エクセルマクロVBAを使えるようになれば、仕事が劇的に早くなります。しかし、マクロを習得するまでの時間は、人によって異なります。
それは、その人がもっているスキルが違うからです。そのスキルによって、マクロを数ヶ月で習得できたり、数年たっても習得できなかったりします。
ここでは、エクセルVBAを始める前にやっておくべき3つの事前準備を紹介します。これを実践すれば、マクロを早く習得できるようになります。
目次
事前準備1|タイピングスピードをはやくしておく
極端に聞こえるかもしれませんが、「タイピングスピードが速ければ、他のスキルが低くても、マクロは書けるようになります」と言っても過言ではありません。
なぜなら、タイピングスピードが早ければ、人より練習量が増えるからです。たとえば15分間、練習するとします。
このとき、15分の練習時間で、タイピングが苦手な方が10分かけてようやく1個のプログラムを書き上げます。しかし、そのあいだに、タイピングが得意な方は、3個も4個ものプログラムを書き上げることが可能です。
実際に、以下のプログラムを書くとします。
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Sub bunkatsu() Dim str As String Dim ku,i As Long For cnt = 2 To Range(A65536).End(xlUp).Row Range(A ; i).Value = i - 1 str = Range(C ; i).Value ku = InStr(str, 区) Range(F ; i).Value = Left(str, ku) Range(G ; i).Value = Mid(str, ku + 1) Next End Sub |
このプログラムを15分書くAさんと5分で書くBさんとの差は、単純計算でマクロを書き上げるのにかかる時間が3倍違います。
このように、Aさんは、15分で1回しか練習できませんが、Bさんは、15分で3回練習できます。
同じ時間で、3倍量を練習できるだけで、大きな差ですが、もう一つ大きな違いがあります。それは、学習に対する精神的な負担です。
たとえば、「よし、マクロの練習しよう!」と意気込んだとき、5分の練習×3と15分の練習×1では、話は違います。
15分やらないと練習が完了しないのであれば、勉強しようと思っても、なかなか勉強する気になれません。まあ「今日はもういいかな」となってしまいがちです。
残念ながら、たった1回の練習では、翌日にはもう覚えていません。その結果、「難しい、もうやる気しない」となって、挫折してしまいます。
しかし、5分で練習が完了となると、気持ちの面でラクです。「5分で終わるならササッとやってしまおうかな」と思えるので、勉強を始めるときの負担が少なくてすみます。
そして、5分やったら、気持ちが乗ってきたので15分練習することも難しいことではありません。その結果、3回練習できるので、習得するスピードも圧倒的です。
こういった学習に対する精神的な負担を下げる意味でも、タイピングスキルの向上は、かなり重要です。
事前準備2|エクセルVBAのショートカットキーを覚える
パソコンは、本来マウスなど使わず、キーボード入力だけで操作するものです。マウスは、パソコンが苦手な人のために、後から用意された道具です。
そのため、マウスでのパソコン操作は早さに限界があります。あなたの周りの仕事が早い人も、マウスではなく、キーボードでカタカタと終わらせてしまいますよね。
あなたがこれまでマウスを使って何度もクリックしてやっていた作業も、キーボードだけでショートカットでチョコチョコっとでできるようになれば、エクセルの仕事が劇的に変わります。
ショートカットキーをうまく使えるようになれば、作業の早さは、これまでの3倍以上になります。
また、マウスを使っていると、姿勢が崩れるので、肩こりや腰痛の原因にもなりえます。キーボードを使えば、作業の疲労もかなり軽減されます。
そうなると、パソコン操作に気を取られず、単純にエクセルマクロVBAの練習に集中できるようになります。
ショートカットキーについては、コチラの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみて下さい。
事前準備3|countif程度のエクセル関数を理解しておく
エクセルマクロを学ぶには、エクセルの基礎知識がしっかり身についていると有利です。なぜなら、エクセルマクロはITの知識にもとづいているからです。
たとえば、マクロについて学んでいるときに、エクセル画面上で「あれっ、今なにが起きたの?」と思う問題が生じることがあります。
しかし、「これは、自分がエクセルで普段やっているあれのことか」と見当がつけば、マクロを習得するときに、予測を立てることが出来ます。
そして、その予測はITの知識がある人であれば、すぐにピンときます。
もし、基準があるとすれば、エクセル関数のcountifを知っている人は、エクセルマクロの習得に関して言えば有利です。またvlookup関数を知っている人は、なお良しです。
また他にも、エクセルの知識が不足していたりすると、その問題が、エクセル側の問題なのかマクロの側の問題なのかを理解できず混乱してしまいます。
そのため、エクセル関数やエクセルそのものに関する知識があると、VBAの習得には有利です。
エクセルマクロの学習に伸び悩む前にトレーニングする
エクセルマクロの習得には、上記の3つのことが必要になってきます。逆にいえば、この3つを把握しておかないと、いつまでたってもマクロを習得することができません。
しかし、こういったことはパソコンスクールの先生ですら教えてくれません。
なぜなら、マクロを教える側からしてみれば、ここで紹介した3つのことは当たり前だからです。当たり前すぎて、教える側が気づいていないのです。
たとえば、スポーツを上達するには体力が重要です。しかし、体力が大切なのは当たり前すぎて誰も教えてくれません。もっといえば、睡眠や食事が大切です。実際にプロ選手であれば、睡眠や食事を重要視しています。
マクロも同じです。マクロを使う上で、タイピングが速いのは当たり前です。挫折をしてしまう人の多くは、実はパソコンスキルの低さが原因というのも少なくありません。
もし、パソコンを人差し指だけで操作していたのでは、どれだけやる気があっても、エクセルマクロを習得するのは、ムズカシイでしょう。
たしかに、マクロのようなすごい知識を教えるほうが魅力的に見えてしまいます。ただ、タイピングのような地味なスキルが、マクロの習得には重要であることを覚えておくといいでしょう。
エクセルマクロを学ぶ前に、もしくは学びながらでもいいので、この記事で紹介した3つのことをトレーニングすることをおすすめします。