仕事をしている人の中には、同じ作業や繰り返しの仕事に苦手意識を感じる人がいます。
実は、私自身もその一人です。同じ仕事を2回すると飽きてしまいます。
しかし会社で働く場合、飽きてしまったとしてもそれをやり続けなくていけません。
それでは、繰り返しの仕事が苦手な人はどのように仕事を進めていったらいいのでしょうか。
それは仕事を仕組み化することです。ルーティンワークを効率化し、誰でも出来るようにするのです。
私もこの仕組み化を意識してから、繰り返し作業に対する苦手意識をグッと減らすことができました。
そこで、仕事を仕組み化するために知っておいてほしいコツやポイントを紹介していきます。
目次
単純作業やルーティン業務が苦手でもいい理由
単純作業やルーティン業務に苦手意識を感じる人にお伝えしたいのは、苦手なままでいいということです。
なぜなら、単純作業やルーティン業務が苦手でも会社やチームに十分に貢献することは可能だからです。
その理由は以下の3つです。
理由2|自分の得意な部分を伸ばしたほうがいい
理由3|単純作業ができなくても、自分の関わり方で仕事の評価はもらえる
以下で詳しく紹介していきます。
理由1|単純作業やルーティン業務はそもそも価値が低い
世の中には、何をすればいいのか決まっている仕事があります。
例えば、マクドナルドでハンバーガーを作る仕事では、やることが明確に決められています。
0秒でバンズ(パン)を焼いて、△秒以内に商品をお客さんに届けるといった形です。
このような仕事の場合、新人であろうが10年以上勤務経験があろうが慣れればすぐに仕事ができるようになります。
これは工場の現場作業でも同じことが言えます。
単なる流れ作業であれば、マニュアルを読んで一緒に仕事をすれば、誰でも行うことができるようになるのです。
ただ、このような仕事は誰でも出来るからこそ価値が低いといえます。
実際、マクドナルドの時給は高くて1200-1300円です。
しかし、クリエイティブな仕事はどうでしょうか。外資系戦略コンサルタントの中には時給7万円で働く人もいます。
このように、単純で誰でも出来るような作業であるほど価値が低いのです。
理由2|自分の得意な部分を伸ばしたほうがいい
単純作業が苦手な人ほど、単純作業ができないことをコンプレックスに感じがちです。
しかし、苦手な部分を補うより自分の得意な部分を伸ばすほうが効果が高いです。
なぜなら、苦手な分野を伸ばそうとしても伸びないからです。
例えば、歌が下手な人が音痴を直そうと努力してもムダに終わることが多いです。
音痴の例であれば、簡単に気づくことができます。ただ単純作業となると誰でもできるはずと考えてしまうのです。
しかし、実際は単純作業が苦手な人は数多くいます。実際、人間の性格は半分が遺伝で決まってしまうことが報告されています。
このように、伸ばそうと思っても伸びない分野があります。できないこと(音痴の人が歌がうまくなろうとすること)を目指すのは適切とは言えません。
理由3|単純作業ができなくても、自分の関わり方で仕事の評価はもらえる
理由2でお伝えした通り、自分の苦手な分野を伸ばそうと努力してもほとんど伸びません。
しかし、単純作業をやる必要がある場合、苦手な分野でもやらないといけない状況があります。
このような場合はどうすればいいのでしょうか。それは、仕事の関わり方を変えるということです。
つまり、自分の得意分野を活かせるように関わるのです。
例えば、私は工場で働いていたとき、単純作業が苦手で苦労しました。
そこで、関わり方を変えました。単純作業ができない代わりに、自分の強みである業務効率化で支援することを提案したのです。
実際、エクセルで手入力でまとめていたデータをマクロで自動処理できるようにしました。
その結果、チーム内の評価が上がるだけでなく私が業務効率化にもっと専念できるよう単純作業を助けてくれる人が出てきたのです。
このように、自分自身の弱みを強みで補うことで、単純作業ができなくても仕事を円滑に進めていけるようになったのです。
単純作業が苦手な人は単純作業が得意な人と協力し合える
ここで私がお伝えしたいのは、「自分の強みを使って貢献をしてみてはどうか」ということです。
決して、単純作業が苦手だから仕方ないとあきらめることではありません。また、単純作業が得意な人を見下すことでもありません。
なぜなら、単純作業が得意なことも苦手なことも長所だからです。
例えば単純作業が得意な人はその長所を活用し、単純作業やルーティン業務で力を発揮してほしいのです。
一方で、単純作業が苦手な人は単純作業が得意な人が少しでもやりやすくなるようにシステム面でサポートをすることです。
このように考えれば、短所で苦しむことなくチーム全体のパフォーマンスを上げることができます。
ただ、単純作業が苦手な人がシステムを改善したり、仕事の進め方を変えたりしていくにはスキルが必要になります。
特に必要なスキルが仕組み化の能力です。このスキルがあれば、単純作業が苦手でも活躍することが可能です。
そこで、以下で仕組み化のスキルについて紹介していきます。
単純作業(ルーチンワーク)の仕組み化するときの5つのポイント
既に仕事として進めなくてはいけない単純作業(ルーチンワーク)の場合、仕組み化をすることで周囲に喜ばれます。
なぜなら、単純作業の仕組み化を行わないまま仕事を進めると、多くの時間を浪費することになるからです。
無駄な業務のせいで残業が増えたり、余計なミスが多発して時間が失われる危険性もあるのです。
例えば、仕事をエクセルで手入力するままにしておいたとします。
もし1回あたり30分かかる仕事であれば、月に10回で300分の時間が必要です。
しかし、仕事を仕組み化して1回あたり1分で終わるようになったらどうでしょうか。
月に10回で合計10分で仕事を完了させることが可能です。
300分が10分になれば、仕事を担当する人の作業の疲れが減るだけでなくミスを減らすこともできます。
それでは、仕組み化を進めていく上でどのようなポイントを意識すればいいのでしょうか。ここでは、下記の5つを紹介します。
ポイント2|仕事の段取りを組む
ポイント3|仕事を自動化する
ポイント4|成功事例を活用する
ポイント5|仕組み化できる仕事とそうでない仕事の違いを理解する
以下で詳しく見ていきます。
ポイント1|業務マニュアル、チェックリスト、フローを作る
仕組み化のために最もシンプルな方法は、「ミス防止のためにチェックシートを作成する」「作業手順書のマニュアルを作る」などがあります。
マニュアルやチェックリストは、「誰が取り組んでも同じ成果が出せる仕組み」を仕上げておくには簡単で、誰でも取り組むことができる方法の一つです。
例えば、マニュアルやチェックリストがあれば、自分が手とり足取り教える手間を省くことができます。
それだけではなく、担当者が産休や異動で仕事から抜けることになっても、誰かに引き継いでもらうのが容易になります。
具体的な作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせて読んでみて下さい。
マニュアルやチェックリストの作成の際には、自身のパソコンスキルを高めておくと作業が早くなります。
以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせて読んでみて下さい。
ポイント2|仕事の段取りを組む
仕事を仕組み化する上で大切なスキルとなるのが、仕事の段取りを組むことです。
なぜなら、仕事はゴールから逆算して進める必要があるからです。ゴールから逆算しない段取りでは、無駄な仕事が増えるのです。
例えば、作業の最終工程で必要な資料に気付くことがあります。これは段取りを組まずに仕事をしたことで発生する不具合の一つです。
一方で、仕事の段取りを組める人は、余計な仕事なしで業務をスムーズにこなすることができます。
仕事の段取りに関する内容は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせて読んでみて下さい。
ポイント3|仕事を自動化する
仕組み化をする上で効果が高いのが、仕事を自動化することです。
なぜなら、マニュアルにせよ段取りにせよ、理解を高めるためのものに過ぎないからです。
実際、仕事のマニュアルを作成したり段取りを組んだりしても、それだけで仕事がラクになるわけではないのです。
例えば、月末処理で何百、何千といったデータを処理する仕事があります。このような仕事はマニュアルがあっても必ずミスが生じます。
このとき、対策としてダブルチェックをしたり確認部署を増やしたりする人がいます。
しかし、ダブルチェックや確認部署を増やしたところで、ミスは減りません。
そこで、人為的なミスを減らすためにエクセルマクロのような自動化ツールを活用するのです。
これにより、人の作業そのものを減らし同時にミスも減らすことが可能です。
エクセルマクロのような自動化のスキルについては、こちらの記事で解説しています。あわせて読んでみてください。
ポイント4|成功事例を活用する
仕事を仕組み化するために意識しておきたいのが、成功事例を活用することです。
なぜなら、仕組み化を行うためには、自分の頭だけでは限界があるからです。
自分の感覚では「○○したらよくなる」と思いつくことがあります。しかし、これでは思いつくまでに多くの時間がかかってしまいます。
そこで、上手に仕事を仕組み化するためには、成功事例を知ることです。
例えば、会社の従業員やビジネスマンとして仕事に取り組んでいると、自分のやり方が上手くいったり他部署の成功事例を教えてもらったりする機会があります。
実際、「いつもよりも早い時間で仕事を終わらせることができた」「今週は、いつもよりも多くの成約を取ることができた」といったことがあります。
このような成功に巡り合ったとき、「なぜ今回は、このような成果を出すことができたのか」という点を考えるのです。
そうすることで、さらに高いレベルで仕組み化ができるようになります。
具体的には、「同じ仕事でも仕事を早く進めている人とそうでない人の違いは何か」ということを意識するのです。
特に、私が一緒に仕事をした中で感銘を受けたのが失敗事例をエクセルにまとめていたことです。
もちろん、エクセルへの入力方法も仕組み化されており、入力するとフォルダリンクにハイパーリンクされる仕組みになっていました。
これによって、ミスを減らすことに成功していたのです。
このように「成功に至ったポイント」を見つけた場合、それを活用することでさらに高いレベルで仕組みを構築することが可能となります。
成功事例としては以下の記事が参考になります。
ポイント5|仕組み化できる仕事とそうでない仕事の違いを理解する
仕事の内容によって、仕組み化できるかそうでないかが異なります。
そのため、業務の仕組み化に取り組む際には、まずは「どのような仕事であれば仕組み化ができるのか」を見極める必要があります。
例えば、仕組み化できる仕事とは、「手や足などを動かすことで進められる業務」のことを指します。一言で言えば、肉体労働です。
肉体労働の具体例としては、「荷物を運ぶ」「製品を検査する」「請求書を作成する」などが挙げられます。
機械やツールの導入によって仕組み化するのが簡単なのが肉体労働です。
一方、仕組み化が難しい仕事とは、「頭の中で考えて成果が見えづらい仕事」のことを指します。
一言で言えば、知的労働です。知的労働の具体例としては、「作業を自動化するためにプログラムを作成する」「新しいやり方を提案する」「新製品を開発する」などがあげられます。
このように考えると、知的労働によって肉体労働を仕組み化していくことが大切だと分かるはずです。
業務を仕組み化する手法とその考え方
会社やチームの仕事において仕組み化を取り入れるとき、まずは肉体労働に注目するのがお勧めです。
なぜなら、肉体労働の方が仕組み化しやすいからです。
例えば、エクセルでの入力作業は肉体労働と言えます。特に情報の入力は既にあるデータを移行させるだけです。
そのため、出来る限り仕組み化していくことが重要になります。
以下は、エクセル仕事を仕組み化するためにどのように考えて実践していったかをまとめた記事です。
参考になるので、ぜひ読んでみてください。
実際、仕組み化がうまくいけば、価値の低い作業を減らしていくことが可能になります。
また、入社したての新人社員の働きであっても、その業務をスムーズに進められるようになります。
さらに仕組み化で作った時間を知的労働に充てることができるようになります。
このように、データ移動を仕組み化することで単純作業を減らし、新しいことを生み出すための時間を増やすことを目指していきます。
これこそが仕組み化なのです。
仕組み化を行い単純作業の負担を減らす
単純作業が苦手な人の多くは、知的労働と呼ばれる仕組み化に力を注ぐのが私が提案したいことです。
なぜなら、単純作業が得意な人の多くは肉体労働(単純作業)の仕事を優先させてしまう傾向にあるからです。
ただ、単純作業が得意な人が仕組み化された仕事をすれば、もっと生産性を上げることができるはずです。
しかし、多くの人は自分自身の生産性の低さに気づいていません。
例えば「新人に指導するくらいなら、面倒だけど自分でやってしまおう」や「やることは山積みだから、目の前にある仕事から取り掛かろう」と考える人は本当に多いです。
しかし、このような形で業務を進めていると、単純作業に多くの時間をかけたままになってしまいます。
そのため、生産性の低い状態に気づかないまま多くの問題を先送りにしているだけになってしまいます。
根本的な解決策を講じないと、いつまで経っても仕事が楽になりません。
これでは、自分自身を疲弊させているだけでなく会社やチーム全体の成長も妨げてしまいます。
こうした事態を避けるため、仕事を仕組み化している能力が必要なのです。
そして単純作業が苦手な人が仕組み化を担えば、単純作業が得意な人と協力して、より助け合えるチームにすることができます。
このように、仕事は大きく分けると、頭を使わずにできる「単純作業(肉体労働)」と頭を使って取り組む「仕組み化(知的労働)」の2つに分類されます
もしあなたが単純作業が苦手なら、仕組み化のスキルを高めチームに貢献することをぜひお勧めします。