パソコンスキルの教科書

似たような意味ですが、ニュアンスにやや違いがあります。

段取りは仕事全体の計画や手順を指し、準備は作業一つ一つの事前用意を指すことが多いです。もちろん、準備という言葉が段取りの意味で使われることもあります。

ただ、大切なのはどのような文脈で使われているかです。なぜなら、言葉のイメージの違いは人それぞれで違うからです。

例えば、この記事では、段取りのことを仕事全体の計画としています。しかし、人によっては準備を仕事全体の計画と考える人もいるはずです。

このとき、段取りや準備の違いは重要ではありません。その言葉をどのような意味で使用しているかが重要なのです。

結局のところ、相手と同じイメージを共有できれば、どのような言葉を使っても大差ありません。

そのため、ここでお伝えしている段取りのことを準備という言葉で表現するのは何ら問題ないと言えます。

なぜ納期遅れが起こるのか?

段取りを組んでも実際の仕事は納期遅れが発生することあります。遅れるのが当然になっている部署やチームもあります。

とくに、以下のような形でスケジュール管理やタスク管理をする人は、納期遅れが当たり前になっている可能性が高いです。

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なぜ、上記のようなスケジュール管理やタスク管理をすると、納期遅れが発生するのでしょうか。

スケジュール管理やタスク管理の方法を知らないから

スケジュールやタスクの管理をしているつもりでも、納期遅れが発生するのは正しい方法論を知らないからです。

多くの人がやっているのは、周囲がやっている方法をマネした自己流なのです。

たとえば、仕事が遅れる原因の多くは、後になって新しい要求が追加されたり、必要項目に抜けに後で気づいたりすることで発生します。

実際に、私も「なぜ今になって…」と、何度も経験してきました。結局、仕事の納期ギリギリになって、「これがない」や「あれもない」となってしまいます。

このように、納期遅れが発生する理由は、正しい方法論を知らないからです。

従来のスケジュール管理やタスク管理では仕事のつながりが分からない

なぜ、納期ギリギリにならないと、気づくことができないのでしょうか。

その理由は、タスクの一覧表でのスケジュールやタスク管理では仕事のつながりが分からないからです。

たとえば、作業の一つに「会場のレイアウトを決める」があります。会場のレイアウトを決めるのは一見、簡単なように見えます。

ただ、実際に会場のレイアウトを決めようとすると、その前に決めておかないといけないことがあることに気付きます。

・参加者の人数
→参加者の人数が分からないと会場レイアウトを決めようがない
・当日の勉強会の内容
→当日の内容が分からないと適切な会場レイアウトが決まらない
(グループごとに机を用意するのか? ライブ会場のようにイスだけにするのか? 学習塾のようにイスと机を並べるのか?)
・そもそも会場はどこか
→会場が大きさが分からないと、何席のイスを用意したらいいかわからない

つまり、会場のレイアウトを決める前に決めることがあるのです。

そして、このような項目は実際に担当者が作業をやろうとしたとき決まっていないことが表面化するのです。

そして、「参加者の人数」や「当日の内容」を慌てて決めないといけなくなるのです。

その結果、納期ギリギリになってあらゆることを一気に決めなくてはならない状況に陥ってしまいます。

正しいスケジュール管理やタスク管理の方法とは

それでは、正しいスケジュール管理やタスク管理の方法とは何でしょうか。

それは、「いつまでに何を終わらせるかが分かる」ようにスケジュールやタスク管理をすることです。

したがって、目指すスケジュール管理やタスク管理は以下のようになります。

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このスケジュール&タスク管理表を見れば、ゴールまでの間にどのような作業があって、何から着手すればいいのか一目でわかります。

そして、これを見れば仕事を効率よく進めていくには、全体像を把握し時間がかかりそうな作業から着手していくのがポイントです。

上記の仕事で言えば、以下の黄色のタスクの流れがもっとも時間を要するタスクだとわかります。

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実際、私も事前にプロジェクトが始まる段階で、上記のようなスケジュール&タスク管理表を作成しチームに共有するようにやり方を変更しました。

そうすることで、納期遅れのリスクがグッと減りました。それでは、以下でこのスケジュール&タスク管理表の作成方法や作り方を紹介します。

仕事の段取りや計画を立てるときの作成手順や作り方を5つステップで解説

ここでは、セミナーや勉強会開催の段取り表を作成する方法を解説していきます。

ステップ1|この仕事で達成したいゴールを決める

最初のステップでは、この仕事で達成したいゴールを決めます。ゴールにはいくつかありますが、ODSCで設定することをお勧めします。

ODSCとは、Objective, Deliverables, Success Criteriaの頭文字をとったフレームワークです。目的を言語化するときに使われます。

ODSCをお勧めする理由は、プロジェクトに参加する人の達成したいゴールが異なるからです。そのため、自分が仕事をする意義を明確するほうが生産性が上がるのです。

例えば、他の人の目的に合わせると仕事がつまらなります。

実際、他人から「やりなさい」といわれてやる気を出すのは簡単ではありません。

しかし、自分でやりたいと思うことなら、少々辛くてもやり遂げた経験がある人は少なくないはずです。

そのため、まずはこの仕事を通じて自分の達成したいことは何かを見つめることが第一歩となります。

ODSCの使い方は以下です。

ODSC 意味 事例
Objective 目的 ・勉強会の参加者に成果を出してもらう
・自分の学びを促進する
・運営をサポートしてくれる人が成長する
Deliverables 成果物 ・次回以降の勉強会で使う資料
・勉強会の仕組み(自動化)
・お客さんの声
Success Criteria 成功基準 ・参加者が20人を超える
・「もう一度参加したい」といわれる
・楽しかったといわれる
・売上10万

上記の表の一番右側には私の事例を記載しました。私はこの表を見直すようにしています。

これを見直すことで、仕事をやる意義や目的を再認識してやる気が復活してくるからです。

もしODSCを読み返したとき、この仕事に対するやる気が出てこないなら、もう一度ODSCを見直すことをお勧めします。

それでもやる気が出ないなら、仕事に参加しないほうがいいでしょう。

ステップ2|仕事のゴールから逆算してタスクを洗い出す

仕事のゴールを設定したら、最終地点から逆算してタスクを出していきます。

例えば、勉強会当日に準備万全で望むことをゴールとします。

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そうすると、そのゴールに対して必要タスクを洗い出します。

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そして、その必要タスクに対する子タスクも洗い出します。

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これを繰り返し、全タスクを洗い出します。

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ステップ3|タスクが順番通りに並んでいることを経験者に確認する

タスクの洗い出しがほぼ終了した時点で、一度経験者に流れを聞きます。そうすることで、タスクの抜けや漏れがないかどうかを検証するのが目的です。

なぜなら、経験が浅い人の場合、タスク達成のために何が必要なのか分からないことが多いからです。

実際、経験者に聞いたとき「お菓子」があるというアドバイスがもらったことがあります。

最初に私が作成した表にはお菓子が含まれていませんでした。そもそも必要だとさえ思っていなかったからです。

ただ、経験者に聞いてみると、勉強会でのコミュニケーションを円滑にしたり栄養補給のためにはお菓子があるといいと助言をもらったのです。

そこで、入れ込みことにしました。

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このように、経験者に聞くことでさらに目標達成しすいような状況を作ることができるのです。

ステップ4|各タスクの納期と担当者を割り振る

各タスクの流れが決まったら、それぞれのタスクに対して

・納期
・担当者

をそれぞれ決めます。そして、それを管理表に入れ込みます。

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このとき、担当者は自主的にやりたい人を募るが大切です。なぜなら、決めつけでタスクの担当を決めると、仕事が進まないリスクが増えるからです。

例えば、「Aの仕事は△△部署がやるべき」という決め方をすると、「なぜ私がやらないといけないのか」という気持ちが芽生えてしまいます。

そのため、まずは自主的にやりたい人を募ることをお勧めします。

ただ、どうしても分担が決まらない場合は、「このタスクはAがやるので、あのタスクはBがやってほしい」といった譲歩案で決めることをお勧めします。

そうしないと、押しつけでタスクを分担すると、反発が生まれて仕事全体が上手くいかなくなる可能性が高くなってしまいます。

私の経験からみても自主的にやりたい人を募るのが、仕事をスムーズに進める上でベターです。

ステップ5|実際に運用して抜け漏れがあれば、都度改善する

担当と期限を決めたら、すぐにスケジュール管理表の運用を開始します。そして、ステップ5では実際に仕事を動かしながらステップ1~ステップ4を見直して修正をかけていきます。

なぜなら、実際に仕事を始めると抜けや漏れに気付くからです。

実際、上記の段取りではセミナー会場当日のタイムライン作成が抜けていました。

そのため、タイムライン作成を追加し、セミナーアシスタントの当日の動きがスムーズになるように改善することができたのです。

このように、実際に仕事を進めることで見えてくる作業があります。仕事を始めてみて初めて見えてくるタスクはどうしてもあります。

そのため、ステップ1~ステップ4で完璧を目指しすぎずに、ステップ5で見えてくるものあると割り切って進めることが大切です。

段取りも途中で修正していく気持ちで進めれば問題ありません。

この記事で紹介したスケジュール&タスク管理はフローチャート作成エクセルで作れる

この記事で紹介したスケジュール&タスク管理は、以下の記事でダウンロードできるエクセルを使えばラクに作成することができます。

フローチャート作りのために作成したエクセルのツールですが、スケジュール&タスク管理に応用できます。

フローチャート(フロー図)を作成できるエクセルフリーテンプレート|マクロVBAを活用
フローチャートを作成できるソフトやアプリは数多く紹介されています。しかし、それらのソフトはインストールする手間がかかったり、使い方を覚えるまでが面倒だったりすることが多いです。 その原因は、使い慣れていないソフトやアプリ […]

無料でダウンロードできるので、ぜひご活用ください。

仕事の段取り、スケジュール管理、タスク管理の本に効く1冊はこれ

段どりの本で、オススメはCCPMの本です。CCPMとは、Critical Chain Project Managementの略で、プロジェクト管理の手法の中で有名な手法です。

最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント

これは、TOCとよばれる考え方をベースにしたプロジェクトマネジメント(段取り作り)の方法です。

ここで紹介した方法はCCPMをベースに私なりにアレンジをいれたものです。これを知っておくと、プロジェクトの正しい進め方が分かるようになります。

実際、私の仕事も納期遅れを大きく減らせることができました。

かなり強力なツールといえます。ただ、しっかり理解しないと段取りは作ったけれど、絵に描いた餅で終わってしまいます。ぜひ、本を読んで実践してみてください。

段取りを組むより作業を自動化する

ここまで、段取りの組み方を記載してきましたが、段取りを作るより作業そのものを自動化する方が効果的なことがあります。

たとえば、月末処理で何百、何千といったデータを処理する場合です。このような仕事はミスが生じてしまうものです。

例えば、段取りを組んでダブルチェックや必要項目をチェックしたかどうかの確認作業を入れようと考える人がいます。しかし、段取りを組んでも、人為的ミスがゼロになることはありません。

人がやるから以上、ミスはついてまわるからです。このようなケースは、エクセルマクロのような自動化ツールを活用して、作業そのものを自動化することを検討するのをお勧めします。

エクセルマクロについては、こちらの記事で解説していますので、あわせて読んでみてください。

●エクセルマクロで「できること」とは?
●エクセルマクロとは? メリットや利点を解説
●エクセルマクロのサンプルファイルを無料ダウンロード

段取りや計画を作る力は実践やるほど磨かれる

ここまで段取りや計画を作成する方法をお伝えしてきました。この記事を見れば、できるような気がしてくる人も少なくないはずです。

しかし、多くの人はここで紹介した内容を実践しません。読んで満足したり、段取りは作ってみたけれど私の仕事には合わない考えたりして終わってしまうのです。

ただ本当に「段取りや計画の作る力を上げたい」、「納期前倒しで仕事を完遂させたい」と思っているのであれば、ここで紹介した方法を実践することをお勧めします。

というのも、段取りや計画を立てる力は実践の中で磨かれるからです。実際にやってみて、「ここがダメだった」や「もっとこうすればよかった」といった改善点が見えてきます。

それを修正していくことで、さらにレベルの高い段取りや計画を立てることができるようになります。

実際、私も最初からこの段取りの組み方をしていたわけではありません。色々な手法を試しながら、改善してこの方法を採用しています。

ぜひ、まずはここで紹介した手法を使って段取りや計画を立ててみてください。そして、自分なりの方法に改善してよりよいものしていくことを期待しています。