VBAからslackにメッセージを自動送信するVBAプログラムを紹介します。
・VBAプログラム入りのエクセルをダウンロード可能
それでは以下で詳しく紹介していきます。
目次
VBAでslackにメッセージを送る
このページでは、「slackへメッセージを自動通知するVBAプログラム」を紹介します。
このプログラムの使用手順は以下のとおりです。
手順1. slackのTOKENを取得
手順2. slackメッセージを通知したいchannel IDを入力
手順3. slackメッセージの本文を入力
手順4. VBAプログラムを実行
以下で使い方の手順を紹介します。
手順1. slackのTOKENを確認
こちらの外部リンク(Qiita)に記載があります。
slackのサイトにアクセスし、tokenを作成します。
取得したtokenはセルB2に入力します。
なお、tokenは以下のような値です。
このTOKENがないとslackとの連携ができませんので、設定が必要です。
手順2. slackメッセージを通知したいChannelのIDを入力
今回のメッセージを通知したいChannel IDをセルB2に入力します。
必要情報は上記の「C017G6PQNBG」の部分です。ここでは「C017G6PQNBG」をセルB2に入力します。
このようにメッセージ通知したいslackのchannelのURLをクリックして情報を調べます。
手順3. slackメッセージの本文を入力
slackに通知するメッセージを入力します。
slackでは記法があるので、ここでは「’」([Shift + @] で入力可能)を利用します。
slackのメッセージ記法
今週のタスク
”’
「’」([Shift + @] で入力可能)を3つ囲むことで、メッセージを囲むことができます。
この記法を利用することで、メッセージが目立たせるようにします。
手順4. VBAプログラムを実行
手順1~手順3の作業が完了したら、VBA(マクロ)を実行します。
VBAを実行すると、slackにメッセージを通知します。
ボタンにVBAプログラムを登録する方法
本ページではVBAプログラムをボタンに登録しています。
ボタンにVBAプログラムを登録することで、ボタンを押下しプログラムを実行することができます。
ボタンをVBAプログラムを設定したい場合は、以下で動画も交えて設定方法を紹介しているので、そちらをご覧ください。
それでは、以下でプログラムについて詳細を説明します。
VBA入りのエクセルファイルをダウンロード
以下で紹介しているVBAプログラムをそのまま使いたい人は、以下のフォームからダウンロードできます。
登録したメールアドレスへVBA入りのファイルを送信します。
本プログラムの内容をそのまま使用可能です。ぜひお仕事にお役立てください。
VBA作成前の2つの準備
ExcelでVBAを使うためにはいくつかの準備が必要です。
具体的には以下です。
準備2. 「Microsoft XML v6.0」の参照設定を変更
上記の2つに関して、以下で説明します。
準備1. ExcelでVBAを使うための事前準備
Excelで、以下の2つの準備をします。
2. 開発タブを追加
保存ファイルの拡張子変更、Excelの基本設定変更の2つです。
2つともで難しい作業はなく、それぞれ1分もあれば設定変更可能です。
上記に関しては、以下の記事で解説をしています。
もしVBAを使うための準備段階に不安がある人は上記をご覧ください。
この内容は以下の動画で紹介しています。
入門エクセルマクロの使い方|マクロ作成から実行までを徹底解説
文字や画像だけで分かりづらい人は上記の動画をご覧ください。
準備2. 「Microsoft XML v6.0」の参照設定を変更
エクセルVBAでslackにメッセージを送信するために、VBAの設定を変更しておく必要があります。
実はVBAのデフォルト設定の場合、メール送信操作はできません。
参照設定を変更することで、slackにメッセージ送信が可能になります。
参照設定の変更手順は以下のとおりです。
手順2. 「参照設定」を選択
手順3. 「Microsoft XML v6.0」にチェックを入れる
手順4. OKをクリック
手順を以下で説明します。
上記の設定をしていないと、本事例で紹介しているslackのメッセージ通知は動作しません。必ずチェックを入れるようにします。
それでは、以下でプログラムについて詳細を説明します。
VBAのプログラムソース解説
今回紹介するプログラムの概要は以下です。
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'プログラム0|変数設定の指定 Option Explicit 'プログラム1|プログラム開始 Sub SendSlackMessage() 'プログラム2|ワークシート設定 Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1") 'プログラム3|SlackでメッセージをPOSTするときのURL Dim url As String url = "https://slack.com/api/chat.postMessage" 'プログラム4|Slack APIトークンを設定 Dim token As String token = ws.Range("B2").Value 'プログラム5|Slackの投稿先チャンネルを設定 Dim channel As String channel = ws.Range("B3").Value 'プログラム6|Slackの投稿メッセージを設定 Dim text As String text = ws.Range("B4").Value 'プログラム7|POSTするときに渡すデータを設定 Dim param As String param = "{" param = param + """token"": """ & token & """," param = param + """channel"": """ & channel & """," param = param + """text"": """ & text & """" param = param + "}" 'プログラム8|HTTPリクエストをPOST Dim objHTTP As XMLHTTP60 Set objHTTP = New XMLHTTP60 With objHTTP .Open "POST", url .setRequestHeader "Content-Type", "application/json" .setRequestHeader "Authorization", "Bearer " + token .send (param) End With 'プログラム9|通知状況を出力 If InStr(objHTTP.responseText, """ok"":true,") > 0 Then ws.Range("B5").Value = "通知完了" Else ws.Range("B5").Value = "通知失敗" End If 'プログラム10|オブジェクト解放 Set objHTTP = Nothing 'プログラム11|プログラム終了 End Sub |
それでは、以下でプログラムを詳しく説明していきます。
プログラム0|変数宣言の指定
1 |
Option Explicit |
「Option Explicit」とは、変数宣言を強制するためのものです。
これを入れておくと、変数を定義していない場合、エラーが出ます。
つまり、「Option Explicit」を入力しておくことで、たとえば「Dim i」をあらかじめ入力しないと、「i」という変数を使えません。
もし「Option Explicit」を入力しているのに、「Dim i」を書かずに「i = 1」と書くと、エラーメッセージが表示されます。
実は、この機能はあくまでオプションです。「Option Explicit」を入力しなくても、プログラムは動きます。
しかし、これを入れておくことで、変数の誤記によるエラーを防止することができます。
結果的に、プログラム作成速度が上がるので、「Option Explicit」を入力することを習慣化することをオススメします。
プログラム1|プログラム開始
1 |
Sub SendSlackMessage() |
「Sub SendSlackMessage()」のプログラムを開始することを意味します。
VBAではプロシージャという単位でプログラムを呼び出します。
プロシージャの構文は下記となっています。
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Sub プロシージャ名() '実行プログラム End Sub |
「Sub」で始まり「End Sub」で終わります。
プログラム2|シート設定
1 2 |
Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1") |
「Sheet1」をwsとして設定します。
プログラム3|SlackでメッセージをPOSTするときのURL
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Dim url As String url = "https://slack.com/api/chat.postMessage" |
SlackメッセージをPOSTするURLを設定します。
このurlはプログラム8で使います。
プログラム4|Slack APIトークンを設定
1 2 |
Dim token As String token = ws.Range("B2").Value |
セルB2に入力してあるSlack tokenを取得します。
Slack tokenの取得方法は、このページ上部で紹介しています。
この値はプログラム8で使います。
プログラム5|Slackの投稿先チャンネルを設定
1 2 |
Dim channel As String channel = ws.Range("B3").Value |
セルB3に入力してあるSlackのチャンネルを取得します。
プログラム6|Slackの投稿メッセージを設定
1 2 |
Dim message As String message = ws.Range("B4").Value |
セルB4の値をメッセージの本文を取得します。
Slackへ通知するメッセージは以下の記法を活用することで、メッセージを装飾可能です。
今週のタスクです
ご確認ください。
上記のようなメッセージを通知します。
プログラム7|POSTするときに渡すデータを設定
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Dim param As String param = "{" param = param + """token"": """ & token & """," param = param + """channel"": """ & channel & """," param = param + """text"": """ & text & """" param = param + "}" |
slackのメッセージ通知するためのパラメーターをjsonとして作成します。
今回は以下の3つのパラメーターを設定します。
・token:Slackへ投稿するためのトークン(プログラム4)
・channel:Slackに投稿するチャンネル(プログラム5)
・text:Slackに投稿するメッセージ(プログラム6)
paramを表示すると、以下のとおりになります。
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Dim param As String param = "{" param = param + """token"": """ & token & """," param = param + """channel"": """ & channel & """," param = param + """text"": """ & text & """" param = param + "}" Debug.Print param >>>{"token": "XXXX-XXXXXXXXXXXXXXX-XXXXXXXXXXXXXXX-XXXXXXXXXXXXXXX","channel": "XXXXXXXXXXXXXXX","text": "XXXXXXXXXXXXXXX"} |
なお上記のそれぞれの値は、「XXXXXXXXXXXXXXX」で変換しています。
ここで設定したparamは、プログラム7でPOSTデータとして使用します。
プログラム8|HTTPリクエストをPOST
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Dim objHTTP As XMLHTTP60 Set objHTTP = New XMLHTTP60 With objHTTP .Open "POST", url .setRequestHeader "Content-Type", "application/json" .setRequestHeader "Authorization", "Bearer " + token .send (param) End With |
データをPOSTしてSlackの所定のchannelにメッセージ通知します。
urlはプログラム3、tokenはプログラム4、paramはプログラム7でそれぞれ設定した内容です。
プログラム9|通知状況を出力
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If InStr(objHTTP.responseText, """ok"":true,") > 0 Then ws.Range("B5").Value = "通知完了" Else ws.Range("B5").Value = "通知失敗" End If |
メッセージ通知に成功した場合と、失敗した場合で、以下のとおり「objHTTP.responseText」の表示が変わります。
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Debug.Print objHTTP.responseText >>>成功した場合 >>>{"ok":true,"channel":"C017G6PQNBG","ts":"1620193248.001100","message": ~~~(以下、略)} >>>失敗した場合 >>>{"ok":false,"error":"invalid_json","warning":"missing_charset","response_metadata":{"warnings":["missing_charset"]}} |
通知が成功した場合は、「”ok”:true”」となります。よって、instr関数で「”ok”:true”」が含まれる場合、セルB5は「通知完了」と出力させるようにします。
プログラム10オブジェクト解放
1 |
Set objHTTP = Nothing |
プログラム8で設定したobjHTTPを解放します。
プログラム11|プログラム終了
1 |
End Sub |
プログラム1と対になるプログラムです。プログラム終了させる記載です。
「End Sub」を読み込むと、プログラムが終了します。
プログラムの解説はここまでです。
Excel VBAについて詳しく理解したいなら
VBAを活用すると、仕事を効率化できる幅を広げることができます。
たとえば私が実際にVBAを活用して効率化してきた作業は以下の記事で紹介しています。
興味がある人は以下の記事もご覧ください。
動画でも解説しています。
エクセルマクロVBAで出来ることを15の事例で紹介|日常業務をラクにするヒントを見つけよう!
(音声が小さいので、ボリュームを上げてご覧いただければと思います)
VBAの勉強方法
私はプログラミング初心者からVBAを勉強を始めて少しずつレベルアップしていきました。
成長の過程は以下で紹介しています。
学習の過程では、意識すべきポイントがあります。
特に独学の場合だと、勉強を優先してしまい、肝心な実践を疎かにしがちです。
私の経験では、実践から逆算した勉強が必要だと考えています。
目指すべきは会社でお金をもらいながら勉強することです。
要はVBAを仕事の一つとして上司に認めてもらうのです。
そうすればわざわざ高いお金を払って勉強をする必要がなくなります。
しかも作業を自動化して、会社やチームに貢献しつつ、自らのスキルアップできます。
そのために必要な考え方を以下で紹介しています。
とはいえ、プログラミング初心者でVBAについて知識ゼロの人もいるはずです。
いきなり会社でVBAで使うことさえ、とてつもなくハードルが高く見えてしまうものです。
その場合は、VBAの基本について学ぶ必要があります。
たとえば車の運転も慣れてしまえば、たいしたことではありません。
しかし教習所で運転の基本を学び、免許を取得することで、公道で運転できるようになります。
VBAも同じです。VBAに免許はありませんが、まずは基本を学ばないことには会社で使えるレベルにはなりません。
実際に私もプログラミング初心者のときは、動画を見たり書籍を読んだりして勉強しました。
今はオンラインの教材で無料で学習できるものも多いです。
上記のリンクでは、私の経験から勉強にオススメの教材を紹介しています。
興味がある人はご覧ください。
VBAを自分で書けるようになる
さて、本記事で紹介したマクロを利用すれば、作業の自動化が可能になります。
しかしデメリットもあります。それはカスタムできないことです。
なぜなら、色々な要望が増えるからです。
この動画を見たとき、「もっと○○ができるのでは?」や「ここはなんとかならないのか」と感じる人は少なくないはずです。
例えば、「他の条件を付け加えたい」や「日付毎に条件を変えたい」といった要望が出るかもしれません。
このような要望を満たすには、マクロを勉強して自力でマクロを編集できるようになる必要があります。
もし、自力でマクロを編集できるようになれば、今より仕事の効率はグッと上がります。
実際、私も自力でマクロを書けるようになってからは、仕事の生産性が一気に上がりました。
他の人が30分~1時間かけて行う仕事が、ボタン一つで終わらせることができるようになったのです。
その結果、周囲からの信頼も増し、仕事で高い評価を得られるようになりました。
ただ、要望に応えるようになるためには、マクロを学ぶ必要があります。
まずは無料でマクロを勉強してみる
ウェブや書籍で勉強すれば、マクロを習得できると考えている人は少なくありません。
しかし、仕事で使えるマクロを習得したいなら、仕事で使える部分に特化した教材で学ぶことをお勧めします。
なぜなら、ウェブや書籍には仕事に関係しない部分まで提供していることが多いからです。
例えば、マクロ初心者なのに配列を学ぼうとする人がいます。実は配列なしでも仕事で使えるマクロを書くことは可能です。
しかし、マクロ初心者ほど「全ての知識が必要だ」と考えて、無駄な学習に時間を使ってしまうのです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
そこで、私がお勧めするのは仕事に直結するマクロ教材です。とくにお勧めするのは、こちらの無料オンライン動画です。
なぜなら、仕事に直結する部分に絞って、エクセルマクロを学ぶことができるからです。
マクロの作り方・考え方から解説しているので、教材をしっかり学べばここで紹介したマクロをゼロから書けるようになります。
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もっと学びたいと感じたら、さらに深く勉強をしてみることをお勧めします。