エクセルマクロVBAを勉強するきっかけの一つに「転職や異動で職場環境が変わったから」という理由があります。
転職や異動で職場環境が変わると、周囲の人に比べて自分の作業速度が遅いと感じてしまいます。
そのため、「何とかして、作業速度を上げなくてはいけない」と危機感を覚えるのです。
この記事で紹介する人は、転職して職場環境が激変したことがきっかけでエクセルマクロを習得しました。
そしてエクセルマクロを習得した結果、人より圧倒的な速度で仕事ができるようになってしまい、年収アップだけでなく職場内での確固たる地位を築きました。
エクセルマクロを習得し、仕事を本当の意味で改善できるようになると、これくらいのことが起きてしまいます。
実際、私も年収100万アップしましたし、私の知人の中には年収が200万上がった人もいます。
ただ、何もしないで年収が上がることはありません。実際に、仕事で成果を出して周囲に認めてもらう必要があります。
そこで、エクセルマクロVBAを使ってチームの生産性をあげ、結果として年収アップした人の体験談・経験談をお伝えします。
この記事が、これからエクセルマクロVBA学習を始める人のヒントになればと思います。
※便宜上、取材した人を「Aさん」とし、インタビュアー(私)は「管理人」と表記します。
目次
マクロを学ぶきっかけは部署異動
●管理人
マクロを学ぼうと思ったきっかけを教えていただけませんか?
●Aさん
マクロを学ぶきっかけは職場を変えたことでした。
実は、新卒で入社した企業では金融商品の営業を担当していました。しかし、激務とノルマが厳しくて退職してしまいました。
その後、すぐに団体職員の事務職に転職しました。しかし、営業時代は、事務の仕事はほとんど携わっていませんでした。
ただ、転職先では事務作業のほとんどをエクセルやワードで行っており、仕事に慣れるのが難しかったです。
作業スピードが遅かったことから「何とかしなくては」と思い、まずはエクセルの関数やショートカットから学んでいきました。
関数、ショートカットをマスターすると飛躍的に事務作業の効率があがりました。
事務作業が効率化されてくると「もっと早く帰りたい!」という欲が出てきて、調べたところVBAというプログラムがかなり便利そうだったので、チャレンジすることにしました。
「事務作業を効率化したい」「もっと早く帰りたい」という思いがVBAに取り組むきっかけでした。
マクロを使えるようになり、どのように仕事の進め方が変化したのか?
●管理人
Aさんがマクロを使えるようになって、どのように仕事のやり方が変わったのかをお聞きしてもよろしいでしょうか。
●Aさん
ルーチンワークをほぼすべてVBAを作成して処理するようになりました。
1日20分や30分かかっていた仕事をすべて数分程度で処理できるようになりました。
また、わざわざシステムを外注する必要性がなくなったので、新規事業の立ち上げもスピード感をもってできるようになりました。
社内のシステムも作成しなおし、事務の流れもスムーズになりました。
以前まではシステム会社に外注をしていましたが、システム会社との意思疎通がうまくいっておらず、なかなか希望したシステムを提供してもらえませんでした。
そのため社内のシステムを8割方、私の作成したVBAシステムに置き換えました。
私は各部署の仕事内容を詳細に把握していましたので、各職員がどういうシステムを欲しがっているか、またどういうシステムを作成すれば業務効率が上がるかというのはすでに頭にありました。
事務作業の中で、VBAを利用することによって、内容が重複している作業を省いたり、不要な作業も省くことができました。
自前のシステムのため、仕様変更などもすぐさま対応できるようになり、会社全体の事務の流れが非常にスムーズになりました。
マクロを使えるようになる前は、どのように仕事をしていたか?
●管理人
Aさんはマクロを使って業務効率化をしたわけですが、マクロを使えるようになる前は、どのような仕事をどのようにして進めていましたか?
●Aさん
はい、仕事はいくつかあるのですが、ざっと挙げると以下の通りです。
証明書の発行は1枚づつ手作業でやっていた
一番面倒だったのが、証明書の発行でした。
外注先のシステム会社のシステムを利用していており、非常に非効率なシステムで1枚ずつデータを入力し、発行する必要がありました。
確認を含めると、1枚の発行に20秒以上かかり、それが毎日少なくとも50枚から100枚。
多いときは1,000枚以上の証明書を発行する必要があり、多いときは1日中証明書の発行で、時間がつぶれるということもありました。
証明書は年間5万枚程度発行しなくてはいけなく、単純計算でも50,000枚×20秒=約278時間ほどの時間が証明書の発行だけでとられてしまいました。
インターネットの情報のコピペも手作業でやっていた
仕事柄、インターネットの情報を収集しなくてはいけませんでした
しかし、「一つ一つブックマークに保存して、ページを開いて、必要なデータを抽出して、エクセルに転記する。」という作業をやっており、1週間で1時間程度の時間をとられてしまいました。
請求書などのデータのバックアップをとっていなかった。
請求書や支払明細書、稟議書などの出力帳票はすべて既存の様式に上書きしていました。
そのためバックアップをとっておらず、控えは紙ベースでしか残っていませんでした。
過去のデータを出力しなおすには、また一から入力し直す必要がありました。
マクロを使えるようになって、仕事はどのように変わりましたか?
●管理人
それでは、マクロを使ってどのように業務の進め方は変わりましたか?
●Aさん
はい、簡単にいうと、以下のとおりです。
1枚づつ出力していた証明書をまとめて出力できるようにした
上記の年間50,000枚発行する証明書をまとめてVBAで処理できるようになりました。
既存のシステム会社が作成した出力帳票から、エクセルでの出力帳票に新たに作成し直しました。
他のデータとの連携もできるようになり、証明書1枚1秒以下で発行できるようになりました。
単純計算ですが、年間50,000枚×1秒=約14時間
既存のシステムでは約278時間かかっていたので、278-14=264時間とこのシステムだけで、年間264時間の業務時間削減につながりました。
1日1時間以上削減できている計算となり、かなりのストレスと時間の削減につながりました。
インターネットの情報は自動で指定の時間になったら抽出するようにした
元々パソコンに入っているタスクという機能とVBAを活用し、指定の時間になったら、自動的にインターネットを開き、エクセルにデータを転記するというシステムを作成しました。
最初のコードを作成する以外で時間を取られることはなく、また自動的に抽出できることから幅広いインターネットサイトから情報を抽出できるようにしました。
1週間で1時間かかっていた業務時間がゼロになり、さらに質の高い情報を集めることができるようになりました。
また、集めたあとも自動的に書式が作成されるようにコードを作成したため、だれでも見やすいデータベースが作成できました。
請求書や支払明細書などの出力帳票はすべてバックアップを取るようにした。
出力帳票をすべてバックアップを取るようにしました。
過去のデータを簡単に照会できるようになったほか、売掛債権や未払残高なども簡単に確認できるようになりました。
●管理人
他にも何かありますか?
●Aさん
この他にも取引先との新規事業を実施しているときに「どうやって債権を管理するか」という問題があがってきました。
複雑な計算式や顧客情報などを管理しなければならず、既存のシステムでは前例がありませんでした。
もしVBAを知らなければ、頭を悩ませている問題だったのですが、VBAによって事業に適したシステムを作成することができたため、スムーズに新規事業に取り組むことができました。
1年間で億単位の金を管理しなければいけない新規事業で、責任重大でしたので、VBAを学習していて本当に良かったと思った事例でした。
マクロを書けるようになって何が変わったのか
●管理人
マクロを書けるようになって、仕事の効率化や精神的ストレスの軽減以外で何か変化はありましたか?
年収が3年間で100万円増となった
●Aさん
一番大きかったのは年収があがったことです。自分の業務時間削減はもちろんのこと、社内全体のシステムの効率化も進めてきました。
外注しているシステム会社のシステム料金を年間300万円以上削減させて、私が作成したVBAシステムに置き換えたのが功を奏し、社内から非常に大きな評価を得ることができました。
システムを置き換えた年からベースアップも含めた昇給が3年連続月2万円となり、ボーナスが年間で8か月分出ますので、3年間で100万円以上の給料が上がった計算となります。
例年昇級は3,000円から多くても10,000円程度でしたので、ここまでの昇給は異例で、とても嬉しかったです。
IT系では絶対の発言力ができた
●管理人
エクセルマクロを学んで、仕事の効率化以外にも効果がありましたか?
●Aさん
IT系の発言力では社内で1番になったことです。
以前まではスペックの低いパソコンを使わざるを得ない状況だったのですが、今では自分の欲しいパソコンやIT機器は希望すればほぼ100%稟議に通過します。
以前まではcorei3の安いパソコンを利用していました。
しかし、今では30万円以上するcorei7の最新型のデスクトップパソコンに加えて、20万円以上するタブレッド型PCや使い放題のポケットwifiなどあらゆる機器を購入できるようになりました。
●管理人
他にも良かったことはありますか?
●Aさん
VBAとは関係がないのですが、プログラムに興味を持つようになりました。
今ではHTMLという新たな言語を勉強しており、副業でホームページでも作成してみようかと思っています。
マクロを使えるようになって、周囲の評価や反応は変化したか?
●管理人
マクロを使えるようになって、会社の上司や同僚の反応や評価はどう変化しましたか?
●Aさん
仕事を頼られるようになり、評価はかなり上がりました。そもそもうちの職場は関数もまともに使えていない職員が8割方でした。
VBAの存在すら知らない職員が多く、かなり革新的だったようです。
●管理人
周囲の人が関数を使えないのは、ある意味しかたないですよね。マクロはそれくらい強力なスキルですから。
しかし、だからこそマクロを使える人が評価されるんですよね。ちなみに、上司や同僚からの反応はどうでしたか?
●Aさん
上司や同僚も含めて、反応は極めて良かったです。
上司の仕事は一部VBAに置き換えて作成し直し、毎年10時間以上かかっていた仕事をものの10分程度で解決できるようになりました。
上司にはよくご飯やお酒をおごってもらえるようになりました。
同僚の仕事も一部VBAに置き換えることによって、信頼関係ができるようになり、お互いの仕事を手伝いあうことで、業務の効率化を図ることができました。
エクセルVBAを学ぶ上で悪い点は残業代が減る可能性があるということです。VBAは多大な業務時間を削減するため、残業する必要性が少なくなります。
ただ、残業代が出る企業であれば、あまり早めに仕事を片付けてしまうのも考え物になるかもしれません。
エクセルマクロはどのような人が学ぶのがお勧めか?
●管理人
エクセルマクロVBAを学んでみて、どのような人が学ぶと得をすると思いますか?
●Aさん
極論をいいますと、少しでもエクセルを利用する方は全員学んだほうが良いと思います。それほどマクロの力は強力です。
特にマクロの習得をおすすめしたいのは中小企業の事務員
中小企業の事務員の方はVBAを学ぶことによって確実に仕事の効率化が図れますし、質も格段に高まります。
私の事業所は職員が50名以下の中小企業なのですが、VBAを利用できる方は一人もいませんでした。
VBAどころかほとんどの職員はまともに関数やショートカットキーも利用できていない状況でした。
中小企業ではこういった企業が多いかと思います。一人でもVBAを利用できる社員がいるだけで飛躍的に能率があがります。
個人事業主にもマクロ習得はお勧め
個人事業主の方は小規模な事業所であれば、極論VBAを利用することによって事務員が必要なくなります。
請求書の発行、会計帳簿の管理、データの収集、在庫管理などこれらは全部ボタン一つでできるようになります。
他にも営業マンであればVBAを活用することによって説得力があるデータが作成できますし、総務職であれば文章をデータ管理でき、管理能力があがります。
もし、エクセルマクロを勉強していなかったらどうなっていたか?
●管理人
もし、エクセルマクロを勉強していなかったらどうなっていたか?
●Aさん
一言でいうとぞっとします。
仕事終わりは8時以降が当たり前の時間が続き、「顧客からは仕事が遅い」と怒られ、妻からは「早く帰ってきてよ!」と怒鳴られる。
手作業なのでケアレスミスなども増えますし、仕事が楽しくなくなっていたかと思います。
マクロがない仕事はもはや考えられません。マクロは私の救世主ともいえる存在です。
マクロをどのように勉強しましたか?
●管理人
マクロの勉強方法について教えていただいてもよろしいですか?
●Aさん
主に取り組んだ方法は下記です。
・参考書での学習
・インターネットに落ちているコードでの学習
マクロの学習は基本的には参考書を見ながらやりました。マクロの参考書だけで4冊は購入したかと思います。
またインターネットのサイトに記載してあるコードなどもよく見ていました。
本格的なプログラマーはどういうコードを書いているかというのは非常に参考になるかと思います。
エクセルマクロVBAの勉強方法のコツがあれば教えてください
●管理人
これからエクセルマクロを学ぼうと考えている人にアドバイスやコツがあれば教えていただけませんか?
●Aさん
私が思うにマクロは一番初めが肝心です。
後輩にも進めてみましたが、一番最初の英語の羅列にアレルギー反応を示し、参考書の最初の数ページをめくっただけでやめてしまいました。
私も一番最初の変数やi=i+1のようなマクロ独自の式を理解するのが一番時間がかかったかと思います。
そのため、一番最初はしっかりとした講座を受けるなり、講師をつけるなりしたうえで学んでいくことをお勧めします。
その点、こちらの教材は無料で内容も非常にわかりやすくなっているので、おすすめです。
まずは、この無料版で学んでみることをお勧めします。
その後より深く学習したい方は有料教材を試してみたり、参考書を買ってみたりしてみるのがよいでしょう。
「難しそうだからやりたくない」という理由でエクセルマクロを学ばないのは非常にもったいないです。
特に事務作業でエクセルを利用する方なら必ずと言ってよいほど事務効率が飛躍的に上がりますし、新たな仕事も創出できます。
まずはチャレンジしてみてみることをお勧めします。
●管理人
本日は大変貴重な話を聞かせていただきありがとうございました。
まとめ
いかがだったでしょうか。エクセルマクロを学んだ現実をお伝えしました。
Aさんもお話されていましたが、エクセルマクロVBAを使えばコピペや転記作業を自動化するのはそこまで難しいことではありません。
そして、マクロができるようになれば、職場での発言力が上がり、年収アップも夢ではありません。
何より、仕事そのものが楽しくてたまらなくなります。人生の半分を仕事に費やすわけですから、楽しめなければもったいないと言わざるを得ません。
そして、マクロは仕事を楽しくしてくれますし、他者からの評価もグッと上げることができるツールです。
しかし当然ですが、エクセルマクロは一朝一夕で身につくものではありません。
そのため、Aさんのインタビューにもありましたが、勉強の最初が肝心です。
どれだけ分かりやすく、マクロを理解し勉強をスタートできるかが重要なのです。
その点、こちらの無料動画は講師の話が分かりやすく、多くの人が受講しています。
ぜひ、これからマクロを勉強しようと考えている人はこちらから学んでみることをお勧めします。