マクロを組むとは、一言でいえば「いくつかの工程を作業の自動処理させる」ことです。
たとえばエクセルマクロを使えば、エクセルが絡む作業を自動処理させることができます。
またマウスにマクロを組んで設定しておくと、マウスのボタンを押して登録したマクロを実行させることができます。
しかし上記のように「自動処理させること」と言われてもイメージがわかないと思います。
このページでは、マクロの組み方やマクロを組むメリットなどを紹介していきます。
・マクロを組むメリット
・エクセルマクロの事例
目次
マクロとは何か?
マクロを組むとは何かというと、一言でいえば「いくつかの工程を作業の自動処理させる」ことです。
早い話、マクロを組めば仕事がボタン一つで終わるようになります。
たとえば、以下の動画はエクセルマクロを組んで、仕事で活用できる事例を紹介している動画です。
エクセルマクロVBAで出来ることって何? 15の事例で解説
マクロを組めば、上記の動画の事例以外にもいろいろなことができるようになります。
どんなことができるか知りたいなら、以下のページでも紹介しています。
このようにマクロを組めば、仕事を自動処理でサクッと終わらせることができます。
ただしマクロを組むには、実行させるための装置を作成する必要があります。
実行させるための装置(プログラムなど)とは何か?
実行させるための装置とは何かというとプログラムのように、どのような処理を実行させるか定めた手順が必要になります。
この手順とは、エクセルマクロで言えばVBAプログラムだったり、最近はノンコーディングで自動化処理を作成できると言われているRPA(Robotic Process Automation)などが該当します。
ここでは実行させるための装置(プログラムなど)を手順書として説明していきます。
要はPC(パソコン)で自動処理させるための手順書です。
たとえばパソコン作業に限らず、誰かに仕事をやってほしいとき、手順書やマニュアルを作ることがあります。
掃除の手順だったり、電話対応マニュアルだったりはイメージがつきやすいかと思います。
そしてPCに作業を自動処理をさせるときに必要になるのが、プログラムだったりPRAのツールだったりするのです。
ツールに応じて記述する言語が変わる
このときプログラムやRPAツールは、それぞれの言語を持っているため、それに合わせて記述をしていく必要があります。
俗に言うプログラミング言語です。
日本で働いてれば多くの場合、仕事の手順書やマニュアルは日本語で作成します。
しかしプログラムやRPAツールでは、それぞれに規定された言語で記述をしないといけません。
エクセルではVBAを使ってマクロを記述する
エクセルやワードなどのMicrosoft Officeのツールでは、VBA(Visual Basic for Applications)を使ってマクロを作成することができます。(他の方法もあります)
たとえば、エクセルマクロでは、以下のようなプログラムを作成します。
1 2 3 4 5 |
Sub macro1() Range(A1).Value = 5 Range(A2).Value = 15 Range(A3).Value = 3 End Sub |
上記の記述で、セルA1,A2,A3に値を出力することができます。
ゲームやマウスのマクロの組み方
オンラインゲームなどで自動操作するためにマクロを組むことができます。
マクロを組むことで、キャラクターを自動回復したり敵を自動で倒したりできるようになります。
またマウスにマクロを当てて、マウスボタンの操作でマクロを実行させることもできます。
しかしこのページでは、ゲームやマウスのマクロの組み方については解説しません。
エクセルやワードといった仕事で使うマクロについて解説していきます。
エクセルマクロの例|仕事で使えるサンプルコード(ダウンロード可)
エクセルマクロのサンプルとして、以下で仕事で使える事例を紹介しています。
上記のリンクからダウンロードできるページを紹介しています。
参考になりそうなものを見つけていただき、仕事で役立てていただければと思います。
エクセルでマクロを組むメリット・デメリット
エクセルでマクロを組めるようになると、仕事をボタン一つで終わらせることができるようになります。
しかも、一度エクセルマクロの自動化の流れを作っておけば、次に作業するときは、ボタンを押すだけで仕事が終わらせることができます。
ただし、マクロを組むメリットもあれば、デメリットもあります。
マクロを組むメリット
マクロを組むメリットには以下があります。
2. エクセルをインストールしていればすぐに使える
マクロを組むメリットについて、詳しく紹介していきます。
メリット1. 関数ではできなくてもマクロならできる
エクセルマクロを使えば、関数でできないことができるようになります。
たとえば、関数ではエクセルの自動計算はできます。
しかしエクセルマクロを使えば、報告書を自動で作成したり、自動でメールを送信したりできるようになります。
詳しくはこちらの記事で紹介していますので、合わせてよんでみてください。
メリット2. エクセルをインストールしていればすぐに使える
もし仕事でエクセルを使っているなら、すぐにマクロを使うことができます。
実際にエクセルを開いた状態で、[Alt] + [F11]のショートカットキーを押すと、マクロの編集画面を起動できます。
しかし、エクセルVBAではないプログラミング言語であれば、プログラムの中には事前にインストールする必要がある場合があります。
一方でエクセルマクロはエクセルさえあれば、気軽に始めることができます。
この点は非常に便利です。
マクロを組むデメリット
マクロを組むとメリットもありますが、デメリットもあります。以下のようなデメリットがあります。
2. マクロをメンテナンスできる人が少ない
マクロを組むデメリットについて、詳しく紹介していきます。
デメリット1. プログラムを作るスキルを学ぶ必要がある
マクロを組むにはそれなりの知識が必要です。
VBAを実際に仕事で活かそうと考えたら、たとえば以下のプログラムを作成する必要があります。
しかし、プログラム作成は2,3日勉強して、すぐにできるようになるスキルではありません。
うまく学ばないと、ぜんぜん身につかないこともあります。
勉強方法については、以下のページでまとめています。
興味がある人はご覧ください。
デメリット2. マクロをメンテナンスできる人が少ない
エクセルマクロを使える人は職場に多くない場合があります。
実際、以前私が働いていた部署では50人いて、エクセルマクロを使えるのは私だけでした。
ただし他の部署には数名使える人がいましたので、私の肌感では50人-100人に1人くらいが使えるスキルというイメージです。
そのため、マクロを組んだ人が異動や転職でいなくなると、メンテナンスできなくなります。
実際に私は他の部署からマクロのメンテナンスを依頼されたことがあります。
マクロを作成した人が退職してしまい、メンテナンスができなくなってしまったのです。
ただしこの件はマクロをメンテナンスできるくらいのスキルを身につければ、仕事で活躍できる人材になれるということも意味しています。
マクロのメンテナンスができる人が少ないことはデメリットでもありますが、同時にメリットでもあります。
「マクロを組むことができる」とは、どの程度のレベルをいうのか?
マクロについて言葉は知っているけれど、どの程度のレベルならマクロを組むことができるといえるのかと疑問を持つ人は少なくありません。
そこでマクロを組むことができる人のレベルを紹介します。
私が考えるマクロを組むことができるレベルは、以下の通りです。
レベル2|部署やチーム内の仕事をマクロ化できる
レベル3|社内システム(部署間)をマクロで組むことができる
(社内システム以上の大掛かりなシステムはエクセルマクロには向きません。)
具体的には以下で解説します。
レベル1|自分の業務をマクロを取り入れることができる
自分の業務にマクロを取り入れることができるレベルです。
たとえば、自動記録で作ったマクロを使って、自分の業務の2,3割を自動化するくらいできるのがレベル1です。
1時間の業務を30分に削減したり、細かい作業を自動化したりできます。
正しく勉強すれば、数日でここまで出来ます。
ただし、このレベルの人は、自分のやりたいことはあるけれど、エラー対処ができません。
自動記録を使うことはできるけれど、ウェブや本で入手した情報を活用しきれていないレベルです。
レベル2|部署やチーム内の仕事をマクロ化できる
部署やチーム内の業務をマクロ化できるレベルです。
具体的には、取引先別の資料やデータ集計を自動で作成できるレベルです。
請求書マクロ
データ集計
上記のマクロを組むことができれば、レベル2です。非ITの部署であれば、エクセルマクロができて賢いという評価を受けます。
このレベルであれば、マクロを組むことができるといえます。
ただし他部署が絡んでくる仕事となると、少し難易度があがります。
というのも他部署が絡むと、事前にエラーが出ないような工夫をしたり、他部署の要望をプログラムに落とし込んだりする必要があるからです。
それでも部署やチーム内のなじみのあるプログラムを作成できるようになれば、レベル2です。
そして十分にVBAを使えるレベルと言えます。
レベル3|社内システム(部署間)をマクロで組むことができる
レベル3は、社内システムを構築しエラーに事前に対処できるレベルです。
また、エラーが出ても、即座に対応して、マクロを組み直すことができるレベルです。
周囲からは、IT技術者という印象をもたれます。
たとえば、以下のような社内で使うシステムを作ることができればレベル3です。
・ウェブサイトから自動で情報を取得し、グラフ化:50時間削減
社内システム級のマクロを組むと、年間10時間以上はカンタンに削減できます。
社内システムの構築では、人為ミスを減らすことがカギです。
なぜなら、自分以外の誰かが使うからです。たとえば、他部署の人が、日付を入れ込むところに、売上を入力してしまうことがあります。
そうならないようにするため、売上の数値を入れたら、警告がでるマクロを組むことで、人為ミスが出ないようにする必要があります。
そうでないと社内システムとして機能しません。
このレベルでマクロを組むことができれば、レベル3です。
ここまでくると、基幹システムの1つを作るイメージです。
ただし、レベル3では、仕事全体の流れを掴む力が必要になります。仕事の流れを掴む力がないと、効率的な社内システムを作成することができません。
まとめると、マクロを組むことができるのは、レベル2で十分です。しかし、本当に仕事で使えるレベルでマクロを組みたいなら、レベル3まで必要です。
なおVBAでそこまで作成することはあまりないかもしれません。
さてレベル3を目指すのはカンタンではありません。もし、あなたが初心者なら、マクロを使うところからはじめてみましょう。
レベルに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある人は読んでみてください。
マクロを学習する前にやっておくべきこと
マクロを使えば劇的に業務効率化に行うこともできるようになります。ただし、1,2日で習得できるものではありません。
そのため、効率よく学んで行く必要があります。そのとき大切なのがマクロを始める前の準備です。
実はマクロの勉強を始めるときに、あることをやっておくと効率的に学べるようになります。
逆にやらないままマクロの勉強を行うと、習得まで時間がかかってしまいます。
こちらのページで、マクロ学習前にやっておくべきことをまとめておきました。ぜひ読んでみてください。
マクロの組み方!組む方法は2つある
マクロを組む方法には、主に以下の2つがあります。
2. マクロを手書きで作成
ここではエクセルマクロについて書いていきます。もちろんワードやパワポ、アウトルックでもマクロを組むことはできます。
しかし、仕事を効率化する上でエクセルがもっとも効果が大きいので、エクセルマクロをで紹介していきます。
組み方1|マクロの自動記録
エクセルマクロには、自動記録と呼ばれる機能があります。
これを使えば、エクセルがプログラムを自動で作成してくれます。
そのため、マクロの知識が少なくてもマクロを作成することができます。
しかし、デメリットがあります。条件分岐と繰り返しの2つができません。
条件分岐とは「もし~なら、…する」という条件に応じて処理を変更することです。
たとえば、「Aの場合であれば1」「Aの場合でないならば0」といったことができません。
また、繰り返しとは、「1行目から1000行目まで1行ずつ処理する」といった範囲内に同じ処理を繰り返すことです。マクロの自動記録では繰り返し処理ができません。
詳しくは、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
組み方2|マクロを手書きで作成
マクロは手書きで書くことができます。
もしマクロを組むのであれば、手書きで書けるようになることをオススメします。
なぜならできることが広がるからです。
たとえば、マクロの自動記録でできない条件分岐と繰り返しができます。
他にも手書きであれば、報告書を自動作成したり、アウトルックから自動でメールを送ったりできます。
もちろん、手書きでマクロが書けるようになるためには、知識やスキルが必要です。実際に、多くの方がマクロを手書きできるスキルをもっていません。
しかし、マクロの学び方を間違えなければ、手書きは難しくありません。
手書きでマクロを組む方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。合わせて読んでみてください。
マクロを基礎・基本から学ぶには
もしマクロを学びたいなら、最初にやるべきことは、自分でマクロの基本を学ぶことです。
なぜなら基本を理解すれば、なんとなくでも読めるようになるからです。
一度読めるようになれば、ウェブのサンプルプログラムを入手して、使えるようになります。そのあとは、わからない部分をウェブで調べればなんとかなります。
もし、マクロの基本を習得したいなら、こちらの無料動画がオススメです。マクロの使い方から自分で編集するためのコツを紹介しています。
実際に私もこの無料動画を試しました。実は本を読んでもチンプンカンプンだったのですが、本よりもバツグンに分かりやすい説明でした。そのおかげで、すぐにマクロを使えるようになりました。
無料で今スグ動画で勉強を始めることができます。ぜひこちらの無料動画を参考にしてみてください。
エクセルマクロVBAを学ぶときに役立つ動画
以下の動画も合わせてご覧いただくとエクセルマクロの理解が深まるはずです。
エクセルマクロVBAを全力で解説してみた
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エクセルマクロの変数とは?使い方(3ステップ)と3つのメリットを徹底解説
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マクロを使って無料の作業効率化ツールを作る
エクセルマクロVBAを使うと作業効率化ツールを作成することができます。
たとえば以下のようなことができます。
・エクセル文章を和訳するGoogle翻訳ツール
・Outlookメールを個別作成し一斉送信|添付ファイルも付ける
・VBAで複数フォルダを階層別に一括作成|エクセルマクロでサブフォルダも生成
・VBAでフォルダ内のファイル名を取得!再帰的に階層別にサブフォルダも対象にしてエクセルへ一覧を出力
詳しくは以下のページでまとめています。
初心者向けのエクセルマクロVBAの練習問題と動画
エクセルVBAの学習については、以下の練習問題や動画集をご利用いただくとよりスムーズに理解できるかと思います。
ぜひご活用ください。