを使えば、ファイルとフォルダを両方操作できるので、覚えることが少なくて済みます。
細かいことを覚えるのが面倒な人は、ファイルやフォルダを操作するときはFileSystemObjectを使うと覚えておくといいです。
FileSystemObjectについては以下で詳しく説明していますので、ご覧ください。
プログラム3|シート設定
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Dim ws As Worksheet Set ws = Worksheets("Sheet1") |
変数wsをWorksheet(ワークシート)型で定義し、Excelのシート「Sheet1」を設定します。
プログラム4|ダイアログを開いてフォルダ選択
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Dim path As String With Application.FileDialog(msoFileDialogFolderPicker) If .Show = True Then path = .SelectedItems(1) End If End With |
2. OKをクリック
上記の作業を行います。これによりダイアログからフォルダを選択することができます。
この時点でpathには以下の値を格納されています。
Debug.Printでの検証結果
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Dim path As String With Application.FileDialog(msoFileDialogFolderPicker) If .Show = True Then path = .SelectedItems(1) End If End With Debug.Print path >>>D:\Website_パソコンスキルの教科書\305_VBA_フォルダ\14_VBAでダイアログでファイル名を取得\VBA\Folder |
これで選択したフォルダパスを変数pathとして取得することができました。
キャンセルした場合、変数path=””で空欄扱い
キャンセルボタンを入力した場合、変数pathは空欄扱いになります。
このようにキャンセルを選択した場合を考慮して、次のプログラムで選択したフォルダが存在するかどうかを検証します。
プログラム5|選択したフォルダが存在するかどうかチェック
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If fs.FolderExists(path) = False Then MsgBox "フォルダを選択してください" Exit Sub End If |
プログラム4のダイアログで選択した対象がフォルダでないときは、メッセージ表示してプログラムを終了させます。
選択したフォルダが存在していれば、プログラム5はスキップされます。
if文については以下で事例を使って説明していますので、そちらをご覧ください。
プログラム6|フォルダを取得
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Dim basefolder As Scripting.Folder Set basefolder = fs.GetFolder(path) |
変数basefolderをScripting.Folderとして扱います。
「Set basefolder = fs.GetFolder(path)」で、basefolderにpath(プログラム4)で設定したフォルダパスを設定します。
これでpathに保管されているファイルを取得できるようになります。
プログラム7|フォルダ内のファイルを取得
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Dim myfiles As Scripting.Files Set myfiles = basefolder.Files |
この事例では、上記のフォルダをpathとして取得しています。
pathで指定したフォルダに存在するファイルをmyfilesというコレクションとして取得します。
プログラム8|変数設定
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Dim i As Long Dim myfile As Scripting.File |
変数設定します。
プログラム9|フォルダ内のファイルを取得
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For Each myfile In myfiles i = i + 1 ws.Range("A1").Offset(i, 0).Value = i ws.Range("B1").Offset(i, 0).Value = fs.GetFileName(myfile) ws.Range("C1").Offset(i, 0).Value = fs.GetExtensionName(myfile) Next |
「For each」でpathで指定したフォルダ内に含まれるフォルダを一つずつ取得していきます。
取得したファイル情報として以下を出力します。
B列:ファイル名(拡張子あり)
C列:ファイル拡張子(xlsx, docxなど)
なお、以下のプログラムでファイル名(拡張子なし)を取得できます。
拡張子なしでファイル名を取得|fs.GetBaseName(ファイル)
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For Each myfile In myfiles Debug.Print fs.GetBaseName(myfile) Next >>>code >>>Excel >>>newtext >>>Word |
こちらを採用することも可能です。
プログラム10|オブジェクト解放
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Set myfile = Nothing Set myfiles = Nothing Set basefolder = Nothing Set fs = Nothing |
フォルダとファイルに関するオブジェクトを解放します。
VBAの場合、このプログラムがなくてもエラーは表示されません。
しかし今後、他のプログラミング言語を学んでいくと、この解放作業が求められることは少なくありません。
そのため、お作法として身に着けておくことをお勧めします。
プログラム11|プログラム終了
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End Sub |
プログラム1と対になるプログラムで、プログラム終了させるための記述です。
「End Sub」を読み込むと、プログラムが終了します。
プログラムの解説はここまでです。
Excel VBAについて詳しく理解したいなら
VBAを活用すると、仕事を効率化できる幅を広げることができます。
たとえば私が実際にVBAを活用して効率化してきた作業は以下の記事で紹介しています。
興味がある人は以下の記事もご覧ください。
動画でも解説しています。
エクセルマクロVBAで出来ることを15の事例で紹介|日常業務をラクにするヒントを見つけよう!
(音声が小さいので、ボリュームを上げてご覧いただければと思います)
VBAの勉強方法
私はプログラミング初心者からVBAを勉強を始めて少しずつレベルアップしていきました。
成長の過程は以下で紹介しています。
学習の過程では、意識すべきポイントがあります。
特に独学の場合だと、勉強を優先してしまい、肝心な実践を疎かにしがちです。
私の経験では、実践から逆算した勉強が必要だと考えています。
目指すべきは会社でお金をもらいながら勉強することです。
要はVBAを仕事の一つとして上司に認めてもらうのです。
そうすればわざわざ高いお金を払って勉強をする必要がなくなります。
しかも作業を自動化して、会社やチームに貢献しつつ、自らのスキルアップできます。
そのために必要な考え方を以下で紹介しています。
とはいえ、プログラミング初心者でVBAについて知識ゼロの人もいるはずです。
いきなり会社でVBAで使うことさえ、とてつもなくハードルが高く見えてしまうものです。
その場合は、VBAの基本について学ぶ必要があります。
たとえば車の運転も慣れてしまえば、たいしたことではありません。
しかし教習所で運転の基本を学び、免許を取得することで、公道で運転できるようになります。
VBAも同じです。VBAに免許はありませんが、まずは基本を学ばないことには会社で使えるレベルにはなりません。
実際に私もプログラミング初心者のときは、動画を見たり書籍を読んだりして勉強しました。
今はオンラインの教材で無料で学習できるものも多いです。
上記のリンクでは、私の経験から勉強にオススメの教材を紹介しています。
興味がある人はご覧ください。
VBAを自分で書けるようになる
さて、本記事で紹介したマクロを利用すれば、作業の自動化が可能になります。
しかしデメリットもあります。それはカスタムできないことです。
なぜなら、色々な要望が増えるからです。
この動画を見たとき、「もっと○○ができるのでは?」や「ここはなんとかならないのか」と感じる人は少なくないはずです。
例えば、「他の条件を付け加えたい」や「日付毎に条件を変えたい」といった要望が出るかもしれません。
このような要望を満たすには、マクロを勉強して自力でマクロを編集できるようになる必要があります。
もし、自力でマクロを編集できるようになれば、今より仕事の効率はグッと上がります。
実際、私も自力でマクロを書けるようになってからは、仕事の生産性が一気に上がりました。
他の人が30分~1時間かけて行う仕事が、ボタン一つで終わらせることができるようになったのです。
その結果、周囲からの信頼も増し、仕事で高い評価を得られるようになりました。
ただ、要望に応えるようになるためには、マクロを学ぶ必要があります。
まずは無料でマクロを勉強してみる
ウェブや書籍で勉強すれば、マクロを習得できると考えている人は少なくありません。
しかし、仕事で使えるマクロを習得したいなら、仕事で使える部分に特化した教材で学ぶことをお勧めします。
なぜなら、ウェブや書籍には仕事に関係しない部分まで提供していることが多いからです。
例えば、マクロ初心者なのに配列を学ぼうとする人がいます。実は配列なしでも仕事で使えるマクロを書くことは可能です。
しかし、マクロ初心者ほど「全ての知識が必要だ」と考えて、無駄な学習に時間を使ってしまうのです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
そこで、私がお勧めするのは仕事に直結するマクロ教材です。とくにお勧めするのは、こちらの無料オンライン動画です。
なぜなら、仕事に直結する部分に絞って、エクセルマクロを学ぶことができるからです。
マクロの作り方・考え方から解説しているので、教材をしっかり学べばここで紹介したマクロをゼロから書けるようになります。
マクロ初心者が、仕事に直結したいマクロを学ぶなら、まずはこちらの無料オンライン動画を試すのがいいです。
興味がある人は、まずは無料でエクセルマクロの勉強を始めてみてください。
もっと学びたいと感じたら、さらに深く勉強をしてみることをお勧めします。