会社で仕事をしていると、ミスは起こるものです。特に社会人として4,5年目働けば大きなミスをした経験も少なからずあるはずです。
しかし、失敗した後に再びミスをしてしまう人もいれば、二度と同じ失敗をしない人もいます。
なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか。それは、同じ失敗を繰り返さない人はリスクマネジメントのポイントを知っているからです。
そこで、仕事の失敗を防ぐために私が上場企業で学んできたリスクマネジメント(失敗を未然に防ぐ方法)のポイントを5つ紹介します。
目次
仕事の失敗を未然に防ぐ(リスクマネジメント)ためのポイント5つ
仕事で失敗をしないようするには、取返しの付かないミスになる前にミスの芽を摘むことが大切です。
しかし、ミスの芽を摘むと言われても具体的にどのようにすればいいのでしょうか。それは以下の5つのポイントを押さえることで、失敗を未然に防げるようになります。
ポイント2|リスクやミスを見える化する
ポイント3|早めに対応する
ポイント4|ミスに過敏にならない
ポイント5|最後まで気を抜かない
それでは一つずつ説明していきます。
ポイント1|リスクに敏感になる
仕事の失敗を未然に防ぐための1つ目のポイントはリスクやミスに敏感になることです。
なぜなら、多くのミスは気づかないことで発生するからです。
納期直前になって、本気で資料をチェックしてはじめて「あれをやっていない」や「これもやっていない」と気付くのです。
例えば、私は新製品がある規制の要件に合致しているかどうかを他部署の人にチェックしてほしいとお願いしたことがあります。
しかし、調べた結果、その規制は社内で検証することができなかったので、外部に依頼することになりました。
そして、外部に依頼した内容をメールで通知してもらいました。ただ、私はそこで安心してしまったのです。
納期直前になって、依頼した仕事をチェックしてみると10コの項目のうち、1つを実施していないことが分かりました。
最終的に、新製品の登録納期を遅らせることになってしまったのです。
しかし、私は外部依頼した仕事の結果を納期より前に入手していました。つまり、チェックしていれば、納期遅れはなかったのです。
外部依頼すれば、必ず全てやってくれているだろうという希望的観測で仕事を進めていたのが原因でした。
このとき、私が先を見通しミスがあるかもしれないと考えていれば、このようなことは起きなかったのです。
このように、ミスやリスクに敏感になることは仕事を進めていくのに大切な能力といえます。
ポイント2|リスクやミスを見える化する
リスクがミスに気付いていても周囲に隠してしまう人がいます。しかし、重大なリスクほど積極的に開示することが大切です。
そのリスクを周囲に見えるようにすることで全員がリスクに敏感になるようにするためです。
なぜなら、上司や同僚にとって突然の知ることほど怖いことはないからです。
例えば、ギリギリになって「○○が必要です」と言われることほど厄介なことはありません。
言われた側からすれば、「なぜ今頃分かったのか? もっと早く気づいて知らせてくれればよかった」と思うものです。
例えば、ポイント1でお伝えした通り、私は依頼した仕事に抜けがあったことに納期直前で気づきました。
しかし、一度起こしたミスが二度は起きないようにチェックリストを作成したのです。以下のようなチェックリストです。
そうすることで、いつ何をすればいいのかが分かるようになりました。
結果的に私がチェックしなくてもよくなり、仕事がよりスムーズに回るようになったのです。
このように、リスクやミスを見える化しておくことで、自分だけでなく周囲の人からのチェックも入るようになります。
ポイント3|早めに対応する
当然ですが、仕事を進めていく上で早めに対応することは意識しておいた方がいいです。
特に仕事を取りまとめる側(仕事の上流)にいる人は全体感を持って仕事を進める必要があります。
なぜなら、仕事を依頼される側は複数の案件を抱えていることが多いからです。
例えば、私が勤務していたメーカーでは品質チェックの試験が間に合っていませんでした。
品質チェックとは、製品の品質や安全が問題ないことを確認するために、決められた試験を実施することです。
しかし、いくつかのプロジェクトチームが同時に試験依頼をすることがあり、依頼された側は案件が集中しパンクしてしまっていたのです。
実際、私も納期直前に仕事の抜けに気付き、試験依頼をしたことがあります。
結果的には対応をしていただきましたが、緊急対応ということで上司に無理なお願いをして実施をしてもらいました。
このことを頭に入れて進めてリスクに早めに対応すること、放置しないことが大切なのです。
ポイント4|ミスに過敏にならない
仕事をする上で、予期しないミスが起こるものです。ただミスに過敏にならないことが大切です。
なぜなら、ミスを過剰に怖れてしまうと、相手に報告するのが怖くなったり、逆に周囲がミスを隠そうとしまったりするからです。
例えば、カンペキに仕事をこなそうとする人ほど上司への報告が遅れがちです。
実際、私も入社2,3年目まではミスを指摘されることを恐れて報告が遅れてしまっていました。
一人で何とかしようとして、納期ギリギリまで周囲を頼らずに抱えて込んでいたのです。当時は、仕事量はそこまで多くはなかったので何とかなりました。
しかし、経験が増えて仕事も増加してくると、何とかならなくなってきたのです。
そこで、ミスが起きたときは自分に「ミスは起こるものだ。ただ、今後は対策を取ろう」と言い聞かせるようにしていました。
これはセルフコンパッションと呼ばれる方法であり、有効なスキルです。
セルフコンパッションを活用すれば、誰かに相談することもそこまで怖いものではなくなったのです。
ぜひ自分自身に「ミスは起こるものだ。ただ、今後は対策を取ろう」と一声かけることを試してみてください。
ポイント5|最後まで気を抜かない
プロジェクトを進めていくとき、最後まで気を抜かないことは大切です。
猿も木から落ちると言いますが、木から降りるときが最もミスが増えます。もう終わりだと思って、気を抜いてしまうのです。
例えば、海外クライアントに提出する資料を作成していたときに危険な状況になったことがあります。
製品のコア技術に関して、海外クライアントから再調査を依頼されたのです。
当時、そのクライアントからは仮契約をもらっていて、生産開始まで残り2か月を切っていました。
しかし、再調査には半年は時間がかかることが分かったのです。そのため間に合わないことを伝えなくてはならなくなったのです。
最終的に、こちらの状況を理解してもらい、生産と並行して再調査を行うことで何とか決着をつけることができました。
このように、契約間近であっても厄介なことは起こるものなのです。
ミスに気付いたときの心構え
ミスはできる限り、未然に防ぐことが大切です。しかし、どうしてもミスは起きてしまうものです。
そのため、ミスが起きたときに冷静に対処する必要があります。
しかし、ミスを発見した場合、対応を行うために関連部署や提携先企業に事情を説明し協力を要請する必要が生じます。
ミスがどうしようもない事情によるものであればまだしも、自分自身のケアレスで生じたミスは説明するのが苦しいものです。
そこで、私自身が実際に意識していたことを紹介します。
1日前に情報を得たことをラッキーだと思う
ミスを発見したり連絡を受けたりしたとき、1日前に情報を得たことをラッキーだと思うことです。
なぜなら、少しでも早く情報を得た方が対処に使える時間が増えるからです。
それこそ1秒前より5秒前に知った方が対策する時間があるのです。
例えば、地震が起きた場合を考えます。もし、1秒前に地震が起こることが分かった場合、何も対処ができません。
しかし、5秒前に地震が起こることが分かれば、物陰に隠れるといった対策を打つことができます。
この5秒の準備ができるかどうかが大きいのです。
実際、クライアントとの協議で気にかけていなかった部分を質問された場合、慌ててしまうことがあります。
ただ、事前に知ってる内容であれば、「その質問については○○という対策を行っています」と伝えることができます。
これだけで、クライアントの印象は大きく変わります。このように、たとえ1日前に情報を得たとしてもラッキーといえます。
少しでも対策をたてる時間があれば、それだけ未来を変えることができるのです。
緊急事態が生じても決してあきらめない
残念ながら、どれだけ準備をしていてもミスやリスクは避けられない場合があります。
なぜなら、自分で何とかできない事態が起こってしまうがあるからです。
例えば、仕事をしていると、ある日突然「納期が早まりました」と言われることも少なくありません。
実際、私が企業で働いていたとき、ある日突然海外規制が変更されたことがありました。
規制変更によって、商品の販売ができなくなる可能性が生じたのです。規制変更を知る前は6か月かけて商品を販売する計画でいました。
しかし、この規制変更に対応するために納期が2か月に変更になったのです。つまり、4か月分の時間が消えてしまったのです。
このときは、海外関連諸国の担当者や国内の関連チームを集めて一致団結して対応し、解決することができました。
このように、自分があずかり知らないところで課題が発生してしまうことがあるのです。
ただ、もし緊急事態が発生してもやせ我慢をせず周囲に助けを求めることが大切です。
最後まであきらめなければ、たいていのことは何とかなるものです。
ミスが起こらないように仕組み化をするスキルを身に着ける
ここまでリスクマネジメントのポイントや心構えを紹介してきました。ただ、上記だけを押さえるだけでは足りません。
なぜなら、仕事を進めていく上で大切なのはスキルだからです。精神力だけでは対応できないのです。
例えば、以下の2つは重要なスキルです。
・ミスを未然に防ぐような仕組みを作るスキル
これらのスキルを持っておくことで、ミスが起きても対処できるし、ミスを起こさないシステムを構築できるようになるからです。
例えば、膨大な量のデータを分析する仕事が発生することがあります。
このとき、多くの人は手動で計算を行います。そのため、リカバリーに要する時間が膨大になってしまいます。
さらに言えば、手動でやり続ける限り人の負担は減りません。
そのため、ミスの起こらない仕組み化を作ったとしても、人の負担が大きいせいで機能しないのです。
実際、私が仕事をしていたとき、過去3年分のアンケート結果を明日までに分析してほしいと依頼されたことがあります。
データ分析のような仕事の場合、自動計算できるスキルや仕組みを作っておけば一瞬で解決できます。
ただ、スキルがない人は、このような仕組みを思いつくことさえできません。結局、ミスが起こってしまうような対策しか打てないのです。
それでは、どうすればいいのでしょうか。
仕事で本当に使えるスキルを学ぶ
仕事のミスに対処したりミスを防止する仕組みを構築するには、以下のようなスキルを習得するのが、早くて簡単です。
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エクセルマクロを使えば、数百件以上のデータから取引先ごとに伝票を作成することも可能なのです。
そして、これらの作業をボタン一つで仕事を終わらせることができるようになります。
そうすれば、エクセル仕事での計算ミスやチェックミスといったことはほぼゼロにできます。
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業務マニュアルや手順書作成を行うときに役立つテクニックは以下の記事で紹介しています。
●業務チェックリスト作成のコツ
●文章を分かりやすく書くコツ(ロジカルライティングを使う)
●業務マニュアルを読んでもらうためのコツ
●業務マニュアルや手順書を作成する目的
●パソコン操作を早くして効率的して資料作成を早める
●フローチャート作成のポイント
●ガントチャートで仕事の進捗確認を効率化する
仕事の効率化を目指すときのポイントは、以下の記事で解説しています。ぜひ合わせて読んでみてください。
●生産性の低い職場の特徴
●仕事が早い人の特徴とポイント
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●会社のムダをなくすための取り組み事例
●効率化のアイデアを出すための考え方
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それ以外のスキルも仕事で役に立つものを紹介しているので、ぜひご活用ください。