エクセルを使っていると、不要なシートを削除したいときがあります。
しかし、マウスで一つずつシート削除をするのは面倒な作業です。
そこでエクセルマクロVBAを使って、不要なシートをボタン一つで削除する方法を紹介します。
不要なシートが10個であろうが100個であろうが、一瞬で作業が終わるのでとてもラクに仕事を終わらせることができるはずです。
目次
シート名を取得して不要なシートを全て削除する事例を動画で紹介
シート削除のエクセルマクロVBAについてイメージをつかんでもらうために、動画の事例を紹介します。
まずは上記の動画を見て、これから解説するマクロについて全体像をつかんでください。
なお、この動画では以下の2つのマクロを紹介しています。
マクロ2|不要なシートを自動削除(1分36秒~終わり)
不要なシートを自動削除するマクロを知りたい人は、1分36秒からご覧ください。
また、マクロ1|データを項目別に自動転記について知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
複数の不要シートを連続削除する
エクセルマクロVBAで不要シートを削除するプログラムを紹介します。
具体的にどのような作業を自動化するかというと、以下です。
下記の画像のようなエクセルデータがあります。
これを以下のように「a」…「j」のシートを削除し、「nouhin」と「template」のシートのみを残します。
マクロ実行後に、以下のような状態を目指します。
ボタンにVBAプログラムを登録
上記の画像では、VBAプログラムをボタンに登録しています。
ボタンにVBAプログラムを登録することで、ボタンを押下しプログラムを実行することができます。
ボタンをVBAプログラムを設定したい場合は、以下で動画も交えて設定方法を紹介しているので、そちらをご覧ください。
それでは以下でプログラムについて詳しく紹介していきます。
動画で紹介したマクロの入ったエクセルをダウンロード
このページを読んでいる人の中には、プログラムを作成するのが面倒だけど、マクロを使ってみたいと考えている人もいるはずです。
以下のフォームから動画で解説しているマクロが入ったエクセルファイルをダウンロードできます。
なお、ダウンロードしたマクロには以下の2つのマクロが入っています。
マクロ2|不要なシートを削除
このページでは、マクロ2についてプログラムを解説しています。
VBA作成前の事前準備
ExcelでVBAを使うためにはいくつかの準備が必要です。
具体的には以下です。
上記の2つに関して、以下で説明します。
1. ExcelでVBAを使うための事前準備
Excelで、以下の2つの準備をします。
2. 開発タブを追加
保存ファイルの拡張子変更、Excelの基本設定変更の2つです。
2つともで難しい作業はなく、それぞれ1分もあれば設定変更可能です。
上記に関しては、以下の記事で解説をしています。
もしVBAを使うための準備段階に不安がある人は上記をご覧ください。
この内容は以下の動画で紹介しています。
入門エクセルマクロの使い方|マクロ作成から実行までを徹底解説
文字や画像だけで分かりづらい人は上記の動画をご覧ください。
それでは、以下でプログラムについて詳細を説明します。
VBAのプログラムソース解説
今回紹介するプログラムの概要は以下です。
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'プログラム0|変数設定の指定 Option Explicit 'プログラム1|プログラム開始 Sub DeleteSheets() 'プログラム2|シート数をカウント Dim sheetnum As Long sheetnum = ThisWorkbook.Worksheets.Count 'プログラム3|全シートの名前を順々に取得 Dim sheetname As String Dim c As Long For c = 0 To sheetnum - 1 sheetname = Worksheets(sheetnum - c).Name 'プログラム4|「nouhin」もしくは「template」は対象外とする If sheetname <> "nouhin" Then If sheetname <> "template" Then 'プログラム5|シートを削除 Application.DisplayAlerts = False Worksheets(sheetname).Delete Application.DisplayAlerts = True End If End If Next 'プログラム6|プログラム終了 End Sub |
プログラム0|変数宣言の指定
1 |
Option Explicit |
「Option Explicit」とは、変数宣言を強制するためのものです。
これを入れておくと、変数を定義していない場合、エラーが出ます。
つまり、「Option Explicit」を入力しておくことで、たとえば「Dim i」をあらかじめ入力しないと、「i」という変数を使えません。
もし「Option Explicit」を入力しているのに、「Dim i」を書かずに「i = 1」と書くと、エラーメッセージが表示されます。
実は、この機能はあくまでオプションです。「Option Explicit」を入力しなくても、プログラムは動きます。
しかし、これを入れておくことで、変数の誤記によるエラーを防止することができます。
結果的に、プログラム作成速度が上がるので、「Option Explicit」を入力することを習慣化することをオススメします。
プログラム1|プログラム開始
1 |
Sub DeleteSheets() |
「Sub DeleteSheets()」のプログラムを開始することを意味します。
VBAではプロシージャという単位でプログラムを呼び出します。
プロシージャの構文は下記となっています。
1 2 3 |
Sub プロシージャ名() '実行プログラム End Sub |
「Sub」で始まり「End Sub」で終わります。
「Sub XXXX」の「XXXX」の部分がプロシージャ名です。
このプロシージャ名はあらゆる文字(アルファベット、ひらがな、漢字、数字など)が使用可能です。
ただし、プロシージャ名の先頭は数字を入れるとエラーとなります。
あとで見たときに、「何のプログラムだったのか?」とならないようにするためです。
なお、「()」の中には何も記入されていません。これは引数なしという意味です。なお、プログラム2-1では引数を受け取ってプログラムを実行します。
初心者の内は、引数ということが分からなくてもVBAプログラムを書くことは可能です。
興味があれば、「VBA 引数」で検索して調べてみてください。
プログラム2|シート数をカウント
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Dim sheetnum As Long sheetnum = ThisWorkbook.Worksheets.Count |
シート数をカウントします。
Debug.Printでチェックしてみます。
1 2 3 4 5 |
Dim sheetnum As Long sheetnum = ThisWorkbook.Worksheets.Count Debug.Print "sheetnum:" & sheetnum >>>sheetnum:12 |
この事例ではシート数が12あることが分かりました。
プログラム3|全シートの名前を順々に取得
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Dim sheetname As String Dim c As Long For c = 0 To sheetnum - 1 sheetname = Worksheets(sheetnum - c).Name |
12あるシートの一つ一つ名前を取得します。
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Dim sheetname As String Dim c As Long For c = 0 To sheetnum - 1 sheetname = Worksheets(sheetnum - c).Name Debug.Print "sheetname:" & sheetname Next >>>sheetname:template >>>sheetname:j >>>sheetname:i >>>sheetname:h >>>sheetname:g >>>sheetname:f >>>sheetname:e >>>sheetname:d >>>sheetname:c >>>sheetname:b >>>sheetname:a >>>sheetname:nouhin |
取得したシート名を読み込んで、削除していきます。
プログラム4|「nouhin」もしくは「template」は対象外とする
1 2 |
If sheetname <> "nouhin" Then If sheetname <> "template" Then |
シート名が「nouhin」もしくは「template」の場合、プログラム5の削除しないようにします。
そのためシート名が「nouhin」もしくは「template」のとき、if文でプログラムが実行されないようにします。
Debug.Printでチェックしてみます。
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Dim sheetname As String Dim c As Long For c = 0 To sheetnum - 1 sheetname = Worksheets(sheetnum - c).Name If sheetname <> "nouhin" Then If sheetname <> "template" Then Debug.Print "sheetname:" & sheetname End If End If Next >>>sheetname:j >>>sheetname:i >>>sheetname:h >>>sheetname:g >>>sheetname:f >>>sheetname:e >>>sheetname:d >>>sheetname:c >>>sheetname:b >>>sheetname:a |
上記のとおり「nouhin」もしくは「template」の場合、対象となっていないことが分かります。
なおif文の理解が不十分な場合は以下で解説していますので、読んでみてください。
プログラム5|シートを削除
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Application.DisplayAlerts = False Worksheets(sheetname).Delete Application.DisplayAlerts = True End If End If Next |
「nouhin」もしくは「template」のみを残して、それ以外のシートを削除します。
プログラム6|プログラム終了
1 |
End Sub |
プログラム1と対になるプログラムで、プログラム終了させるための記述です。
「End Sub」を読み込むと、プログラムが終了します。
プログラムの解説はここまでです。
Excel VBAについて詳しく理解したいなら
VBAを活用すると、仕事を効率化できる幅を広げることができます。
たとえば私が実際にVBAを活用して効率化してきた作業は以下の記事で紹介しています。
興味がある人は以下の記事もご覧ください。
動画でも解説しています。
エクセルマクロVBAで出来ることを15の事例で紹介|日常業務をラクにするヒントを見つけよう!
(音声が小さいので、ボリュームを上げてご覧いただければと思います)
VBAの勉強方法
私はプログラミング初心者からVBAを勉強を始めて少しずつレベルアップしていきました。
成長の過程は以下で紹介しています。
学習の過程では、意識すべきポイントがあります。
特に独学の場合だと、勉強を優先してしまい、肝心な実践を疎かにしがちです。
私の経験では、実践から逆算した勉強が必要だと考えています。
目指すべきは会社でお金をもらいながら勉強することです。
要はVBAを仕事の一つとして上司に認めてもらうのです。
そうすればわざわざ高いお金を払って勉強をする必要がなくなります。
しかも作業を自動化して、会社やチームに貢献しつつ、自らのスキルアップできます。
そのために必要な考え方を以下で紹介しています。
とはいえ、プログラミング初心者でVBAについて知識ゼロの人もいるはずです。
いきなり会社でVBAで使うことさえ、とてつもなくハードルが高く見えてしまうものです。
その場合は、VBAの基本について学ぶ必要があります。
たとえば車の運転も慣れてしまえば、たいしたことではありません。
しかし教習所で運転の基本を学び、免許を取得することで、公道で運転できるようになります。
VBAも同じです。VBAに免許はありませんが、まずは基本を学ばないことには会社で使えるレベルにはなりません。
実際に私もプログラミング初心者のときは、動画を見たり書籍を読んだりして勉強しました。
今はオンラインの教材で無料で学習できるものも多いです。
上記のリンクでは、私の経験から勉強にオススメの教材を紹介しています。
興味がある人はご覧ください。
VBAを自分で書けるようになる
さて、本記事で紹介したマクロを利用すれば、作業の自動化が可能になります。
しかしデメリットもあります。それはカスタムできないことです。
なぜなら、色々な要望が増えるからです。
この動画を見たとき、「もっと○○ができるのでは?」や「ここはなんとかならないのか」と感じる人は少なくないはずです。
例えば、「他の条件を付け加えたい」や「日付毎に条件を変えたい」といった要望が出るかもしれません。
このような要望を満たすには、マクロを勉強して自力でマクロを編集できるようになる必要があります。
もし、自力でマクロを編集できるようになれば、今より仕事の効率はグッと上がります。
実際、私も自力でマクロを書けるようになってからは、仕事の生産性が一気に上がりました。
他の人が30分~1時間かけて行う仕事が、ボタン一つで終わらせることができるようになったのです。
その結果、周囲からの信頼も増し、仕事で高い評価を得られるようになりました。
ただ、要望に応えるようになるためには、マクロを学ぶ必要があります。
まずは無料でマクロを勉強してみる
ウェブや書籍で勉強すれば、マクロを習得できると考えている人は少なくありません。
しかし、仕事で使えるマクロを習得したいなら、仕事で使える部分に特化した教材で学ぶことをお勧めします。
なぜなら、ウェブや書籍には仕事に関係しない部分まで提供していることが多いからです。
例えば、マクロ初心者なのに配列を学ぼうとする人がいます。実は配列なしでも仕事で使えるマクロを書くことは可能です。
しかし、マクロ初心者ほど「全ての知識が必要だ」と考えて、無駄な学習に時間を使ってしまうのです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
そこで、私がお勧めするのは仕事に直結するマクロ教材です。とくにお勧めするのは、こちらの無料オンライン動画です。
なぜなら、仕事に直結する部分に絞って、エクセルマクロを学ぶことができるからです。
マクロの作り方・考え方から解説しているので、教材をしっかり学べばここで紹介したマクロをゼロから書けるようになります。
マクロ初心者が、仕事に直結したいマクロを学ぶなら、まずはこちらの無料オンライン動画を試すのがいいです。
興味がある人は、まずは無料でエクセルマクロの勉強を始めてみてください。
もっと学びたいと感じたら、さらに深く勉強をしてみることをお勧めします。