社会人になると、クリティカルシンキングという言葉を耳にすることがあります。
クリティカルシンキングを一言で表すと、情報や知識を複数の視点から論理的に分析し、最適解を考えるスキルです。
しかし、このようなことを聞くと、「クリティカルシンキング=ビジネスパーソンに必要な思考力」と理解できても、具体的にイメージしづらいのが正直なところでしょう。
そこで、東大院卒で海外プロジェクトのリーダーを経験してきた私が、クリティカルシンキングについて詳しく解説をしていきます。
また、クリティカルシンキングを鍛えるためのトレーニング方法も紹介していきます。
目次
- 1 クリティカルシンキングとは? 意味や定義を簡単に解説
- 2 クリティカルシンキングとロジカルシンキング(論理的思考力)の違いとは?
- 3 クリティカルシンキングの必要性や重要性|苦手だとどうなるのか?
- 4 クリティカルシンキングの12 のチェックリスト
- 5 クリティカルシンキングの思考過程を5ステップの手順で解説
- 6 クリティカルシンキングで使われる用語の一覧
- 7 クリティカルシンキングの5つのトレーニング|例題や練習問題を使った鍛え方
- 8 クリティカルシンキングをより深く学ぶなら|あなたに合わせたオススメ本を紹介
- 9 さらに深く学ぶなら|セミナーや講座を紹介
- 10 クリティカルシンキングの注意点
- 11 ロジックよりも大切なこと
クリティカルシンキングとは? 意味や定義を簡単に解説
クリティカルシンキングとは、あなたのクリティカルシンキングに関する「なに」を解決していきましょう。
クリティカルシンキングとは英語で書くと、Critical thinking(批判的な考え方)のことで、建設的に思考する姿勢を意味します。
詳しく言うと、課題を明確にし、批判的に分析することで最適な判断を行うための思考法とも言えます。
このとき、批判的と聞くと、日本ではネガティブなイメージをもたらがちです。しかし、物事を多面的に分析しようとするとき、批判的になることは当然のことです。
例えば、専門家が集まって協議するテレビ番組があります。これは、複数人の専門家が多面的に議論を行うことで、より最適な解を導こうとしていると言えます。
このように、複数人の専門家の視点を持ち、建設的な分析をする力がクリティカルシンキングなのです。
クリティカルシンキングとロジカルシンキング(論理的思考力)の違いとは?
クリティカルシンキングを聞いたことがある人なら、「ロジカルシンキング」という言葉も聞いたことがあるはずです。
実は、ビジネススキルとしてのクリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いに大きな差はありません。
なぜなら、両方とも仕事における適切に問題解決するための考え方に過ぎないからです。
例えば、サッカーにはボランチと呼ばれるポジションがあります。これは、守備的ミッドフィルダーを指します。
一方でアンカーと呼ばれるポジションがあります。これも守備的ミッドフィルダーです。
この違いは、ボランチは南米をルーツとした言葉であり、アンカーは欧米をルーツにした言葉です。どちらも同じ守備的ミッドフィルダーです。大きな差はないのです。
これと同じで、クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いに大きな差はないのです。
実際、クリティカルシンキングのセミナーで有名なグロービス社の書籍によると、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いを以下のように説明しています。
ロジカルシンキングと聞くと、論理的に考えれば、答えは一つに絞られるに違いないという思い込みを受けてしまいがちです。しかし、実際は、答えは、1つではなく、時と場合によって変化する。答えを客観的に、批判的に捉えるためにクリティカルシンキングという名前が使われている。
このように、細かな定義の差はありますが、クリティカルシンキングもロジカルシンキングも同じようなものなのです。
ロジカルシンキングについては、こちらの記事で紹介していますので、あわせて読んでみてください。
クリティカルシンキングの必要性や重要性|苦手だとどうなるのか?
クリティカルシンキングは社会人の必須スキルと言われることがあります。
しかし、クリティカルシンキングが得意であることのメリットや苦手であることのデメリットについて語られることはあまりありまえせん。
そこで、クリティカルシンキングのメリットやデメリットを紹介します。
クリティカルシンキングができない人はどのような評価をもらうのか?
クリティカルシンキングに苦手だったりできなかったりする人の特徴として、ムダな行動が増えることがあります。
なぜなら、クリティカルシンキングができない人は、それまでの経験や思いつきで判断しがちだからです。
例えば、過去の成功体験があるから、短絡的に物事を判断してしまうのです。
しかし、現代は情報が増え、変化の激しい時代に突入しています。その中で、必要な情報を選別しないといけません。
したがって、必要な情報を選び取れるようにならないと、判断を間違える危険が高まります。
そのため、客観的な判断ができないと、失敗が多くなり、ムダな行動が増えてしまうのです。
また、他にも以下のようなことが起こります。
・データの活用が下手
・非計画的
・人の話をうのみにしてしまう
・仕事の段取りができない
最終的に、仕事ができない人という評価をもらってしまいます。
クリティカルシンキングのメリット|できる人は仕事で評価されやすい
クリティカルシンキングができる人は仕事で評価されやすいです。
なぜなら、仕事を建設的に進めることができるからです。例えば、上司や取引先からの質問に対して、的確に答えることができるのです。
そのため、信頼されるビジネスパーソンとして評価されます。
実際、多くの企業がクリティカルシンキングの力を重視しているのはこのためです。
会社の課題を論理的、客観的にチームで共有し解決していく力があれば、企業がほしがるのも当然といえます。
また、クリティカルシンキングができる人の強みとして、以下のことがあげられます。
・説得力がある
・仕事の段取りが上手い
・データの解釈が正しい
・話がわかりやすい
このように、高い情報処理の能力を持ち合わせています。
クリティカルシンキングの12 のチェックリスト
クリティカルシンキングの重要性は理解できても、自分がどれくらいクリティカルシンキングを実践できているかどうかは判断が難しいものです。
そこで、クリティカルシンキングがどの程度できているかを確かめるためのチェックリストを紹介します。
アメリカの教育哲学者エニスによると、クリティカル(批判的)に物事を考えることができる人には、以下の12の特徴があると述べています。
以下のリストを見て、自分がどれくらい当てはまっているかをチェックしてみるといいでしょう。
[2] 結論と課題を分けて、頭の中を整理できる
[3] 全体を俯瞰(ふかん)してものごとを判断できる
[4] 根拠をさがしつづけ、明確にできる
[5] 十分に情報を得ようとしている
[6] 他の選択肢を探す
[7] 置かれている状況の中で、できる限り正確にこなす
[8] 反省できる
[9] 偏見でものごとを見ない
[10] 証拠と理由がたりないときは、ジャッジを保留する
[11] 証拠と理由がそろったら、行動する
[12] 周囲の人の意見も取り入れる
出典:Ennis,1991, Critical Thinking: A Streamlined Conception, in Teaching Philosohpy 14:1, March
なお、私のほうで訳をわかりやすくしていますので、もし興味がある方は、原文を読んでみてください。
クリティカルシンキングの思考過程を5ステップの手順で解説
クリティカルシンキングは、次の5つのステップで進めます。
2.フレームワークを使う
3.現状を分析する
4.仮説の立案と検証をする
5.アクションプランを実行する
それでは一つずつお伝えしていきます。
ステップ1|課題(イシュー)を見つける
課題(イシュー)、目的とコンセプトを明確にし、その進め方を決めるステップです。この課題設定が、最も大切です。なぜなら、よい課題設定が、問題解決の成果の質を決めるからです。
「誰も気付かなかった課題」や「誰も手をつけることができなかった課題」を解決すれば、大きな成果が得られます。
たとえば、不治の病の治療法が見つかれば、ニュースになりますが、風邪を治療する方法は、そこまでインパクトはありません。
つまり、課題設定の質が低いと、問題解決の質も低くなります。
ステップ2|フレームワークを使う
課題を「要素」に分解します。最適な要素に分けることで、考えやすい形にするのです。
このとき、分解方法は、フレームワークを利用するのが一般的です。たとえば、マーケティングの4P分析を行う、といったようにMECEに考えることできるフレームを選択しましょう。
ステップ3|現状を分析する
フレームで分けた要素ごとに対して、現状を分析します。このとき、「こうだろう」という予測をするのは避けましょう。
できるだけ、生の声やデータの情報を収集します。情報にバイアス(偏り)があると、最適な判断が難しくなります。
そのため、できるだけ偏りの偏りのない情報に基づいて、現状を確認することが重要です。
ステップ4|仮説の立案と検証をする
現状を分析した結果に基づき、何をすべきかを案(仮説)を考えます。そして、その仮説が正しいかどうかを検証します。
もし、仮説の検証がムズカシイならば、ステップ2に戻ります。別のフレームをあててみたり、内容を再検討します。
5.アクションプランを実行する
誰が、何を、どこで、いつまでに、どのようにして、を決めて、具体的な行動を実行します。ここでは5W1Hをベースに考えるとよいでしょう。
これ以降は、プロジェクトをマネジメントするステップになります。
クリティカルシンキングで使われる用語の一覧
クリティカルシンキングを行うときに、よく使う用語を紹介します。横文字が多いので、慣れないかもしれません。しかし覚えておくと、議論や調べ物で役立ちます。
ロジックツリーとは
課題に対して、それらを分解しながら、構造を明確にしていくためのツール。分類が大→中→小と階層を作ることで、要素を俯瞰して見れるようになる。
MECEとは
ある事象の全体像を把握しやすいように、重なりがなく、漏れがないように捉えること
MECE:Mutually Exclusive and Collectivelly Exclusiveの頭文字を取っている
MECEには、3つのタイプがある。「4P」などの要素の分解、「PDCA」などのステップ分け、「事実と判断」などの対照事項。
フレームワークとは
先人が見出した考え方の枠組みを活かし、それをフレームとして当てはめて思考する方法のことです。
ビジネスではフレームワークを、考えるためのツールとして使います。
できるだけMECEになっているフレームをつかうことが推奨されます。
たとえて言うなら、数学の公式です。「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」を覚えていますか?数学では、公式を使って問題を解きます。
ビジネスのフレームワークは、数学の公式と同じで、うまく使えば、課題解決が一気に早まります。しかし、使いどころを間違えると、まったく役に立たず、やり直しになります。
仮説思考とは
仕事をするとき、「まずは仮説を立てることを意識せよ」と考える思考方法です。
例えば。あれもこれも積み上げ的にものごとを考えてしまう人は多いです。
しかし、これだとあれもこれも準備している内に時間がなくなっていきます。
そのため、最初に仮説(ゴール)を設定し、ゴールから逆算して仕事を進めていくのです。そのための思考法です。
イシューとは
イシューは、「解決すべき課題」を意味しています。
Issue(イシュー)は、動詞「発行する」という意味の他に、名詞「課題」という意味があります。「課題」を示す単語はいくつかありますが、issueはレベルが高い「課題」を示しています。
・answer the question → 質問(課題)に答える
・solve the problem → 問題(課題)を解決する
・settle the issue → 国家間の争い(課題)を安定させる
というニュアンスを含んでいます。
イシューという言葉が使われる理由は、より高いレベルの課題を解決しようという意思の表れと言えます。
So what? / Why so? / True?
提案の内容をさらにブラッシュアップするための質問。So what?とは、「要するにどういうことか?」と問うことで、言いたい内容を明確にする
Why so?とは、「なぜ、そう言えるの?」と問うことで、言いたい内容が、ほんとうに正しいか検証する。
True?とは、「それって本当?」と問うことで、思い込みがないかどうかを問いかける。
クリティカルシンキングの5つのトレーニング|例題や練習問題を使った鍛え方
クリティカルシンキングは論理的に考える習慣をつければ、身に付けることができます。
ただ、論理的に考える習慣をつけるには、「仮説を立て、検証する」ということを何度も繰り返しトレーニングする必要があります。
ここでは、クリティカルシンキングを鍛えるための7つの方法を紹介するので、ぜひ習慣化してみてください。
トレーニング1|パズルを解いてみる
「論理パズル」という本があります。その本には、論理的思考力を試すクイズが書かれています。これが、意外とムズカシイ。回答するのには、かなりの論理的思考力が求められます。
簡単に始めることができて、模範解答もついているので、初心者には最適です。
また、パズルだけではなくケーススタディやフェルミ推定も良いトレーニングになります。ケーススタディやフェルミ推定の本も出されているので、それらもおススメです。
トレーニング2|仮説を立てるクセを付ける
クリティカルシンキングを身に付けるには、考える習慣を付けることが重要です。
まずは、あなたの興味がもてる分野で、「なぜ?」と思えることを探しましょう。そして、その疑問に対して、自分で解を探す習慣をつけるのです。
たとえば、私がよくやっていたのは、食事先のレストランの売上予測でした。
売上=顧客単価×顧客数×顧客年齢
このフレームワークが使えます。これを使って、フェルミ推定を行って売上の概算をしていました。
慣れてきたら、従業員数も考慮に入れて、販管費なども算出して、利益を出してみると、さらにレベルの高い思考の習慣を身に付けることができます。
ここでは、レストランの売上の仮説を立てる例を紹介しましたが、あなたの興味のある分野で構いません。
トレーニング3|フレームワークで考えてみる
ビジネスで使われるフレームワークとは、考えるためのツールです。
世の中には、多くのフレームワークが存在しています。ですので、このフレームワークを使って、仕事でもプライベートでもガンガン使っていくと良いでしょう。
たとえば、セールス現場で「相手が自社の商品に興味があるか?」を見極めるのは、非常に難しいですよね。しかし、セールスのフレーム「OATHの法則」を使えば、相手の状況をフレームにあてて対処できるようになります。
このようにフレームを使って仕事もプライベートも考えるようになるとうまくいく可能性を上げることができます。
トレーニング4|「結論は○○、その理由は3つです。」と話の最初に言う
アイデアを発表するとき、質問に答えるとき、「結論は○○、その理由は3つです。」と先に言ってから、話を始める方法です。
先に理由が3つと宣言しているので、嫌でも理由を探さないといけなくなります。こうすることで、頭の回転を早くするトレーニングができます。
このやり方は、元マッキンゼーの方のセミナーに出たときに聞いた手法です。コツは、理由が3つなくても「理由は3つです」と先に言うことです。どうしても理由が3つ出てこなかったら、3つ目は2つ目と似ていますが、○○です。と答えればOKです。
トレーニング5|人の意見を、クリティカルに批判してみる
会社のミーティングや新聞のコラムでも構いません。相手のアイデアを批判してみましょう。このとき、So what? why so? True?を意識してみましょう。
相手の意見の中で、課題、結論、根拠を見分けることの難しさや、議論が不十分な部分に気づくことができるでしょう。
その上で、相手の意見をブラッシュアップするには、どうすればいいのかを考えてみましょう。
上記で紹介した内容に加えて、論理的思考力を鍛える方法を詳細に解説した記事があります。
ぜひこちらを読んで思考力を鍛えてみてください。
クリティカルシンキングをより深く学ぶなら|あなたに合わせたオススメ本を紹介
ここでは、クリティカルシンキングをより深く学ぶための、オススメの本を紹介します。
経済面や時間面を考慮して、ご自身にあったものを選択して学んでいくことをオススメします。
「クリティカルシンキングを最近知った」あなたへ
初心者向けの本として、こちらがオススメです。図がたくさん使われており、とにかく理解しやすい。問題解決とは、クリティカルシンキングとは、について全体の概要を使うにはもってこいの本です。
またマンガで読みやすさを大切にしたいあなたには、こちらもオススメです。タイトルはロジカルシンキングですが、クリティカルシンキングと、あまり意味が変わりませんので、安心してください。
「就活に必要なレベルになりたい」あなたへ
こちらの本は、初心者というよりは中級者向けです。図もたくさん使われており、比較的わかりやすいのが特徴です。
ただし本はかなり分厚く、情報量はかなり多いです。クリティカルシンキングの全体概要から詳細までを把握するには最適です。
外資系コンサルに行く場合は、高いレベルの思考力が試されます。したがって、一般的なトレーニング用の書籍では足りない場合も多いです。
そこで、外資系コンサルのレベルであれば以下の書籍でトレーニングすることをオススメします。
簡単にこなせるテキストではありませんが、高いレベルを目指すなら、ぜひチャレンジしてほしい一冊です。
「実務で応用したい」あなたへ
著者の安宅和人氏は、マッキンゼー出身の方です。イシューの重要性。つまり、問題設定の重要性を書いています。
この記事でも述べていますが、重要度は 問題発見>問題解決 です。それは問題発見、つまり解決すべき問題の設定を間違えたら、どれだけ解決しても意味がないからです。
また、本の中でも述べられていますが、実務経験を数年やってから読むと実感をもって読むことができるので、社会に出てから数年経った人にはとてもオススメの一冊です
「本気でクリティカルシンキングを学びたい」あなたへ
ビジネススクールで有名なグロービスの発行している書籍です。ケーススタディをベースに、クリティカルシンキングを理解していく書籍です。
とても学びが深い分、読む側にも相応の気力と理解力が要求されるので、本気でクリティカルシンキングを学びたい方が読むことをオススメします
「より高みをめざす」あなたへ
かつて、アメリカの教育では、論理学という授業の一部として、クリティカルシンキングを受講することになっていました。
クリティカルシンキングの授業をとらないと、論理学という授業を取れないようになっていたのです。
そのため、クリティカルシンキングを習得したいなら、論理学に触れてみるのもオススメの学びかたの一つです。
論理学の入門書としては、こちらがオススメの書籍です。非常に分かりやすいので、まずは手にとってみるといいでしょう。
さらに深く学ぶなら|セミナーや講座を紹介
さらに深くクリティカルシンキングを学ぶなら、セミナーやビジネススクールに行くことをお勧めします。
オンラインのセミナー
大前研一氏が代表取締役を務める会社。eラーニングでのオンライン教育プログラムが充実。ロジカルシンキングの講座だけでなく、問題解決力トレーニングなどのプログラムもあります。
リアルのセミナー|グロービスなど
グロービスという社会人スクールでは、クリティカルシンキングの授業を開講しています。
補足|グロービスのクリティカルシンキングコースを受講した人の体験談
私の友人もクリティカルシンキングの授業を学んでいました。彼は、30代の男性ですが、以下のように述べていました。
きっかけは、会社負担で受講できることでした。社会人に必要なスキルなので、一度は受けておいたほうがいいと思ったのが受講の決め手です。
通学してよかったのは、一緒に学ぶ仲間から刺激をもらえる点です。
また、会社では決まった人としか話さないので、講座で様々な企業から参加している人と話ができるのは刺激になります。
有志で集まって、勉強会を開いていて、厳しくも楽しく学ぶことができました。
しかし、デメリットもありました。東京での授業だったので、地方から通うのは大変でした。
また、授業はかなりしんどかったです。いつもと違う頭を使ったので、課題提出はいつもギリギリでした。
もし、参加を考えているなら、以下の人はお勧めです。
・週末などの休日を使ってでも勉強したい人
・会社で働く人とは違う価値観を持った人から刺激をもらいたい人
クリティカルシンキングの注意点
クリティカルシンキングは、ビジネスパーソンとして活躍するために重要な思考法のひとつです。
しかし、これだけを習得すれば仕事がうまくいくようになるわけではありません。
なぜなら、他にも重要な思考方法や考え方があるからです。実際、以下で紹介されているのは、クリティカルシンキングと同じか、もしくはそれ以上に重要な考え方です。
水平思考(ラテラルシンキング)
水平思考は、別名ラテラルシンキングとも呼びます。クリティカルシンキングが、「縦に深堀りする」問題解決なのに対して、水平思考は、「横に見渡して」問題解決をしていく考え方です。
水平思考を使うことで、「想定の範囲外からの驚くような問題解決」が可能になります。
センターピン思考
センターピン思考とは、「選択と集中」を行うべき「重要な部分を見極める思考」のことです。
たとえば、ボーリングで高得点を取るには、センターピンを狙いますよね。なぜなら、センターピンを倒せば、後ろのピンも、同時に倒れてくれるからです。
もちろん、ボーリングでは、一投目から「端のピン」を狙う人がいないでしょうが、ビジネスの現場では、センターピン思考をできる人が意外と少ないものです。
詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみると良いでしょう。
TOC(制約理論)
TOCとは、制約理論のことです。さまざまな問題をつなぎ合わせることで、本当の問題を見えてくる、という問題解決の手法です。
多くの問題解決では「木を見て森を見ず」、つまり部分最適になりがちです。しかし、制約理論を使った問題解決では、問題のつながりを捉えることができるため、全体最適が可能になります。
ロジックよりも大切なこと
「人を動かす」の著者、Dale Carnegie(デール・カーネギー)は言いました。
およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということを、よく心得ておかねばならない。
たしかに、論理的に考えることは、人を説得するのに重要です。しかし、それ以上に感情も大切です。最終的に人が行動するのは「感情」です。
どれだけ論理的に正しくても、言い方が厳しかったり、意見を押し付けたり、相手を否定したりすれば、相手は動いてくれません。相手へのリスペクトがないと「この人の言うことはわかるんだけど・・・なんか嫌」となってしまう。結局、行動してくれないとなってしまいます。
クリティカルシンキングで順序だてて考える力は重要です。しかし、それだけでは人は行動しません。人は、最終的には感情で動く。この認識を持っておくと、クリティカルシンキングの力をさらに活かせるでしょう。