ビジネスでのファシリテーションは「実りあるミーティングを作って、進めていくこと」を意味しています。
wikipediaでは以下のように説明されています。
会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの持つ能力の1つ
もし「いつも議論で結論が出ないまま終わる」、「チームの議論の雰囲気が良くない」、そんなことを感じた経験があるなら、ファシリテーション力を高めることをオススメします。ファシリテーションの力を上げることができれば、クライアントとのコミュニケーションはもちろん、チームでの議論も活発にすることができます。
この記事では、ファシリテーション力を一瞬で高めるフレーズを紹介します。今すぐつかえるフレーズばかりを厳選しましたので、相手の話を引き出して、もっと活発な意見の交換ができるようになりたい方は、ぜひこのまま読みすすめていってください。
目次
議論の最初で
議論が始まるときに、つかうフレーズを紹介します。まずは、議論や会議の方向性を共有すること。そして、参加者の緊張をほぐすこと。これによって、議論の主導権を握りつつ、参加者が議論で意見を言いやすい環境をつくっていきます。
ゴール設定
・今日はどこまでやりましょうか?
最初に、議論の方向性とゴールを設定しておきましょう。ここで共有したことは、ホワイトボードやポストイットにメモしておくことをオススメします。これによって、議論のなかで、話がずれていった場合に、議論の方向を修正して、時間ロスを予防できます。
会議の進め方
・誰か記録係りをお願いできませんか?
・こんな感じで進めてよろしいでしょうか?
・何か進め方について意見はありますか?
議論の進め方を決めておきます。参加者の全員とやりとりすることを意識しましょう。ここで「イエス」をとっておくことで、強引ではなく対話を重視した議論であることを印象付けます。これにより、安心して議論に参加してもらえます。
場を整備
・皆さん、どんな気分ですか?
これは、アイスブレイクのフレーズです。緊張をほぐして、意見を言いやすい環境をつくるのが目的です。これからの議論で参加者に発言してもらうために、何か口に出してもらうように話を振っていきましょう。
意見を引き出す
参加者の考えを、どんどん出してもらうためのフレーズを紹介します。ファシリテーターは、参加者の意見だけでなく、表情や姿勢などの言外の意味にも注意しましょう。たとえば、「うんうん」とうなづいたり、体の向きを観察してください。コミュニケーションをうまくとるためのヒントがあります。
議論を活性化
・と言われれば、どちらですか?
・たとえば、・・・はダメでしょうか?
・何かご意見はありますか?
・何かおっしゃりたいことはありそうですね
・ここに意見を書いてみてもらえませんか?
・ほんとうにいいたいことはないですか?
参加者の意見を広げるためのフレーズです。対話を意識して、他の意見は探りましょう。意見を否定するのではなく、引き出してあげることを意識しましょう。参加者は、かならず意見を持っています。ですので、急がず待ってあげてください。
意見を引き出す
・ここは話の続きを聞いてみませんか?
相手が意見をもっと言いたい感じだったり、何か意見を出し切れていないように見えるとき、つかいましょう。表情、姿勢、声色といった言外の部分に気を付けるのが大切です。
意見を整理する
議論で十分に意見が出てきたら、意見をまとめるステップです。議論の全体像を整理して、論点を絞っていきます。ホワイトボードやポストイットを使いながら、議論を整理していきます。参加者が理解しているかを対話しながら進めていきましょう。
意見を分かりやすく
・意見はいくつかにまとめられませんか?
・試しにこんなふうにまとめることができませんか?
・これについて、意見をお願いできませんか?
・要するに、こういうことですか?
・それは、どこからくるのですか?
・こういう観点で、考えなくてもよいのですか?
・たとえば、こういった考え方はできませんか?
・ここは話の続きを聞いてみませんか?
相手と対話には、言葉だけでなく、体も動かしましょう。ホワイトボードに図を書いたり、ポストイットに意見を書き、それを分類していくのもオススメの方法です。
ここでは、論理的にまとめていく力が必要になってきます。クリティカルシンキングのスキルがあると、このステップをスムーズに進めることができます。クリティカルシンキングについては、こちらの記事で紹介していますので、合わせて読んでみてください。
他の案を探る
・なぜ彼がその意見にこだわるのかわかりますか?
・なんのためにそれをやるのですか?
・何か別の手段でやれませんか?
・互いに何かできることはありませんか?
アイデアの可能性を検証します。全体を巻き込んで議論を進めていきます。議論が活発になると、反対の意見も出てきます。相手の意見の前提になる部分も含まて質問をしながら、代替の案を探していきましょう。答えは一つではありませんので、参加者の折り合いがつくように進めること、ときにファシリテーターが主導権を握って、決めることも必要になってきます。
会議の最後は合意を
会議の終わりに、決まった内容を振り返ります。もちろん「会議で話して終わり」なんてことはありませんよね。ここでは、会議で決まった内容で、成果につなげるためのフレーズを紹介します。
・誰がいつまでにやるのですか?
・今日の会議を通じてどんなことを得ましたか?
・今日の議論の結果は、○○ですね。このまとめでよろしいですか?
・アクションプランは○○です
・次のミーティングの時期は、○○です。
・皆さん、どんな気分ですか?
困ったときは
「話が盛り上がらない」、「なんだか議論の雰囲気が良くない」という状況にぶつかったら、このフレーズを使いましょう。
・今、みなさんがどういう気持ちなのかわかりますか?
・やりたい人だけやるというので、いかがでしょうか?
・ちょっと意見をいってもいいでしょうか?
・ここから先、どうしたらよいでしょうか?
・ちょっと気分転換に立ってみましょうか?
さらにファシリテーション力を上げる
ファシリテーションの目的は、よりよい結論を出して、参加者が次の行動をしたくなるようにチームの方向性を決めるサポートをすることです。
ファシリテーションを円滑に行うためには、建設的な議論ができるような環境を作ってあげることです。「話を活発にする」役割もあれば、「意見を分かりやすくまとめる」役割もあります。つまり、参加者一人ひとりと信頼を築く「コミュニケーション」、議論を分かりやすくまとめる「クリティカルシンキング」が必要です。さらにファシリテーションの力を伸ばすために、こちらの記事も合わせて読んでみてください。
最後に、もっとも大切なのは、あなたが会議、議論のリーダーとなって、プロジェクトを成功させると思う情熱や気持ちです。気持ちの強さがスキルよりも大切なことはよくあります。ぜひファシリテーションのスキルを使って、プロジェクトを成功に導いていきましょう。